音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■ブラームスの間奏曲Op.177-2は、インヴェンション 第 11番から■

2011-10-30 17:44:46 | ■私のアナリーゼ講座■

■ 横浜 ≪ 第 11回インヴェンション講座 ≫  第 11番 ト短調 ■
                  ~ブラームスの後期ピアノ作品に、及ぼした影響~ 

                                       2011.10.30          中村洋子

 

          


★カワイ・横浜 「 みなとみらい 」 での、

第 11回 「 Bach バッハ・ Invention インヴェンション 

analyze アナリーゼ講座 」 は、

Nr.11 g-Moll 第 11番 ト短調 です

明るく爽やかな Nr.10 G-Dur  10番 ト長調 とは、対照的に、

内省的で、メランコリックな曲です。

 

★面白いことに、11番 Invention は、10番 Sinfonia と、

 11番 Sinfonia は、10番 Invention と、

たすき掛けのように、主題同士が、緊密に絡み合っています。

このように、「 Inventionen und Sinfonien 

インヴェンションとシンフォニア 」 全 30曲は、

一つの 「 大きな変奏曲 」 と、みることが可能です。

 

 


11番インヴェンションは、全音階と半音階の対比にのみ、

目を奪われがちですが、実は、

大変に豊かな和声が、隠れています。

この和声を切り取り、 “ 自分の和声 ” として、

生涯にわたって “ 宝物のように ” 使ったのが、

 Robert Schumann ロベルト・シューマン

(1810~1856)でした。

 


★そのシューマンを師とした Johannes Brahms

(1833~1897)ブラームスは、バッハの変奏曲法を、

徹底的に学び、それを基に、

彼独自の変奏曲様式を、作り上げました。

彼はシンフォニア11 番、特にその 「 掛留音 」 を、

こよなく愛していました。

 

★晩年の傑作である 「 三つの間奏曲

Drei Intermezzi op.117-2  b-Moll 」 に、

それが色濃く、反映しています。

バッハの非和声音を理解することは、そのまま、

ブラームスを、理解することにつながります。

 

 


■今回は、バッハが後世に与えた影響の一例として、

ブラームスを取り上げますが、それは同時に、

バッハをより深く、理解する方法でもあるのです。

さらに、インヴェンションとシンフォニア全 30曲のなかで、

この 11番が占める位置と、意味についても、

詳しく、お話いたします。

 

★曲の構成を、詳しく理解することによって、

バッハを弾くことが、心から喜びに満ちたものとなり、

自信をもって弾くことが、可能になります。

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講師:中村洋子

 日時: 2011 年 11月 23日(水)祝日  午後 2時 ~ 4時 30 分

会場: カワイミュージックスクール みなとみらい

会費: 3000 円 (要予約) Tel.  045 - 261 - 7323 横浜事務所

 

 

                     ※copyright © Yoko Nakamura
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

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