心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

新型コロナウイルスに振り回された1週間

2020-02-29 22:12:49 | Weblog

 今週はドタバタの1週間でした。とにかく新型コロナウイルス対応に追われた1週間でした。シニア向けの講座を運営している関係上、ウイルス対策は欠かせません。と思っていたら、お国から唐突に指針が示され、慌てふためく。.....いやいや、要はシニアの皆さんに新型コロナウイルスに感染しない配慮が求められているということです。本校では、急遽、来週と再来週の講座を休講にしました。

 でも、こういう緊急時に困ったのは、電話をしても繋がらないことです。私自身がそうですが、登録していない電話には身構えてしまいます。ふだん個人的な接触のない方から電話があっても、すぐにお取りにならない方がいらっしゃいます。いろいろ悪巧みをする輩がいるからです。でも、なんども電話をしながら、自働的に切れてしまうのは悲しいです。仕方ありません。いそぎ文書通知になります。

 でもねえ。法学部に入学して、なにも分からないまま斯界の権威と言われる先生のご講義をお聞きして、そこで身につけた「リーガルマインド」を頼りに、40数年も仕事現場で生きてきた私としては、最近の超法規的解釈には開いた口が塞がりません。現役時代、弁護士の先生にお知恵をいただいたような、そんな理屈を前面に出して物事を進める。やはり、おかしいです。

 あとは、現場の第一線で活躍している現役の方々に委ねましょう。これから10年、20年の間、社会を形成していくのはあなた方だからです。きょうは1日中、電話で休講のお知らせをして疲れました。久しぶりに、写真なしの更新になります。ご勘弁を!

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お上りさんの東京見物(その6)~孫娘のお食い初め

2020-02-22 14:57:21 | 旅行

「私はかねてより、古い部屋には、たとえそこに誰もいなかったとしても、独特の美しさがあると思っています。あるいは、まさに誰もいないときにこそ、それは美しいのかもしれません。」

   これは、室内画の画家として知られるヴィルヘルム・ハマスホイの言葉です。東京お上りさんの初日は、東京都美術館で開催中の、家内お薦めの「ハマスホイとデンマーク絵画」展を楽しみました。といっても私には馴染みのない画家です。一枚一枚の絵と対峙しながら、なにかしら心和む時間を味わいました。
 案内によれば、「身近な人物の肖像、風景、そして静まりかえった室内――限られた主題を黙々と描いたデンマークを代表する画家ヴィルヘルム・ハマスホイ(1864-1916)は、17世紀オランダ風俗画の影響が認められることから “北欧のフェルメール” とも呼ばれる」のだと。「19世紀末デンマークの画家たちが描き出した北欧の美しい自然やプライベートな空間でくつろぐ家族の姿。デンマーク人が大切にしている価値観 “ヒュゲ(hygge :くつろいだ、心地よい雰囲気)” が溢れる珠玉の絵画を堪能ください」とありました。
 お昼前に東京羽田空港に到着後、まず向かったのが上野公園でした。ハマスホイとデンマーク絵画展を楽しんだあとは、いったんホテルにチェックイン。夕刻、東京ドームでこの日から始まった「第30回世界らん展」見物に出かけました。午後6時からは場内の照明が落とされ幻想的な風景が広がります。なぜか会場の一画に大きな水槽が置かれ、沖縄の海に生きる魚たちが悠々と泳いでいました。かと思うと多肉植物や盆栽などのコーナーもあって、楽しいひとときを過ごしました。今週の水彩画教室のために、洋らんを一鉢連れて帰りました。
 その後、足を延ばして月島に向かい、少し遅めの夕食をいただきました。知る人ぞ知る「もんじゃ焼き」の街です。JALパックのオプションから「だるま」を選び、東京下町の味を楽しみました。

