心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

束の間の休日を楽しむ。

2023-09-24 22:44:52 | Weblog

  「秋分」。昼と夜の長さがほぼ同じになる日だとか。これから徐々に夜が長くなっていきます。そういえば、昨夜は、網戸から流れてくる涼気でぐっすりと眠ることができました。まだぶり返しもあるようですが、季節は確実に「秋」に向かって歩み始めています。ここ数カ月NPOに振り回されてきましたが、先週末でひと区切りがつきましたので、ひとまずの小休止です。
 久しぶりに出かけた先週の水彩画教室の画材は「靴」でした。さあてどうしたものかと思いあぐねて決めたのは次男君が高校生の時に履いていたシューズでした。少しよれよれになっていたものを机の上に置いて描きました。来週はこれにどう立体感を出していくかというのが課題になります。
 昨日は、伸び放題になっていた庭の草木の整理とお掃除に汗を流しました。嬉しかったことがふたつ。今年は柑橘類が全滅だったのに、レモンの樹上を見ると1個だけ実が付いていました。その近くにはカリンの木が植わっていますが、春先に5個ついていた実が台風などで落ち、でも2個だけ頑張っています。
 ジャカランダの苗木も、この夏に大きな鉢に植え替えたあと、ぐんぐん成長しています。そろそろ地植えの場所を考えなければなりません。一方で、なにわの伝統野菜のひとつトウガラシも大きく育ち、そろそろ実が赤くなってくる頃です。ショウガもうまく育っています。春先に植えたアスパラガスも順調に育ち来春から収穫が待ち遠しい...。こうして季節の移り変わりを体感するは楽しいものです。

 そうそう、先週は山本能楽堂の伝統芸能塾に行ってきました。この日のテーマは「平家物語」。講師は下掛宝生流能楽師ワキ方の安田登さん、薩摩琵琶を本郷智さんが演奏されました。お能「経正」「敦盛」について名場面を安田さんの謳いに併せて皆で大きな声で発声しながら、お能の真髄に迫る講座でした。お能の台詞は何度聞いても聞き取れませんが、こうして自分で文字を追いながら声に出してみると、能舞台が目の前に迫って来ます。楽しいひと時でした。今は亡き宝塚の叔父が後年、謳いにはまり込んだことが分かるような気がしました。
 今日は、義理の父母と妹のお墓参りに行ってきました。お寺をふたつ巡り、その後には奥様のお買い物にお付き合い。それはそれは大変なことでした(笑)。万歩計をみると、なんと19,000歩とあります。日頃は外出する機会も限られ、もっぱら大好きな小物づくりを楽しんでいますから、一度出かけるとなると、あそこにも行きたい、ここにも行きたいと寄り道が多くなります。今日はステンドグラスと皮細工の材料をお買い求めでありました。お疲れさまでした。
 束の間の休日を楽しんだあと、今週も比較的ゆったりとした日々を過ごすことになります。でも、週末にはシニア仲間と明石に出かける予定。翌週からじわじわとまた忙しくなりそうな気配です。

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息抜きに播州赤穂に行ってきました。

2023-09-18 15:47:46 | Weblog

 9月も半ばというのに、この暑さ。身体に堪えますね。少しでも季節感をと「日本の72候」をめくってみると、第45候白露未候「玄鳥去(つばめさる)」。秋と入れ替わりに燕が南へ帰っていく季節だとか。今年はどうなんでしょうね。燕さんも、もう少し日本で暮らすんでしょうか。

