音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■無伴奏チェロ組曲1番の全曲初演が独紙の記事に■

2008-06-02 19:46:19 | ■私の作品について■
■ 無伴奏チェロ組曲1番の全曲初演が独紙の記事に ■
        08.6.2 中村洋子


★ベルリンのベッチャー先生から、マンハイムで

私の無伴奏チェロ組曲1番が、全曲初演された演奏会の

新聞記事が送られてきました。

大きな扱いで、とても好意的な記事です。

(この演奏会は、「Mannheimer Orgelfruhiings 2008」

=マンハイム オルガンの春2008=という、3週間にわたる

音楽フェスティバルの一環として、催されました)


★『マンハイムモルゲン紙 08.5.16(金)』

 【見出し】≪ バロックから極東までさまざな世界 ≫
       
         クリスティーナ・アルトマン記者

(前段は略)

W.ベッチャーは、長い間、べルリンフィルハーモニーの

ソロチェリストとして活躍した。

1976年、同フィルを退団、ベルリン芸大の教授に就いた。

ヨーロッパ中のマスタークラスで教え、また、

独奏者として世界の著名オーケストラや指揮者と共演するため、

世界中を旅する。

この一環として、東京生まれの作曲家・中村洋子と

しばしば、仕事をした。

彼女は、小さい時から日本舞踊を習い、

三味線やピアノに親しんでいたが、

ヨーロッパのクラシック音楽に感動して、作曲家になった。


★そうこうするうち、彼女の音楽が世界のあちこちでで

聴かれるようになった。

彼女は、独奏者としてのW.ベッチャーに、

無伴奏チェロ組曲第1番を献呈した。

このコンサートが、その全6曲を通しで弾く初演の日だった。


★曲は、山頂まで雪に覆われた日本の田舎での、

新年の祝い歌から始まる。

間もなく、春が微笑みかける。

春がノックして、訪れを告げに来た。

田んぼの準備ができた、と促す。

苗を植え、柔らかい雨が降り注がれるのを待つ。

稲が育ち、育てる。


★中村洋子は、彼女の国の素晴らしい風土、風景を、

明確に音楽でつかんだ。

W.ベッチャーは、この曲のもつ世界に、

繊細な眼差しを注いだ。

弦を爪弾いたり、チェロの胴を叩く技法を交え、

卓越したボーイングにより、

極東の力強い田植え歌、

切々と哀願するような山の神への祈り、

稲穂のささやくようなざわめき、

実り豊かな穂が風に波打つ様を、

チェロの弦で見事に物語った。


★疑いもなく、このチェロ組曲が、この音楽会での

クライマックスだった。         
                        (以上)


★ベッチャー先生は、今月(6月)22日にも、とある古いお城で、

お城の修復記念演奏会で、このチェロ組曲を弾いてくださるそうです。

「outstanding private concert」

(とても素晴らしいプライベートコンサート)と、お書きになっています。

はたして、どんな演奏会なのでしょう・・・。


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