デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 




ニューヨークのセント・パトリック教会の向かい側に何かを肩に担ぐがっしりした像が立っていた。
現地では作品名を確認しなかったが、私はこのたくましい像はギリシア神話のアトラスを表現しているのではと思う。
ティタン神族の一人、イアペトスとオケアノスの娘クリュメネの子であったアトラスは、ティタン神族がオリュンポスの神々に反乱を起こして戦った際、めざましい強さを見せた。ティタン神族は敗れるのだが、ゼウスはアトラスに世界の西の果てに立って蒼穹(天空)を肩に担う罰を科す。
古代のギリシア人はジブラルタル海峡を西の果てと考えたので、そこにアトラスが立っていたとされた。そのため、海峡より先の海が「アトラスの海」(アトランティック・オーシャン、大西洋)と呼ばれたのだ。
ジブラルタル海峡が西の果てだとすれば、その「極東」といえるニューヨークに蒼穹を支えるアトラスを髣髴とさせるような現代的な彫刻が立っているというのも、なかなかおもしろい。それもセント・パトリック教会の前に。互いの立場からすれば「異教」同士であるが、多様な宗教・多様な人種が日々行き交うこの大都市では、そんなことを考えるだけ野暮というものかもしれない。

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