 先週の月曜日は、スキマ時間をかいくぐって播州赤穂に行ってきました。急に大阪を離れたくなって、ふらっと出かけてみたくなって、たまたまネットでヒットしたのが赤穂温泉だったということなんですが、大阪からは姫路で赤穂線に乗り替えて2時間ほどでしょうか。赤穂と言えば忠臣蔵ですが、街をのんびり歩いたのは初めてでした。残暑厳しい折、観光客はまばらでしたが、歴史観光都市にふさわしい街づくりがなされていて、ゆったりと散策できました。
 赤穂に行ったのは、温泉と海の幸がお目当てです。瀬戸内海の夕日を眺めながらまったりと露天風呂に浸かり夏の疲れを癒します。ロビーでは地元のお酒が自由に味わえるとあって、お風呂上りに一杯いただきました。食事は少し奮発しましたので、鱧、蛸、鮑、穴子と盛りだくさん。瀬戸内のお料理を存分に堪能しました。
 翌日は姫路で途中下車して姫路市立美術館に向かいました。下調べもせずに覗いてみると、ちょうど「チームラボ 無限の連続の中の存在」というちょっぴり難しいテーマの展覧会をやっていました。
ホームページを拝見すると、「チームラボは、自分と世界とのあらゆる境界が取り払われた「ボーダレス」な世界に目を向け、アートによって人類の世界認識を変えようとしています。自分が立つ現実世界と、目の前に展開する作品世界の時空がつながるアート空間 ー超主観空間ー に“没入”する経験を通じて、鑑賞者はこの世界が連続性の上に成り立っていることを身体的に認識することができます。近年、チームラボの探求はさらに深化を遂げ、「生命とは何か」というテーマのもと、「私という存在は、心と体とそれらと連続する環境によって創られている」という考えを表す作品を次々発表しています。生物と無生物との境界をも超える認識へと鑑賞者を導くチームラボのアートの現在地を、前期・後期の展示替えを通して長大なスケールで展開します」と記されています。
 なんとなく共感を覚えながら、なんとも不思議な世界に迷い込んだ感じでしたが、こういう訳の分からない世界に足を踏み入れることに何となく興味深々。考えてみると、リタイア後にたっぷりあったはずの時間が、ここ数年、NPOでの仕事に振り回されて自由が効きません。ズルズルと足を引っ張られてしまいそうです。時間にゆとりがある頃には、目の前にお迎えが来ていそうな気がしないでもありません(笑)。
 でも、意外と時間があると逆に何もしなくなるのが人間の性でもあります。ほんの一瞬であっても、スキマ時間を大切にして、いま関心のあることにどっぷり浸かるのも良いかもしれません。

 

 

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四国遍路も伊予の国から讃岐の国へ

2023-09-10 13:53:52 | 四国遍路

 朝目覚めて窓を開けると一瞬ひんやりとした空気が部屋に充満します。庭の木々も幾分元気そうです。でも、朝のお散歩に出かけると次第に暑さが身にまとわりつきます。家に帰る頃には汗びっしょりになってしまいます。まだまだ暑さから解放されることはなさそうです。
 そんな折、先週末に四国遍路ツアーに行ってきました。今回は60番横峰寺、61番香園寺、62番宝寿寺、63番吉祥寺、64番前神寺、65番三角寺の6カ寺です。大阪からバスで4時間余りかけて向かいます。四国に行き来するようになって、この程度のバス移動には慣れてしまいました。スマホを見たり、本を読んだり、居眠りをしたりしていると、あっという間に到着です。私にとってはある種の休息時間でもあります。
 都会の喧騒から逃れて、山の中に佇むお寺に降り立つと、何とも別世界のよう。参道の道すがら、いろんな小鳥たちが賑やかに出迎えてくれます。ふと、歩き遍路の案内矢印に目が留まります。歩くときはこうした御印が唯一の頼りです。あたりの景色に見とれてついつい見落としてしまうこともありましたが、何かに取りつかれたように歩き通したことが嘘のようでもあります。(下:バスの駐車場に向かう道と歩き遍路の道は違います)
 今回ご一緒した中には、朗々と般若心経を唱える41歳の若者もいました。時々仕事の電話が入っていたようでした。何が彼を遍路に駆り立てるのか.....。食事を共にした京都から参加の61歳の男性は、休暇を取って参加したと言っていました。5年近く母親の介護をしながら仕事を続けてきたそうですが、残念ながら昨年お亡くなりになり自由になった時間をどうしようかと考えたとき、母の供養を兼ねて四国遍路を思いついたのだそうです。皆さんそれぞれの思いを胸にお出かけになっています。
 では、私は何のため?それがよく分からない。それほど宗教心があるわけではないのですが、ついつい日本の原風景の中に身を置くことで見えてるくものを追い続けています。まさにこのブログの原点に迫る思いがあります。
 最近は寺々の「言い伝え」にも耳を傾けます。吉祥寺では、くぐり吉祥天女、迎え大師、成就石、香園寺では子安大師、神前寺では御滝行場不動尊や招福猫の御守などなど。信じるでもなく、でも気になるお話に耳を傾けたり。
 6カ寺の中で香園寺さんはいつ来ても驚きます。お寺というより鉄筋コンクリート造の長方形の巨大な建物の中にご本尊とお大師さんがいます。境内には現在大きな仏閣を建設中ですが、そのお金はどこから沸いてくるのかと不思議に思います。やはり四国八十八箇所は素朴な佇まいが似合います。
 今回は7月に続いて道後温泉に1泊しました。耐震工事中の「坊ちゃんの湯」に浸かってささやかな旅行気分も楽しみました。こうして、伊予の国の巡礼を終え、次回からいよいよ讃岐の国に入ります。ことし1月から始まったお遍路ツアーもあと2回、23カ寺を残すのみです。
 連日、茹だるような暑さに見舞われた今夏でしたが、少しずつ涼しくなりそうな気配です。この夏は一人旅ばかりでしたので、NPOの仕事の間を縫って、明日は奥様と一泊二日の細やかな小旅行に出かけてきます。

