心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

猛暑日の過ごし方

2010-07-25 10:34:21 | Weblog
 週末に名古屋に出張しました。JR名古屋駅で在来線の岐阜県多治見行きの電車に乗り換えました。多治見と言えば前日の気温が39.4度もあった所です。三つめの駅で地下鉄に乗り換え、最寄駅から歩いて5分。目的地には正午過ぎに到着しましたが、まさに汗だくの珍道中とあいなりました。
 それにしてもこの夏は暑い、暑い。まっ昼間に戸外を歩こうものなら、数分で身体にほてりを感じ、頭がぼおっとしてきます。熱中症が取りざたされるのを身を持って体験することになります。そのうえ熱帯夜が続くと、身体を休めるときがありません。きょうの朝日新聞朝刊には、「熱帯夜を心地よく」と題して暮らしの工夫の特集記事が掲載されていました。寝室の工夫で夏も快眠、とあります。エアコン以外はすでに実施中のことばかりでしたが、そのひとつが「窓を緑のカーテンやよしずで日よけして室温があがらないようにすること」。わたしの部屋は、網戸、薄いカーテン、そしてよしずで覆ってあります。夏だけは、一つの窓だけは明るくしていますが、部屋全体は比較的薄暗い設定にしています。小さい頃の、田舎の蔵の中の薄暗いひんやりとした雰囲気を身体が記憶しているのです。
 一方、この暑い夏にもかかわらず、我が家で元気いっぱいの御方がいらっしゃいます。数年前にハワイで買ってきたプルメリアです。昨年あたりから花が咲き始めましたが、当初、20㎝ばかりの苗木が今や1㍍になり、今年は少し大きめの鉢に植え替えたからでしょうか、頭頂部の蕾の付け根部分が三股になってきて、この暑さもなんのその、元気いっぱいなのです。
 こんな季節、人間様は無理をしないことが一番です。時々頭のてっぺんから水をぶっかけて涼をとりながら、長椅子に横たわって軽い本を読みます。渇きを感じるときはお手製の月桂樹酒をロックでいただきます。でもねぇ。例年ならこれで収まるのですが、今夏は、なかなか手ごわいのです。職場で追いつけない仕事があると、ついついエアコンをガンガン回しながらの部屋籠りです。きょうの日曜日も、そんな予感がしています。それでも夕方になると、日中の照りに疲れ切った庭の草木に水やりをします。うっかり放水を始めると熱湯が飛び散ることがありますから、手で水温を確認してから散水します。これまた気の抜けない作業です。
                   
 そんな寝苦しい夜がつづくますが、昨夜は難しい本を読む気にもならず、買い置きの本のなかから角川文庫の水木しげる著「猫楠=南方熊楠の生涯」を開きました。著者の名前でおわかりかと思いますが、漫画です。400頁ほどの漫画文庫を読んだことになります。南方熊楠をよく理解されたうえでの漫画で、荒俣宏さんや中沢新一さんの解題もあって、思いのほか格調の高いものでした。
 暑さのためでしょうか。このところ他愛ないブログ更新が続きます。
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梅雨明けと農作業

2010-07-18 09:30:24 | Weblog
 我が家の菜園では今、かぼちゃの花が咲いています。もちろんあちらこちらに小さな実がついています。ことしは空き地にサツマイモの苗も植えています。大きく育ったら孫君を呼んで収穫祭をしなければなりません。そうそう、我が家の水槽では、プラティが数えられないほどの数になっています。40匹?50匹?60匹?近所のペットショップで半年前に8匹ほど買ってきたのですが、その増殖ぶりにびっくりしています。増えるということは、水槽のお掃除もたいへんということです。休日は菜園のお手入れのほかに、水槽やら亀五郎夫妻の飼育箱の掃除など、結構たいへんなのです。
               
 そんな日曜日の朝、LPレコードの具体的な曲目が浮かばなかったので、久しぶりにラジオのスイッチをいれました。NHKラジオ第一の「音楽の泉」です。司会は皆川達夫さんです。このAM放送はFM放送が誕生する前の1948年頃から始まったクラシックファンのための番組で、MONOの素直な音が清々しい朝の空気に合います。この番組、わたしの父が昔よく聴いていました。きょうのテーマは「ヴァイオリン・フルート名曲集」でした。
 さて、ここ大阪もやっと梅雨が開けました。長かったような、そうでもないような梅雨が明けて、きょうの空は真っ青。さきほど愛犬ゴンタとお散歩に行ってきましたが、ひんやりとした木陰でひと休みすると、あたりで元気な夏蝉の鳴き声が響きます。そう、「夏」なのです。小さい頃、これから始まる長い夏休みに心弾む、そんな季節を今年も迎えました。そういえばこの連休、田舎では全国のお姉さん方が結集しています。私もお誘いを受けましたが、この時期、大阪を離れるわけにも行かず失礼をしました。
               