 2日目の土曜日は、名古屋に単身赴任中の長男君が帰ってきてくれました。小学生の孫2人はクラブ活動で忙しいため、幼稚園に通う末の孫を連れて、浅草へ。孫君のお目当ては、浅草寺に隣接する日本最古のゆうえんち「浅草花やしき」でした。小規模な街中の遊園地にすぎませんが、幼少の頃東京で育った兄姉が遊んだだろうレトロな遊園地を一度覗いてみたかったのでした。
 浅草寺の境内からスカイツリーが見えます。浅草界隈を眺めながら歩いて向かいました。賑やかなお店通りを通って孫君を連れて行ったのは、ソラマチ8階にある千葉工業大学の未来ロボット技術研究センター・fuRoの展示室。決して大規模なものではありませんが、ロボット研究の最先端に触れることができます。大学の方に丁寧に説明いただき、孫君も興味津々でした。
 その後、長男君宅で小学生たちが帰るのを待って、夜は皆で楽しい夕食会。その夜の宿がある横浜に到着したのは10時を回っていました。
 3日目のメインテーマは次男君宅の孫娘の「お食い初め」でした。一カ月半ぶりに再会した孫娘はずいぶん成長していました。笑顔が絶えません。ニコニコニコニコとご挨拶をしてくれました。大安の日だったためか、小料理屋さんには同じ儀式で盛り上がるご家族が数組ありました。
 あっという間の4日間でしたが、最終日は、横浜の中華街を覗いてきました。新型コロナウィルスの影響でしょうか、さすがに人通りは少なかったものの、JALパックのオプションのお店に入ると大勢のお客で賑わっていました。
 この4日間を通じて、心のなかで咀嚼していた言葉があります。「時間がふりつもった空間」です。「ハマスホイとデンマーク絵画」展でみつけた言葉ですが、目まぐるしく移り変わる世の中にあって、揺るぎもしない空間。何代にもわたって人の呼吸が聞こえてきそうな空間。部屋に差し込む和らかな光が充満する空間。ネット時代を迎えて、映像が瞬時に陳腐化してしまう日常性の中で、ひっそりと時を感じる瞬間、空間。
 息子たちの家にも、ぞれぞれの空間があり、それぞれの喜びがあり、それぞれの悲しみがあります。こうして人は成長していくんでしょう。帰りの飛行機のなかで思ったものでした。

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お爺さん気取り (^_-)-☆

2020-02-08 16:54:32 | Weblog

 ライラックの樹を見上げると、枝先の花芽が膨らんできています。春先には香しい花を楽しませてくれるでしょう。ライラックの花を見ると、いつもラフマニノフの曲が浮かんできます....。
 と、足元の花壇にはブルーベリーの枝先に大きな葉芽がひとつ。春を間違えたかなあ。でも、クリスマスローズの花芽が顔をのぞかせています。水仙やチューリップの芽もお目覚めです。まだまだ寒い日が続きますが、地面の下では日々のお天気に一喜一憂しながら、植物たちが春を待っています。

 というわけで、ただいまレコードラックからラフマニノフのピアノ協奏曲第2番ハ短調を取り出して聴いているところです。カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。ピアノは、若い頃フェスティバルホールの観客席で偶然隣り合わせになったアレクシス・ワイセンベルクです。......LPレコードを聴く。久しぶりです。少し心に落ち着きが出てきたということなのでしょうか。
 今朝、散歩がてらに立ち寄ったお不動さんの大師堂に上がって曼荼羅絵と対峙しました。不思議な不思議な絵です。未だ曼荼羅絵の心を掴みかねています。揺れ動く心を持て余している私がいます。

 来週は格安JALパックを利用して息子たちの家にお邪魔するため、東京、横浜へ出かけてきます。新型コロナウィルスが気にはなりますが、しっかりマスクをしてのお出かけです。14日は「世界らん展2020~花と緑の祭典」の初日でもあります。場所は東京ドーム。ナイト券(17:00~21:00/昼間の半額)をもって出かけます。今年はどんな出会いがあるのやら。即売会で何株かをゲットして子供たちへのお土産にする予定です。
 そうそう、お婆さん(家内)がせっせと編んでいた孫娘への贈り物が完成しました。これで二着目です。もう少しで生後3か月を迎える孫娘、さあてどんなに大きくなっていることやら。次男君、「お食い初め」のためお店を予約して待っているとか。
 そんなお爺さん気取りの私ですが、昨日は終日、シニアの皆さんの舞台発表会に行きました。写真撮影係というお役目ですが、舞台の上で演じていらっしゃるお一人おひとりの表情をカメラで追いながら、長い人生を歩んでこられた皆さんの過去、現在、そして未来がぼんやり浮んできました。皆さん、活き活きとしていらっしゃいます。おっと、私も同世代でした(笑)。
 混成合唱あり。フルート演奏あり。よし笛、オカリナ、ウクレレ、フラダンス、ギター.........。長い仕事人生を終え、子育てを終えた方々が、ある意味、童心に帰って、あるいは青春時代、昭和の時代を懐かしみながら演奏する。よし笛の音色、オカリナの音色。素晴らしいものでした。ふと、先日歩いた四国の風景が浮かんできました。
 そうえいば、昨年中欧を旅行したとき、国際列車でウィーンからハンガリーに向かう途中、5分ほど停車していた小さな田舎の駅舎の前に20人ほどのシニアの方々が集まっていらっしゃいました。みんなリュックを背負ってハイキングにお出かけのご様子でした。日本と違いカラフルな服装でしたが、シニアの方々の楽しみ方はどこも同じです。
 さあて、お爺さん風を吹かせながら、もうひとぶんばりしましょうか。

