心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

季刊誌「考える人」

2005-07-31 09:59:28 | Weblog
 季刊誌「考える人」(新潮社)の最新号を手にすると、創刊3年周年記念総力特集とあります。そういえば、2002年の夏、蝉時雨を身体いっぱいに浴びながら、涼を求めて書店に飛び込んだ時、初めてお目にかかったのがこの雑誌でした。特集は「養老孟司とイギリスの田園都市を歩く」でした。以後、何冊かは購読していましたが、その後、この雑誌の方向性が見えなくなって、いったんご無沙汰をしていました。再会したのは、昨年夏の特集「フィンランドの森、デンマークの暮らし」あたりからです。多くの雑誌が登場しては消えて行くご時世ですから、この誌もいずれはと思いきや、なかなか頑張っています。
 写真を所狭しと並べたものと違って、とにかく文字が多い。読んで気づく。読んで考える。これがこの季刊誌の特徴でしょうか。グラビア頁も、その延長線上にあります。静かに何かを訴えかけています。それだけに、特集テーマがしっかりしていないとぼけてしまいます。編集者の時代認識、時代を見つめる視点に左右されます。その点、この雑誌はしっかりしています。非常に大切な何かを読む者に訴えかけてくれます。今号の特集は「”心と脳”をおさらいする」でした。夏の昼下がり、蝉の声を聴きながら、長椅子に横たわって「考える人」を読む。贅沢な時間です。
 私が購読している雑誌は、この「考える人」のほかに、「ラジオ深夜便」「ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー」、そして前回お話した「analog」や「モーストリー・クラシック」などがあります。その他、特集記事によって経済関係誌や業界関係誌がありますが、すべてを隅から隅まで読むには時間がありません。必要に応じて、関心のある記事を拾い読みすることになります。でも、この「考える人」と「ラジオ深夜便」だけはおおよそ読み切ります。そういう時間をつくる努力をしています。日常の世界から少しでも距離を置くために。
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アナログの楽しさ

2005-07-24 18:33:34 | Weblog
 私が気分転換に眺める雑誌に「analog」(音元出版)という季刊誌があります。オーディオ・マニアではないのですが、私にはデジタルよりアナログの方が相性が良さそうで、時々ぱらぱらめくって楽しんでいます。
 きのうは、仕事帰りにオーディオ専門店に立ち寄って、シュアーのレコード針を手にしたついでに、スタビライザーなるものを購入しました。「レコード盤をしっかり押さえて音質アップ」が謳い文句ですが、ターンテーブルの中央に置くだけの、ずっしり重たい高さ4㌢ほどの円柱に過ぎません。これが結構高額ですから驚きです。家に帰って半信半疑でセッティングしてみました。何枚かのレコードを聴いてみると、なるほど音質の違いを認識できるほどに奥行きのある演奏を楽しむことができました。カートリッジにしてもそうですが、アナログの世界はアクセサリーひとつで音質を変えることができます。これがアナログの面白いところなんでしょう。
 気分を良くして、休日の昼下がりはアナログからデジタルの世界に。買ってきたばかりのCD、内田光子とスタインバークによるモーツァルトの「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ集」を聴きました。以前、季刊誌「考える人」で内田光子さんのロングインタビューを読んでいて、一度聴いてみたいと思っていた作品でした。うだる暑さで時間が止まったような部屋に、ピアノとヴァイオリンの緊張感が心地よく舞う、何とも素晴らしい演奏でした。夏の暑さを忘れさせてくれました。
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亀五郎夫妻

