心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

結婚40周年を迎えて

2016-11-10 23:36:05 | 旅行

 我が家の居間に飾ってあるルノアールの複製画「アンリオ夫人」は、結婚35周年の秋に京都市美術館で開かれた「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」で、夫婦そろって一目惚れした作品でした。薄暗い展示室のなかで私たちをじっと見つめていました。
 あれから5年が経過した今年の秋、めでたく40周年を迎えることができました。ルビー婚というのだそうですが、宝石類にまったく興味を示さない家内なので、気に入ったコーヒーカップセットを買っただけ。でも、どうも落ち着きのなさを感じてしまいます。
 そこで思いついたのが海外旅行でした。9月に予定していた紅葉時期のカナダ行きは、出足が遅かったこともありキャンセル待ちばかり。すると、旅行会社からヨーロッパのご案内をいただきました。ドイツ・オーストリア2カ国周遊の旅です。フランクフルト、ケルン、ハイデルベルクは訪ねたことがありますが、ミュンヘン、ザルツブルグ、ウィーンなどは初めてです。さっそく申し込みました。来月半ばに出かけてきます。
 そんな次第で、出かける癖がついてしまった我が家ですが、先週の金曜日は淡路島の福良に行ってきました。前日のテレビニュースで鳴門海峡の「うず潮」を見た家内が急に思い立ったことでした。四国遍路のとき必ず通る鳴門海峡大橋ですが、その日は海上から橋を見上げました。
 朝7時30分に家を出てJR神戸駅に着くと、「うずしおクルーズ乗船セット券」を手に淡路交通バスに飛び乗って80分。淡路島南端の福良港に到着です。「うず潮」の見頃は午後だというので、まずは淡路人形浄瑠璃を観ました。その日の演目は「戎舞」と「伊達娘恋緋鹿子(火の見櫓の段)」。大阪の国立文楽劇場とは異なり、こじんまりした劇場でしたが、そのぶん観客と演者の距離が近く独特の雰囲気を醸し出していました。
 驚いたのは、人形を操る若者の姿が見られたこと、太夫や三味線が女性であったこと。男社会の文楽との違いを思いました。こうした方々によって淡路島の伝統芸能が受け継がれています。終了後、戎さん(人形)を真ん中に夫婦そろって記念写真を撮っていただきました。めでたし、めでたし。(笑)
 そして午後1時30分、レトロな咸臨丸に乗って鳴門海峡大橋をめざしました。説明によれば、太平洋から大阪湾に押し寄せた満潮が、淡路島を西に回って瀬戸内海に流れ込み、そして淡路島の南端(鳴門海峡)を通って太平洋に逆流する、そんな海流のエネルギーが「うず潮」を発生させるのだそうです。大橋の付近で数メートルほどの海面差が確認できましたが、自然の不思議を体感したクルージングでした。
 その翌日、つまり土曜日は「空海」に関するシンポジウムに出かけました。その前に大阪中之島の国立国際美術館で開催中のアカデミア美術館所蔵「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」を覗きました。お目当ては、ベッリーニ、ティントレット、ヴェロネーゼ、バッサーノの手になる中世宗教絵画。温かい聖母子の姿にマリア様の優しさを見入ることになりますが、中には殺し合う惨たらしい場面が克明に描かれた絵画もあります。一神教のもつ危うさなのかもしれません。宗教のもつ難しさを実感しました。
 ところで、美術館を出ると、ちょうど昼食どきだったので、歩いて数分のところにあるダイビル本館2階のカレー専門店「旧ヤム邸」に向かいました。20分ほど待っていただいたのはスパイシーな「まぜカレー」です。美味しくいただきました。
 この1週間はいろいろあって、まだまだ書き足りません。でも、きょうは13キロ歩いて少しお疲れ気味です。この続きは明日あるいは明後日のいずれかにアップすることにいたします。おやすみなさい。 

コメント (2)