そんなある日、広島の宿所でホウホウと鳴く鳥の声に目覚めました。7階だというのに、かなり近いところから聞こえてきます。なんだろうとカーテンを開けてびっくり、母鳩が抱卵中でありました。ベランダの隅に枝や枯葉で巣を作っています。なんとまあ、こんなところで。コーヒーを啜りながら椅子に座ってしばし眺めていました。追い出すわけにも行きません。小鳩が巣立つまでは、そっとしておいてあげましょう。それにしても巣の場所が悪い。クーラーの排水口に巣はあります。小鳩が巣立つまでの間、クーラーは使用禁止です。
ゴールデンウィーク初日にあたる土曜日は、残念ながら広島に滞在していました。午後から会議があったからですが、それまでの暇つぶしに「ひろしま菓子博2013」を覗いてきました。場所は旧広島市民球場跡地、県立総合体育館一帯です。朝一番なら大丈夫だろうと、10時開場に少し余裕をもって出かけたのですが、入場口には既に大勢の人が並んでいました。それでも、当日券を買って30分も並べば、とりあえず会場内に入場できました。
いろいろな施設がありました。人気は「全国お菓子めぐり館」や「全国お菓子バザール」などお菓子に触れて購入できるところで、そこはみな長蛇の列でした。私は「お菓子テーマ館」に直行しました。残念ながら会場内は写真撮影禁止でしたので、その風景をお伝えできないのは残念ですが、要するにお菓子の造形芸術展でした。鷲、鷺、桜、藤など日本画の風景がお菓子でできています。織田信長像や出雲神楽、二重塔、宮島の鳥居と神社の全景も、すべてお菓子でした。お菓子と言っても馬鹿になりません。色といい形といい、その細やかなつくりは、まさに職人芸。大きな翼をもつ鷹は、今にも飛び立とうとしています。日本の「ものづくり文化」の底力を改めて思いました。
外に出ると、人の多さと暑さにうんざり。大山牧場の濃厚ミルクソフトクリームをいただいて、早々に会場を後にしました。メインゲートを出ると、目の前は市電の原爆ドーム前です。時間に余裕があったので、観光客が行き交う公園を散歩しました。明るい春の陽を浴びた平和な街の風景が、そこにはありました。広島で働くようになって今年で3年目です。今年から出張頻度を落としたものの、当分の間は行ったり来たりすることになります。
そうそう、土曜日は3時間に及んだ会議が終わると、市内の居酒屋で5人のメンバーと一杯呑みました。「皆さん、お酒はお強いんですか」と尋ねると、女性陣の方々から「普通です」と。広島のお酒のなんと美味しいことか。ずいぶんいただきました。皆さん、普通ではなくて本当にお強いことが判ったのも楽しいことでした。ほろ酔い気分で最終の新幹線に飛び乗って帰阪しました。
でも、ずいぶん酔っぱらったようで、翌朝目覚めると二日酔い状態でした。そんな日曜日の朝、家内から、孫君を地元の温泉に連れて行ってほしいのだと。本人はその気になっているとも。ぇえ?、でも出かけて正解でした。春の陽が降り注ぐ露天風呂に浸かっていると、いつの間にか酔いも醒めました。ひと風呂浴びたあと、孫君と二人で昼食をいただきながら冷たいビールで喉を潤すと心身ともにシャキっとしたものです。温泉大好きなお祖父さんと孫、これもゴールデンウィークのささやかな楽しみかも知れません。
この連休は暦どおりです。特段の予定は立てていません。5月からアメリカ本社に異動になる次男君が出発の挨拶にやってくる程度でしょうか。で、温泉に浸かりながら孫君に尋ねました。「○○おじちゃん、アメリカに行くんだって。○○も大きくなったら海外に行くようになるのかなあ」。すると孫君、「行っても良いけど、僕、アメリカ語はまだ、Yes,I do.しか知らないから無理、無理」と。年長組の孫君、なかなか楽しい返答をしてくれます。
きょうはグレン・グールドのブラームスを聴きながらの、一日遅れのブログ更新となりました。午後は庭のお手入れでもしましょう。