追記:上記のとおり上京する関係で、次回の更新は1週間お休みをいただき、第三週目の後半を予定しています。

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早や2月。新型コロナウイルスにご注意ください。

2020-02-01 17:12:33 | Weblog

 出ずっぱりの日々から一転して今日と明日はお休みです。お正月が明けたと思っていたら、もう2月。2月と言えば、中旬に東京、横浜に行く予定ですが、お婆さん(家内)は、ここ数日、孫娘のために編み物に集中しています。一本の糸から子供服を編み込んでいく手品のような工程を興味津々に覗いている私です。
 早朝、いつもどおり散歩にでかけました。お不動さんの山門をくぐると、早や節分祭の準備ができていました。3日は豆まきです。残念ながら今年は用事があって出かけることができません。と、本堂横の御百度参の場所で一人の少年が熱心に拝んでいました。足元にリュックがあるところをみると、これから受験なのでしょうか。努力した後の神(仏)頼み。う~ん。分かるような気がします。頑張れ!受験生君。
 家に帰ると、少し休憩をとったあと、気になっていた確定申告書の作成にとりかかりました。私の場合、極めてシンプルなものですから、書類さえ整えば、国税庁のホームページにある作成画面に淡々と数字を放り込むだけです。その結果、昨年に続いて還付金をいただけることが判明しました。還付金は私名義の口座に振り込みです(笑)。

 気分を良くして、次は熱帯魚の水槽の大掃除に取りかかりました。水は週1回入れ替えていますが、大掃除は隔週になります。本当はもう少し余裕をもっても良さそうですが、水槽という閉じた世界で暮らす熱帯魚たちのことを考えると、そうもいきません。ただいま、40センチほどに成長したプレコ親分のもと、4匹のグラミー、5匹のスマトラが仲良く生活しています。水草が生い茂っていたので、葉っぱを整理して少しさっぱりしました。
 お昼近くなって、講座を運営している仲間から「消毒スプレーがどこにも売っていない」と悲鳴のメール。新型コロナウイルスの感染拡大で売り切れ続出なのだそうです。午後、市内の大型ドラッグストアに様子を見に行きました。入口には「売り切れ」「入荷未定」の文字が並びます。驚きました。急ぎ他店に行っても同じ。結局6店舗廻って収穫ゼロ。この日は諦めました。シニア相手の講座ですから、なんとかしなければと思っても、どうしようもありません。少し待ってもう一度探してみることにしました。皆さんも、ご健康にはくれぐれもご注意ください。
 休日初日は、こうして終わろうとしています。ところで、きょうの新聞を読んで気になったことがあります。「東京圏転入超過14.8万人」(読売新聞2面)。総務省が発表した2019年の人口移動調査によると、東京圏は転入者が転出者を上回る「転入超過」。なんと6年連続なのだとか。同じ都市部でも名古屋圏、大阪圏は「転出超過」。地方に目をやれば言わずもがなということなんだろうと思います。
 広い国土のなかでバランスが崩れかけています。人口動態にみる心の分断、政治経済に見る心の分断。何やら悩ましい現実を突きつけられているようで落ち着きません。これが多様性ということなんでしょうか。人の幸せ、心の豊かさっていったい何なんだろう。少し考えさせられる記事でした。昨秋に読んだ、京都大学こころの未来研究センターの広井良典先生の著書「人口減少社会のデザイン」を、もういちど眺めてみたくなりました。

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