 ところで、この1週間を振り返ってみると、やはり印象深いのは坐禅研修でしょうか。以前から一度は経験してみたいと思いながら、やっと先日、幹部候補人材の研修の一環として実現できました。禅作法による精進料理体験、住職様の法話、そして坐禅、最後は拝観という半日のプログラムでしたが、雨がしとしとと降るなかで1時間ほど坐禅をいたしました。非日常の世界に身をおいて自らの心を振り返る貴重な時間を過ごすことができました。意外ときつかったのが禅的作法による昼食でした。もちろん、正座です。ふだん正座をする習慣がないので本心は食事どころではありませんでした。良い経験をいたしました。
 と綴っている最中も、窓の外では夏蝉の鳴き声が聞こえてきます。ラジオから流れるフルート演奏(カルメン幻想曲)の流れに呼応しているようにも思えますが、長い梅雨が明けて、蝉たちも喜んでいるのでしょう。この曲、私も好きな曲です。
 この夏、わたしは60歳の誕生日を迎えます。先日、職場から「60歳になられる皆さまへ」と題する資料をいただきました。年金の請求手続きに関する資料でした。数日前に、改選手続きがあって任期更新となりましたから、申請しても当分年金はお預けなのだそうです。喜んでよいのか悲しんでよいのかよくわかりませんが、手続きだけはしておくことになります。お盆には子供たちが集まってくれて還暦祝いの宴が予定されているとか。早く老人にしてしまいたいのかなぁと思ってみたりする、今日この頃です。
 さあ、梅雨の間に庭の草木が茂ってしまいましたので、きょうはこれから虫ガードの薬を身体中に噴射して庭掃除を行います。そのあとの冷たいビールを楽しみに。
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ボストン美術館展

2010-07-11 10:31:10 | Weblog
 今朝、庭の片隅で蝉の殻を見つけました。でも、今年はまだ蝉の鳴き声を聞いていません。あたりを見回すと、いました、いました。枝にひっそりと佇む蝉の姿。まだ孵化したばかりのようです。梅雨の季節は続きますが、盛夏も目の前、暑い暑い「夏」を迎えます。そんな日曜日の朝、今日は参議院議員選挙の投票日です。ここ大阪は午後から雨が降り出しそうなので、愛犬ゴンタを連れてひと足早く近所の中学校の投票場に行ってきました。いつもより出足が早そうです。
 さて、土曜休日をいただいた昨日は、京都市美術館で開催されているボストン美術館展に行ってきました。先週の土曜日も同業他社の方々とのお勉強会で京都に行きましたから、2週連続の上洛でした。
 会場入口を入ると、まずはエル・グレゴの「祈る聖ドミニクス」などが並ぶ宗教画がずらり。その次はレンブラントなどの肖像画。そして徐々に印象派のコーナーに移っていきます。18世紀までの宗教や神話を主題にした絵画から同時代の風物を題材にし、しかも自然の光と色の微妙な変化を描く印象派の世界に。なかでもクロード・モネの作品は心を和ませました。はじめ人の波に続いて1㍍ほどのところから絵画を眺めていましたが、一巡して今度は少し距離をおいて眺めてみて驚きました。作品の光と色彩の変化がぐっと迫ってくるではありませんか。部屋の照明も微妙に影響しているのでしょう。でも、事物を近くで見つめることと距離をおいて眺めることの違い。それによって異なる理解、解釈に至ることがあること。やはり遠近両用の物の見方の大切さを思った次第です。
 前宣伝どおりというべきか、モネの「積みわら(日没)」「アルジャントゥイユの自宅の庭のカミーユ・モネと子ども」「ヴァランジュヴィルの崖の漁師小屋」「小クルーズ川の峡谷」などが印象に残ります。ほかに、アルフレッド・シスレーの「サン=マメスの曇りの日」「朝」などにも足が留まりました。ただ、絵画を見る眼が備わっていない私には、ゴッホやピカソの絵は、近寄りがたいものでした。
            

