音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■■ 第6回 バッハ・インヴェンション・アナリーゼ講座の概要 ■■

2009-01-30 13:52:22 | ■私のアナリーゼ講座■
■第6回 バッハ・インヴェンション・アナリーゼ講座の概要■
               09.1.30 中村洋子

★1月27日、カワイ表参道「コンサートサロン・パウゼ」で、

≪第6回インヴェンション・アナリーゼ講座≫を、開催しました。

大勢の熱心な受講者の中には、海外でこのブログをお読みになり、

一時帰国を利用されて、わざわざ参加された方も、

何人か、いらっしゃいました。

大変にうれしく、心より感謝申し上げます。


★今回は、インヴェンションとシンフォニアの各6番と

舞曲との関連性、

さらに、「アンナ・マグダレーナ・バッハのクラヴィーア小曲集」の

舞曲について、お話しました。

年末、ベッチャー先生が送ってくださった、

先生ご自身の、アンナ・マグダレーナについての論文を、

念頭に置いて、解説いたしました。

さらには、同時期に相前後して、作曲されました

「パルティータ」や、ピアニストも勉強すべきである

「無伴奏チェロ組曲」にも、触れました。


★また、ベッチャー先生が、昨年発表されました

「無伴奏チェロ組曲」のCD(写真は、そのジャケット)から、

舞曲を一曲、皆さまと聴き、バッハの重要な作品を、

楽器にかかわらず勉強することが、いかに、必要であるか、

ご一緒に、体験しました。


★先生は、バッハのチェロ組曲の一つの旋律から、

『2声、3声、あるいは4声までを頭に描いて、

演奏すべきである』と、書かれています。

インヴェンションのような、鍵盤楽器作品についても、

当然のことながら、同じことがいえます。


★逆に、細かいパッセージを、

2声または1声に集約する作業も、とても大切です。

それには、和声の知識、経験が欠かせません。

和声と申しましても、難しい和声記号と格闘するのではなく、

鍵盤上で、音となった和声の流れを、実際に、

理解していただきたい、と思い、

自作の資料を、皆さまにお配りしました。


★大バッハが、息子たちに囲まれ、

妻と一緒に、書き足して言った

「アンナ・マグダレーナ・バッハのクラヴィーア小曲集」を、

大バッハは、きっと、このような形で、

息子や弟子たちに、教えたのではないか、と

私は想像して、資料をお作りしました。



★次回2月17日(火)の「第7回講座」 では、

「アンナ・マグダレーナ・バッハのクラヴィーア小曲集」から、

声楽作品も、取り上げ、

≪歌うということとは、どういうことなのか≫という視点から、

インヴェンション、シンフォニアの7番との、関連を分析いたします。


★この講座は、第1回から、連続して受講していただいている方が、

本当にたくさん、いらっしゃいます。

家事やお仕事、育児などの合い間を縫っての、ご参加です。

さらに、アンケートも真摯にお書きいただき、

私にとって、とても、いい励ましになります。

≪インヴェンション≫という大宇宙を、探求する試みの、

良き道連れとして、心の大きな支え、ともなっております。

この場で、皆さまに重ねてお礼申し上げます。


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