2007/9/7(金)
★前回の続きです。
ブラームス「ピアノ小品集」op.118の3番「バラード」の
39、40、41小節に使われている同一モティーフについて、です。
39小節目の、右手で奏する付点4分音符と8分音符の「ファーレ・ファーレ」を
ハイドシェック先生は、ここは、「オーケストラのホルンの音である」。
「No Pedal !!!」と、おっしゃいました。
★40小節目の、同じモティーフが1オクターブ下がった「ファーレ・ファーレ」は、
「ファゴットの音ですので、指を立ててピアノを弾きなさい」。
帰宅しまして、先生の仰るとおり、指を立てて弾いてみました。
なんとまあ、ピアノの音がファゴットに聴こえるのです。
★39、40小節は、ハ短調の属七でしたが、41小節目は、ロ長調に遠隔転調し、
先ほどのモティーフの変形が、右手で「シーソ♯、シード♯」と奏されます。
「これは、ヴァイオリンである」と、説明されました。
この40から41小節にかけての急激な転調は、
ベートーヴェンのピアノのための変奏曲にもあります。
伴奏を付けずに「ファーレ・ファーレ」から「シーソ♯・シード♯」の
モティーフのみを弾きますと、
「まるで、シェーンベルクの音楽のようですね」と、おっしゃいました。
★シェーンベルクは、ブラームスの作品を大変に愛し、研究し、編曲作品も残しています。
ハイドシェック先生が、直感でおっしゃったことは、正鵠を得ているといえます。
ちなみに、このop.118は、1893年に作曲されていますが、
ブラームスの4つの交響曲のうち、第4番ホ短調op.98は、
ブラームス52歳の1885年に、作曲されています。
亡くなったのは、op.118の4年後の1897年です。
★その第4交響曲第1楽章、第1主題のファゴットは、見事にこの音域、すなわち、
ヘ音記号のほぼ五線のなかに入っています。
このファゴットと、ホルンの関係を耳で聴きますと、
ハイドシェック先生のレッスンの意味がよく分かると、思います。
先生が、いかに、オーケストラ作品も研究されているか、ということです。
皆さまも是非、スコアを見ながら、第4交響曲を聴いてください。
ピアノを弾く上で、とても参考になります。
★ブラームスのピアノ作品には、室内楽やオーケストラの音色を、
イメージして書かれていることが、大変に多く、随所に見受けられます。
一方、ショパンは、ピアノでしか表現できない音色によって、
多くのピアノ曲を書いています。
しかし、ショパンですら、注意深く観察しますと、
オーケストラの楽器の音色を想定しているところが、たくさんあります。
★ブラームス第4交響曲では、18小節にわたる第1テーマのうち、
木管のフルート、クラリネット、ファゴットは、最初から最後まで奏されますが、
オーボエはやっと17小節目になって初めて、千両役者のように、一番目立つ音域で、
第1ヴァイオリンの「シー・シ・シ」をカノンで受け継ぎ、
この長いテーマを、印象深く閉じます。
オーボエが「オーケストラの華」、といわれるのが、実感できます。
★ベルリン・フィルの「オーケストラの華」ローター・コッホの
数少ないCDをまた、偶然、入手することができました。
モーツァルト作曲「オーボエ四重奏曲 K.370」。
共演はブランディス弦楽四重奏団、チェロはもちろん、ベッチャー先生です。
この曲は、モーツァルト室内楽作品集(CD3枚組)に入っています。
CD番号 BRL92874 、外盤ですが、日本語の表紙が付いており、
大手CDショップで購入できると思います。
▼▲▽△▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲▽△▼▲
★前回の続きです。
ブラームス「ピアノ小品集」op.118の3番「バラード」の
39、40、41小節に使われている同一モティーフについて、です。
39小節目の、右手で奏する付点4分音符と8分音符の「ファーレ・ファーレ」を
ハイドシェック先生は、ここは、「オーケストラのホルンの音である」。
「No Pedal !!!」と、おっしゃいました。
★40小節目の、同じモティーフが1オクターブ下がった「ファーレ・ファーレ」は、
「ファゴットの音ですので、指を立ててピアノを弾きなさい」。
帰宅しまして、先生の仰るとおり、指を立てて弾いてみました。
なんとまあ、ピアノの音がファゴットに聴こえるのです。
★39、40小節は、ハ短調の属七でしたが、41小節目は、ロ長調に遠隔転調し、
先ほどのモティーフの変形が、右手で「シーソ♯、シード♯」と奏されます。
「これは、ヴァイオリンである」と、説明されました。
この40から41小節にかけての急激な転調は、
ベートーヴェンのピアノのための変奏曲にもあります。
伴奏を付けずに「ファーレ・ファーレ」から「シーソ♯・シード♯」の
モティーフのみを弾きますと、
「まるで、シェーンベルクの音楽のようですね」と、おっしゃいました。
★シェーンベルクは、ブラームスの作品を大変に愛し、研究し、編曲作品も残しています。
ハイドシェック先生が、直感でおっしゃったことは、正鵠を得ているといえます。
ちなみに、このop.118は、1893年に作曲されていますが、
ブラームスの4つの交響曲のうち、第4番ホ短調op.98は、
ブラームス52歳の1885年に、作曲されています。
亡くなったのは、op.118の4年後の1897年です。
★その第4交響曲第1楽章、第1主題のファゴットは、見事にこの音域、すなわち、
ヘ音記号のほぼ五線のなかに入っています。
このファゴットと、ホルンの関係を耳で聴きますと、
ハイドシェック先生のレッスンの意味がよく分かると、思います。
先生が、いかに、オーケストラ作品も研究されているか、ということです。
皆さまも是非、スコアを見ながら、第4交響曲を聴いてください。
ピアノを弾く上で、とても参考になります。
★ブラームスのピアノ作品には、室内楽やオーケストラの音色を、
イメージして書かれていることが、大変に多く、随所に見受けられます。
一方、ショパンは、ピアノでしか表現できない音色によって、
多くのピアノ曲を書いています。
しかし、ショパンですら、注意深く観察しますと、
オーケストラの楽器の音色を想定しているところが、たくさんあります。
★ブラームス第4交響曲では、18小節にわたる第1テーマのうち、
木管のフルート、クラリネット、ファゴットは、最初から最後まで奏されますが、
オーボエはやっと17小節目になって初めて、千両役者のように、一番目立つ音域で、
第1ヴァイオリンの「シー・シ・シ」をカノンで受け継ぎ、
この長いテーマを、印象深く閉じます。
オーボエが「オーケストラの華」、といわれるのが、実感できます。
★ベルリン・フィルの「オーケストラの華」ローター・コッホの
数少ないCDをまた、偶然、入手することができました。
モーツァルト作曲「オーボエ四重奏曲 K.370」。
共演はブランディス弦楽四重奏団、チェロはもちろん、ベッチャー先生です。
この曲は、モーツァルト室内楽作品集(CD3枚組)に入っています。
CD番号 BRL92874 、外盤ですが、日本語の表紙が付いており、
大手CDショップで購入できると思います。
▼▲▽△▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲▽△▼▲