            
 美術館を出ると、午後の3時を回っていました。時間に余裕があったので、知恩院にお参りすることにしました。神宮通りを南にむかって歩きます。4時の閉門になんとか間に合うことができました。お参りが終わり、円山公園を通って八坂神社前に出ると、なにやら騒々しいのです。なんだろうとあたりを見回すと、馬上に稚児さんの姿、武者姿や鷺踊りの子供の姿、その先頭には祇園囃子や提灯の行列が街中を練り歩いていました。祇園祭の神事のひとつ、神輿を迎える「お迎え提灯」という行事だそうです。多くの観光客に交じって私も何枚か写真を撮りました。これから京の街は祇園祭一色になるのでしょう。
 そんな楽しい土日連休を過ごしておりますが、今週も上洛の予定です。今度は職場の若い方々を連れての座禅研修です。若い方々に交じって、私も自分自身の心を見つめてみようと思います。
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孫君のお昼寝

2010-07-04 09:25:40 | Weblog
 梅雨の季節の鬱陶しさが続きますが、きょうの日曜日は「なんとなく曇り」、雨が降らないだけまし、ということにしておきましょう。そんな季節なのに、このところ私の街に鶯が棲みついて、雨天以外は早朝、鶯の囀りで目を覚ます贅沢な生活をしています。きょうも、愛犬ゴンタと散歩中、ずっと聞こえていました。そして、いまも窓の向こうから鶯の囀りが聞こえてきます。
 それにしても、今年の梅雨開けはいつ頃になるのでしょうか。雨も嫌ですが、連日の熱帯夜も嫌です。でも、今年もクーラーのお世話にならない夜を過ごそうと、部屋の網戸の点検をしました。そして何枚かは網の張り替えをしました。これで真夏の夜の夢を楽しむことができます。明け方のひんやり感が何とも言えず、夏バテ防止にもなります。先日、職場の定期健康診断の結果表をいただきましたが、いまさらどうしようもない要注意事項は別にして比較的安定期に入った私の身体です。いつまでふんばりが効くのか、60回目の夏を迎える今年も暑さにめげず頑張りたいものです。
 ところで、きょうの日曜日は孫君とお出かけです。大阪と京都を繋ぐ京阪電車で運転中のラッピング電車「7000系きかんしゃトーマス号2009」が本日をもって運転終了ということで、終点の中之島駅でイベントがあるというので、お誘いを受けたのでした。あまり気が進みませんが、まぁ孫君のたってのお願いですから老体に鞭打ってのお出かけとなりました。
 そういえば、先日の休日の昼下がり、本をぱらぱらめくりながらうつらうつらしていると、夢の彼方で「おじいちゃ~ん。来たよぉ~」という声が聞こえてきました。だんだんと声が大きくなって、はたと目を覚ましました。1カ月ぶりの孫君の来訪でした。
 孫君、愛犬ゴンタに餌をやったり、恐る恐る撫でてみたり、熱帯魚や亀五郎夫妻に餌をやったりと、おじいちゃんのお家に来たら何をしようかと、いろいろ考えて来たのでしょう。私の部屋に入ると、今度は童謡のLPレコードを持ち出してきて、それを聴かせてほしいとねだります。レコードのジャケットを広げて、「はしれちょうとっきゅう」「ちかてつ」「汽車ぽッぽ」などを楽しそうに聴いていましたが、用事をしていてふと振り返ると、なんとお昼寝タイムでした。保育所でのお昼寝タイムと同じ時間帯なのでしょうか。30分ほどすやすやとお眠りでした。
 私が保育園に行っていたときも、といってもずいぶん昔のお話ですが、タオルケットをもって広い教室に集まり、みんなでお昼寝をする時間がありました。なかなか眠れないのだけれど、それでもいつの間にかぐっすり眠ってしまう。そんな思い出があります。そのときに流れていたのが、園長先生が好きな曲だったのか、いま思えばドビュッシーの「子供の領分」や「ベルガマスク組曲」でした。
 その孫君一家も、この秋には我が家に近い最寄駅界隈のマンションに引っ越してくるのだそうです。車で10分もかからない距離です。息子たちが関東に行っていますので、在阪の娘夫婦が、高齢期を迎える我々のことを少し配慮してくれたのでしょうか。一緒に住むわけではないけれど、何となく心強く思ってしまいます。きょうは、エリック・サティーのピアノ小曲集を聴きながらのブログ更新でした。これからお出かけです。

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