音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■第 12回平均律アナリーゼ講座は 3月 30日、ラフマニノフ「鐘」との関係■

2011-02-19 23:56:08 | ■私のアナリーゼ講座■

■第 12回平均律アナリーゼ講座は 3月 30日、ラフマニノフ「鐘」との関係■
                           2011.2.19 中村洋子

 

 

 

 

★昨日は、第 11回 「 平均律アナリーゼ講座 1巻 11番 」を、

開催いたしました。

表参道に向かう途中は、激しい雨、

傘もさせないほどの、強風でしたが、

それをものともせず、熱心な皆さまが、

大勢、お集まりくださいました。


★講座が終わるころは、薄日もさし、

風には、早春の香りも感じられました。

カワイ・表参道のお隣にありました

「 ハナエ・モリ 」 ビルが、完全に、取り壊され、

青空が、ぽっかりと、顔をのぞかせていました。

 


★講座では、バッハの音楽が250年以上、

ヨーロッパの、クラシック音楽を規定し、

「 平均律クラヴィーア曲集 」 が、

「 調性とは何か 」 という、命題に対する

≪ 解答 ≫ であることを、分かり易くお話しました。


★さらに、バッハの音楽は、

その ≪ 調性 ≫ を、≪ 崩壊へと導いていく萌芽 ≫ も、

いたるところに、宿していることや、

バッハを忠実に受け継いだ  「 ブラームス 」 を、懸け橋として、

20世紀の「 調性崩壊 」 へと、導いていったことも、

詳しく、解説いたしました。


★つまり、バッハの音楽は、

「 調性の確立と、その破壊 」  という両面性をもち、

バッハ以降の音楽は、ゆっくりと、

その崩壊に、歩を進めていったのです。


★次回は、ブラームスが、

近代ロシアの作曲家・ラフマニノフに、

「 バッハの何を、受け渡していったか 」

前奏曲 「 鐘 」 を例に、お話します。

 


■第 12回 中村洋子 「 バッハ 平均律・アナリーゼ講座 」 

       第 1巻 第 12番  ヘ短調 前奏曲 と フーガ

≪ ラフマニノフ・前奏曲 Op.3-2「 鐘 」のラフマニノフ・トーン、
                         その源泉はバッハ ≫

・日時: 2011年 3月 30日(水) 午前 10時 ~ 12時 30分
・会場: カワイ表参道  2F コンサートサロン・パウゼ
・会費: 3,000円  ( 要予約 )  Tel.03-3409-1958 

 

★平均律 1巻 全 24曲の前半を閉じるのが、

この「 第 12番 へ短調 」です。

10番ホ短調のフーガで、姿を現した 「 半音階 」が、さらに発展し

1番フーガの「 全音階 」と対を成し、この 12曲を束ねています。

 

★アルマンドの性格を宿している前奏曲や、

二つの対主題 ( カウンターサブジェクト )をもった、

実に、充実したフーガに、

平均律1番から11番までが、すべて凝縮されているのです。

 

★ブラームスは、このフーガの半音階を、徹底的に咀嚼し、

さらに、それを、ロシアのラフマニノフへと、手渡していきました。

ブラームス・トーンと同様、誰が聞いても、ラフマニノフと分かる

 “ ラフマニノフ・トーン ” 。

この ラフマニノフ・トーン はすべて、バッハの手の内にあったのです。

お釈迦様の手の平を飛び回る “ 孫悟空 ” ともいえます。

 

★ラフマニノフを楽しむ手掛かりとして、

バッハの「和声」、「和声進行」と、全く一致しているところ、

即ち、彼がバッハから吸収したことを、

分かりやすく、お話いたします。

 

★この講座は、音楽をバッハを、

心から愛している方々のためのものです。

難しいことはやさしく、分かりやすいことは、

さらに深くご説明いたします。 

 


● 今後のスケジュール
第 13回  5月  27日 ( 金 )  第 13番 嬰へ長調 前奏曲&フーガ
     午前10時~12時30分 
     会費:3,000円

■ 講師:作曲家 中村 洋子
東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。
2003年~ 05年:アリオン音楽財団《東京の夏音楽祭》で新作を発表。
07年:自作品「無伴奏チェロ組曲第 1番」などをチェロの巨匠W.ベッチャー氏が
   演奏したCD『 W.ベッチャー日本を弾く 』を発表。
08年:CD「龍笛&ピアノのためのデュオ」、
      CD  ソプラノとギターの「 星の林に月の船 」を発表。
08~09年:「 バッハのインヴェンション・アナリーゼ講座 」全15回を開催。
09年10月:「 無伴奏チェロ組曲第 2番 」が、W.ベッチャー氏により、ドイツ・マンハイム で 初演される。
10年:「 無伴奏チェロ組曲第 1番 」が、ベルリンの
       リース&エルラー社 Ries &Erler Berlin から出版される。
     : CD『 無伴奏チェロ組曲第3番、2番 』 W.ベッチャー演奏を
        発表。
     :「 レーゲンボーゲン・チェロトリオス( 虹のチェロ三重奏曲集)」が
    、ドイツ・ドルトムントのハウケハック社Musikverlag Hauke Hack社か
    ら出版される。
        スイス、ドイツ、トルコの音楽祭で、自作品が演奏される。

 

 

        (万作、ハナエモリ跡 蕗の董、椿、古い経師屋さん)
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