心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

気持ちよく歩いた洛北紅葉13キロ

2016-11-11 21:39:02 | 歩く

 京の都から近江へ通じる志賀越道と洛中・今出川通が交わる交差点に、高さ約二メートルほどの石仏が安置されています。古くから地域の信仰を集める子安観世音です。鎌倉時代の作で、子授けや安全の願いをかなえ、子どもの成長を守る観音さまだそうです。
 その昔、四季の花々を頭に乗せて京の町を売り歩いた「白川女(しらかわめ)」は、朝早く村を出て行くとき、この観音さまに花を供えて商売繁盛と一日の無事を祈ったのだとか。京都には、この白川女のほかに、洛北大原の里から薪や炭などを頭に乗せて売り歩く「大原女」、桂の里から白い布を頭に巻いて木桶を持ち、鮎や瓜、飴などを売り歩いた「桂女」が知られています。バスや地下鉄もない時代。移動はすべて「歩く」ことが基本でした。
 そんな子安観世音に出会ったのは、昨日歩いた洛北紅葉ウォークでのことでした。洛北にある宝ヶ池公園から徒歩で京阪電車の三条駅までのおよそ13キロを歩きました。実は2週間ほど前に知恩寺の古本祭りの帰りにもお目にかかったはずなのですが、そのときは意識することなく通り過ぎていました。今回、説明書をいただいてその歴史的な経緯を知りました。
 この日は宝ヶ池公園を午前10時に出発すると、叡山電鉄を横切って、赤山禅院、鷲森神社、修学院離宮、曼殊院、詩仙堂界隈を歩き、正午ごろに一条寺公園で昼食休憩。そのあと、白川疎水通り、志賀越道をへて今出川通りへ。そこで子安観世音にお目にかかりました。その後、京都大学の裏にある吉田山に登り、金戒光明寺、平安神宮、岡崎公園を経て午後2時過ぎに三条京阪駅にゴールしました。
京都のウォーキング団体が主催した「ウォーク」に今回初めて参加しました。平日企画だったこともあり参加者270名あまりの大半はシニア世代でした。紅葉には今一歩といったところでしたが、要所要所で係の方々から昨年の紅葉風景の写真を手にご案内いただきました。
 半月ほど前に参加した秋の神戸ハイキングの時もそうでしたが、歩くリズムを安定させるため常に先頭集団について歩きました。それが功を奏したのか、リズムが身体に馴染むと楽に歩くことができます。一般参加の方もたくさんいらっしゃいましたが、私は昨日、入会手続きをさせていただきました。年間60前後のプログラムがありますので、他の予定を調整しながら参加していこうと思っています。
 なぜ歩くのかって。最近よく思うのですが、身体を動かすことによって脳が活性化するような気がします。新鮮な酸素をいっぱい吸収した血液が全身に流れると、何かしゃきっとします。これからの生活にメリハリをつけることができればと思っています。加えて、仕事の舞台だった大阪でシニアカレッジ、学生時代を過ごした京都ではウォーキング。ふたつの足場がバランスよく配置できたように思います。
 13キロも歩いていると、いろんな風景に出会えます。子安観世音もそうですが、その日ゴール手前の平安神宮前には、イタリアの高級外車「フェラーリ」がずらり並んでいました。日本上陸50周年なのだそうで、19カ国・地域から約70台。車好きにはたまらない行事なんだろうと思います。
 そういえば、先日、久しぶりに現役時代の方々と一献傾けました。組織を束ねる立場にある方々のお話しを伺いながら、「これからは君たちの時代だよ」と励ますしかありません。一方のわたしは、夜な夜なブログを更新したり、読書に心を奪われたり。疲れてくると散歩にでかけたり、野菜づくりに精を出したり.........。秋も深まり来週は、大学時代のクラブOB会があります。その間奥様はお友達と東北旅行、週末には代わって私が四国遍路の旅へ。次の週は夫婦そろって北陸に温泉旅行、その次の週はカレッジの宿泊研修旅行と続きます。こんなに呑気な生活をしていてよいのでしょうか(笑)。
 おっと。更新作業をしながら聴いていたグレン・グールドのCD(ベートーベン:ピアノソナタ集6枚組)。「葬送」「悲愴」「月光」と続き、4枚目「田園」「熱情」へと入ってきました。

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