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日本人3人にノーベル物理学賞

2014-10-08 09:13:43 | Weblog
2014.10.8(水)
 例年10月初旬にはノーベル各賞の発表が行なわれる。先に生理学・医学賞が3人の科学者に決まったが、今回は日本の3人の科学者に物理学賞の授与が決まった。
 「省エネで環境に優しい青色発光ダイオード(LED)」を開発した赤崎勇・名城大教授(85)、天野浩・名古屋大教授(54)、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(60)の3人である。
 赤崎氏は、20世紀中は不可能と言われた青い光を出すLEDを、窒化カリウムを用いて、天野氏とともに1989年に実現、中村氏はその後、明るさを増して量産化することに成功した。LEDはろうそく、白熱電灯、蛍光灯に続く「第四世代の明かり」として照明に革命をもたらしたものと言われている。蛍光灯の寿命が6千~1万2千時間であるのに対して、LEDは4万~5万時間、消費電力も白熱電灯や蛍光灯より大幅に少ない。
 赤色のLEDは1962年に米国のニック・ホロニアック氏らによって発明され、緑色のLEDも70年代までに製品化されていた。今回受賞した青色LEDは1993年に徳島県の日亜化学工業が製品化したことで、赤、緑、青の光の三原色がそろい、どんな色も作れるようになった。交通信号のLED化が象徴的に進んでいる。
 赤崎さんは京都大学理学部卒でその後名古屋大学工学部助手を経て助教授、1981年に教授に就任した。1992年の退官後は名城大学教授に就任し現在に至っている。
 天野さんは名古屋大学工学部卒で助手、助教授を経て2002年名城大教授、2010年から名古屋大大学院教授となっている。
 中村さんは徳島大学大学院工学研究科を卒業し、日亜化学工業に入社。同社で青色発光ダイオードや、青色半導体レーザーなどの実用化に成功した。2002年、カリフォルニア大サンタバーバラ校工学部教授に就き、2001年から徳島大学客員教授に就任している。
 中村さんは日亜化学工業を相手に「発光ダイオード」の特許料を譲渡した「発明の対価」を求めて提訴し、2005年に日亜側が8億4千万円を支払うことで和解したことで当時話題になった。

 今回の受賞では、地元名古屋でのかかわりが大きく、なんの縁があるわけではないが晴れがましく、喜ばしい。これでノーベル賞の日本人受賞者は22人になったが、特に名古屋大学で学んだり研究したりした受賞者は6人を数える。
2001年化学賞の野依良治さん、2008年理学賞の小林誠さんと益川敏英さん、2008年化学賞の下村修さんらでいずれも理学部に在籍した人たちだ。浜口道成学長は「自由闊達な学風が時代の最先端の人材を輩出した」といって祝福した。
 日本の科学界では今年、STAP細胞をめぐる失態で信用を失墜したが、今回の受賞はそれを跳ね返した。喜ばしい限りである。
 なお、日本期待のノーベル賞候補者として文学賞の村上春樹氏がいる。また、今年は日本国憲法が平和賞候補に挙がっている。物理学賞の3人が決まってしまってこれらの候補はどうなるのであろうか。期待と不安が入り交じる。

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