フランス旅行から帰って3日経ちました。旅行中、ほどよく雨が降ってくれたので、花壇やプランターの草花や野菜は枯れることもなく元気です。今日はさっそくアスパラガスとスナップエンドウを収穫し、ガボチャは立体栽培仕立てに初挑戦です。そして午後には旅行中に開講された懐徳堂講座「変容する能」のオンライン録画を受講しました。
そうそう、帰った翌日、時差ボケにもめげず中1の孫次男君のピアノ発表会に行ってきました。曲目はなんと人気急上昇中の角野隼人さん編曲「ピアノ協奏曲第1番”蠍火”」でした。スタインウェイのピアノに向かって意外と上手く弾いていてびっくりしました。孫次男君も気づかないうちに成長しています。その後、みんなでランチをいただきましたが、久しぶりに日本料理を堪能しました。 (下の写真はモネの庭園に立つ樹です。画題のひとつですが、最近老木(巨木)が必死に生きようとしている姿に憧れています(^^♪) さて、3日も経つと断片的な場面は消えて頭の中が少しずつ整理されていきます。以下、ぼんやり浮かんだことをランダムに綴ってみます。
まずは大型バスの走行距離がなんと900kmにも及んだこと。その距離、大阪から仙台に匹敵します。四国八十八カ所の歩き遍路(何回かに分けて独りで歩く繋ぎ遍路)でバスには乗り慣れているので苦にはなりません。車窓に流れる北フランスの風景をぼんやり眺めながら過ごしました。 初日に訪れたジヴェルニーでは、モネの邸宅と庭園の入口付近にあったレストランでの昼食で、(訪仏最初の食事だったからかもしれませんが)前菜で運ばれてきた山羊のチーズとフランスパン、そして白ワインの美味しかったことが印象に残っています。
モン・サン・ミッシェル修道院も印象深いところでした。ノルマンディーとブルターニュの境、サン・マロ湾にある岩山に築かれた修道院は、満ち潮の時は海に浮かび、引き潮の時には自然に現れる陸橋で陸と繋がっていますが、19世紀になって地続きの道路ができ、現在は立派な橋が架かっています。ホテルのある区域とは無料バスが10分おきに運行されていて、観光客が絶えることはありません。
島に入ると、まずは土産物店が建ち並びます。サン・ピエール教会前にはジャンヌダルク像が建っていました。修道院の入口から一歩一歩階段を登っていく先には、強固な造りの中に光が差す教会、回廊、食事室、迎賓の間、礼拝堂、修道僧の納骨堂が現れます。
教会の起源は708年、日本では奈良時代の頃です。平安時代に登場する空海は室戸岬の御厨人窟で修行をしているときに悟りを開いたと伝えられていますが、岩と海そして空、そこに人の心が研ぎ澄まされる何かがあるのでしょう。 話題はがらりと変わってパリ。ルーブル美術館に行って思い出しました。入口付近にあるHotel Du Louverは30年前(正確には29年前になりますが)、仕事の関係で出かけたとき3泊したホテルです。パリ大学やソルボンヌ大学におじゃました中日にルーブル美術館を見て回りましたが、来年から大規模な改修工事が始まるようです。
当時、ホテルの前にあった新聞売り場で朝日新聞を買ったところ、一面に渥美清逝去の記事が載っていました。3週間にわたる欧州出張の最終日だったので、夜にはオペラ座近くのビルの一画に赤提灯をみつけ居酒屋さんで日本酒を飲んだこともありました(笑)。
そういえばパリ在住の女性ガイドさんはソルボンヌ大学を卒業された福島出身の方でした。学生時代に添乗員のアルバイトをした経験があり、その後良き伴侶を得ていつの間にか住み着いてしまったとか。案内も分かりやすくパリ愛に溢れたガイドさんでした。そう言えばシチリアに行ったときもそんなガイドさんがいました。 今回も経費節減のため海外Wi-Fiレンタルはせず、常時「機内モード」に設定し、もっぱらホテルのフリーWiFiに頼りました。必要な地図は事前にMAPで確認してスクリーンショットで保存し、あとはオフラインでも使えるGoogle翻訳を活用しました。会話には使えませんが資料や看板、メニューなどをレンズカメラ機能を使って翻訳してくれます。また、Wi-FiをONにしておけば、公共施設やお店などでFreeWiFiが使える場合は自動的に知らせてくれます。帰途、カタール航空でパリからドーハに向かう際は機内でFreeWiFiが使えて重宝しました。まだ移行の過渡期のようですが、今後どんどん進化していくような気がします。
今回も往復ともカタール航空でドーハ経由の旅でした。長い長い時間をどう過ごすか。映画を見るか寝るしかありませんが、持って行った能「東北」の謡い(約30分)を何度聞いたことか。
ところで、リタイア後コロナ期を除いて毎年1回出かけていた海外旅行ですが、パスポートの有効期間があと1年となりました。今回を最後の海外旅行と思って出かけたはずなのに、5年延長するかどうか思案中の老夫婦です(笑)。