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世界最古の金剛組と外資系企業に売却される西武百貨店

2023-09-03 14:33:48 | Weblog

 9月に入り朝夕ずいぶん涼しくなりましたが、日中は相変わらずの暑さです。季節の変わり目は高齢者に応える日々が続きます。それでも、朝のお散歩で向かうお不動さんの境内では、真夏に喧しく鳴いていたクマゼミが影を潜め、今朝はツクツクボウシが鳴いていました。
 そのお不動さん、数年前から山門の建て替え工事を進めていましたが、きょうやっとその姿を現しました。四国遍路で巡るの寺々の山門に劣らず立派なものです。屋根の銅板1枚に私も寄進しています。
 今回の工事を引き受けているのは金剛組です。聖徳太子が招聘した宮大工が578年(飛鳥時代)に創業した世界最古の企業で、神社仏閣建築の設計・施工や文化財建造物の復元や修理等を手がけている老舗です。
 そう言えば、3日前の31日は、1年で月が最も地球に接近して、ふだんより明るく輝いて見えるスーパームーンと、月に2回目の満月となるブルームーンが重なった「スーパーブルームーン」でした。昨夜その話を家内から聞いて2階の窓から眺めました。雲に隠れながらぼんやりと見えました。
 月と地球の距離はおよそ35万7000キロ。先日、インドの月探査機が着陸に成功したというニュースが飛び交いましたが、ウサギさんが餅つきをするお月さんから、誰もいないだろう静寂(無)の現実世界に引き戻されてしまうことに一抹の寂しさがあります。次回の「スーパーブルームーン」は6年後の2029年3月30日だとか。見れるかなあ?
 きょうは朝からメダカの水槽を掃除しました。親メダカが3匹、子メダカが5匹います。今夏の異常な暑さに耐えて秋を迎えようとしています。掃除をしていたら藻にいくつもの卵がぶら下がっていました。無事孵化するかどうか分かりませんが、小さな器に移し替えて様子をみることにしました。こうして時とともに私の身の回りも少しずつ進化しています。
 人と自然界が知らぬ間に移り変わっていくなかで、セブン&アイ・ホールディングス傘下の百貨店、そごう・西武の労働組合が31日、旗艦店の西武池袋本店でストライキに突入したニュースが飛び交いました。それも賃上げ要求ではなく、買収後の雇用維持や事業継続を求めての決行で、日本の百貨店でのストライキは61年ぶりだそうです。それだけ事は深刻ということです。
 私は、西武池袋店に行ったことはありませんが、西武百貨店と言えばひと昔前、辻井喬こと堤清二氏が経営を担った百貨店で、一時期「セゾン文化」を作り上げた歴史ある百貨店のようです。それが、いつの間にか経営を他社に委ね、ついには米投資グループフォートレスに売却される。金剛組という息の長い企業がある一方で、比較的短命で終わる企業もあります。いえいえ、生きながらえるための企業戦略なんでしょう。
 堤氏自身は若い頃、左翼運動に身を投じた経験の持ち主でした。父親が実業家にして衆議院議長を務める家庭に育ったためか、いつの間にか経営陣に仲間入りした稀有の人物でもありました。お恥ずかしい話、私が堤氏の存在を身近に感じたのは、以前ブログでもご紹介しましたが、古本祭で出会った辻井喬著「西行桜」でした。その後、堤清二に繋がり、中公文庫「叙情と闘争~辻井喬+堤清二回顧録」、近藤洋太著「辻井喬と堤清二」に繋がっていきました。本の帯には「宿命的な経営者にして詩人」とあります。...昭和、平成、令和と時代は動いています。
 さてさて、休日の昼下がり、冷房の効いた部屋でブログを更新しています。今週も忙しい1週間になにりそうですが、週末には四国遍路ツアーに出かけてきます。行先は今回も愛媛県です。60番横峰寺から65番三角寺まで6カ寺を回ってきます。11月で結願の予定です。

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