名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

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婚外子 相続差別は違憲の最高裁決定

2013-09-05 11:15:41 | Weblog
2013.9.5(木)
 結婚していない男女間に生まれた「婚外子(非嫡出子)」の遺産相続は、結婚した夫婦の子の半分と定めた民法の規定が違憲かどうかが争われた裁判の特別抗告で、最高裁大法廷は4日、「憲法14条が保障する法の下の平等に反する」として違憲とする決定を下した。決定は14裁判官(寺田逸郎判事は不参加)による全員一致の意見であった。これで115年前の明治時代から続く民法の規定は改正を迫られることになった。
 決定骨子は次の通り。
○家族のあり方に対する国民意識が多様化し、個人をより尊重すべきだとの考えが確立された。
○婚外子の差別撤廃は各国で進み、国連は日本に繰り返し是正を勧告。
○事情の変化を総合考慮すれば、婚外子の相続分を嫡出子の半分とする民法の規定は2001年7月には違憲だった。
○今回の決定は解決済みの相続に影響を及ぼさない。

 今回争われたのは、ともに01年死亡した東京都の男性と和歌山県の男性の遺産分割をめぐる家事審判である。それぞれの一、二審は規定を合憲とし、婚外子側が最高裁に特別抗告していた。 最高裁は今年2月、二件を第一小法廷から大法廷に移す「回付」を決定、今回の違憲決定となった。今回の決定で、審理は東京、大阪両高裁に差し戻される。
 「出生に選択の余地のない子どもに、不利益を及ぼすことは許されない」という子どもの平等の観点から導かれた判断である。
 欧米諸国では相続の平等化が相次いでおり、日本は先進国で唯一格差が残る国となっていた。国連の委員会は日本に10回も是正勧告を出していたという。

 やっとあたり前で当然の結論が出た。しかし民法改正がすんなりいくとは限らない。伝統的な家族観を重視する立場から、国会議員らに根強い反対論があるからである。「不倫を助長する」「家族の絆を弱める」といった考えは国民にも依然として根強く残っており、婚外子の相続分について昨年の内閣府の世論調査では「現行制度を変えないほうがよい」という意見が「相続分を同じにすべきだ」の意見を約10ポイント上回っていた。
 それでも菅義偉官房長官も谷垣法務大臣も早ければ秋の臨時国会で民法改正を目指すといっている。その言葉を信じて期待したい。

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