2005-07-17 12:46:00 | Weblog
 久しぶりの休日の朝は、愛犬ゴンタとお散歩でした。長く続いた雨も収まり、ゴンタの歩きも軽やかでした。気がつけば蝉の大合唱。街のあちらこちらから聞こえてきます。そう言えば、一昨日東京に出張した際、新幹線の窓から眺めた田園風景も1ヶ月前と違い緑の濃さが増していました。いよいよ「夏本番」です。
 ところで我が家には、クサカメが2匹います。我が家に引越して10数年は経ちます。大きな病気をするでもなく、元気に過ごしています。最初は、ペット屋さんで子供にせがまれて購入したメスの小亀1匹でした。娘の名前をとって「葉子亀」と名づけました。その後、親戚からオス亀1匹を貰い受け「亀五郎」と命名しました。以後、亀五郎夫妻と呼んでいます。
 亀五郎は甲羅の大きさが長さ16㌢、葉子亀は少し小さくて13㌢。まだまだ育ち盛りです。きちんと冬眠もします。ときどき、カシワの生肉を与えると、嬉しそうに口いっぱいに頬張って食べます。数年前からは産卵をするようになりました。ことしも10個ほど産んでいるのを見つけて、そっと別の器に移し変えましたが、孵化までにはなかなか至りません。
 夏本番を前に、愛犬ゴンタも亀五郎夫妻も元気一杯です。この連休を利用して長男君が帰ってきました。今夜はまたまた家族勢揃いです。このところ仕事に振り回され疲労感が溜まる一方の私にとっては束の間の休息日になります。明日はまたお仕事です。今が踏ん張りどころですから致し方ありません。
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すだちの花

2005-07-10 17:48:19 | Weblog
 この土日、出張で宮崎市に行ってきました。といっても仕事は土曜日で片付きましたので、きょうは午前中、飛行機の待ち時間を利用して、日南海岸の青島を訪ねました。鬼の洗濯板と呼ばれる波状岩に囲まれた美しい小島でした。もう夏なんだと妙に納得したものです。
 それにしても飛行機って便利ですね。午前中、亜熱帯植物を眺めていたのに、1時間ほどで、大阪の梅雨の世界に空間移動です。なんとなく疲労感を感じながら、夕刻には座敷に横たわってぼんやりと庭を眺める私がいます。
 で、庭を眺めていて、発見がひとつありました。昨年の暮れ、近くの園芸店で手に入れた「すだち」の若木に白い花が一杯咲いているではありませんか。庭に下りて眺めてみると、小さな実の子供がついています。ひょっとしたら植えて1年目から収穫が期待できるかも。「すだち」というのは「ミカン科ユズ類の常緑低木。果実はユズより小形、緑色のうちに独特の香気と酸味を賞味する。香味料として賞用。主に徳島県で栽培」と広辞苑にあります。実をスライスして美味しいお酒に浮かべると、これまた格別な味を楽しめます。(^^♪なにやらわけの分からない文章になってしまいました。出張疲れということでご勘弁を。
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不思議なサティの世界

2005-07-03 11:40:56 | Weblog
 今年は雨不足かと覚悟していたのですが、ここに来てやっと梅雨らしい季節になりました。今朝は、朝早くから町内会の「お掃除の日」。でも、それは家内に任せて惰眠をむさぼる休日の朝でありました。
 こんな憂鬱な日には、エリック・サティのピアノ曲がお似合いです。しとしと雨が降るような、ときに大降りになったり、小降りになったり。とにかく1週間の疲れを癒すだけの時間。何も考えず、ただただ時間がすぎていくのを眺めている。そんな私がいます。そう、ここ1週間は毎日のように採用面接に明け暮れました。いろいろな人のいきざまを追いながら、人の人生を思いました。それが私には大きな重荷だったんでしょうか。
 それにしてもサティの曲名って面白いですね。「本当にぶよぶよした前奏曲」「あらゆる意味ででっちあげられた数章」「ひからびた胎児」「官僚的なソナチネ」「三の逃げ出させる歌」。サティがどんな人物であるのか知らないけれど、ときたま思いついたように聞く曲です。手持ちのCDピアノ全曲は輸入版なので詳細不明。落ち着いたら一度、文献を紐解いてみることにいたしましょう。
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