音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■横浜・みなとみらい 「第 3回インヴェンション・アナリーゼ講座 」■

2010-12-22 23:57:10 | ■私の作品について■

■横浜・みなとみらい 「第 3回インヴェンション・アナリーゼ講座 」
のご案内■
                            2010.12.22 中村洋子

 

 

 
★先週は、山梨県・旧牧丘町にあります 「 花かげホール 」 で、

ギタリストの、斎藤明子さんご夫妻と、

私の新しい作品 4曲を、CD用に、録音してまいりました。


★録音は、最高の技術者の方に、お願いすることができ、

厳しいスケジュールではありましたが、毎日、

和気あいあいと、学生の合宿のように、楽しく過ごせました。

この録音により、バッハについても、さらに、

深く考えることができましたので、これから、折りに触れ、

ゆっくりと、ご報告していきたいと、思います。

 


★帰京後すぐ、「横浜・みなとみらい」で、
 
「 第2回 インヴェンション・アナリーゼ講座 」 を、

開催いたしました。

会場は満員で、いかに、皆さまが、本当のバッハを、

求めていらっしゃるか、ということが、

参加された皆さまの熱気から、ひしひしと、感じられました。


★詳細なアナリーゼのうえに、エドウィン・フィッシャーの

フィンガリングを、演奏に活かすことができるか、

ということを、お話いたしました。


★また、ドビュッシーが、「 二つのアラベスク 」 で、

“ どんなに上手に、インヴェンションを取り入れているか ”、

それを、実際に音に出して、ご説明いたしました。


★インヴェンションは、「 ゴルトベルク変奏曲 」に、

匹敵する 「 変奏曲 」 であると、私は思います。

この 2曲がもし、存在しなかったならば、おそらく、

ベートーヴェンやブラームスの、偉大な変奏曲も、

生まれなかったことでしょう。


★即ち、インヴェンションが、1番からどのように、

全曲が紡ぎだされているか、ということを、

これらの講座でも、実際の演奏で役立つよう、

詳細に、分析してまいります。

 


★ 「 横浜・みなとみらい 」 での、次回・第 3回の
                  「 インヴェンション・アナリーゼ講座 」 は、
 
 2011年 1月 28日(金)午前 10時 ~ 12時 30分です。

■ 「 インヴェンション&シンフォニア 各3番 」
            ~ バッハが自ら記入した「スラー」には、
                           どんな深い意味が・・・~

★「 インヴェンション2番 」では、8小節目の上声 2拍目に、

16分音符のソ、ファをつなぐ  「 スラー 」 が記入されています。

自筆譜で、 「 スラー」 があるのはその 1ヶ所のみです。

これはどのように、解釈すべきでしょうか?


★バッハが自ら、「 スラー 」 を記入したということは、

「 必要があるから、記入した 」 ということです。

「 必要であるから 」 とは、「 誤解されないため 」 です。

この 「 スラー 」 の解釈により、

この曲を、どのように演奏するか、それが決定されるほど、

重要な 「 スラー 」 です。


★インヴェンション 3番には、

バッハが自ら、多数の 「 スラー 」 を記入しています。

今回は、その各々がもつ意味を、詳しく説明いたします。

その意味を知るためには、この 3番と 1番、2番 との関係を、

もう一度じっくり、見直す必要があります。


★それは、インヴェンション&シンフォニア 1、 2、 3番の

計6曲が、1番インヴェンションから、

どのように紡ぎだされていったか、ということでもあります。


★校訂版の楽譜に記入されていますフィンガリング

( どの指で弾くかを、指示する数字 ) は、

優れた校訂版においては、容易な弾き易い指使いを、

指示しているのでは、決して、ありません。

エドウィン・フィッシャーの、素晴らしいフィンガリングが、

何を指示しているのか、演奏にどう活かせるか、

詳しく、お話します。


★エドウィン・フィッシャーが 「 三声のインヴェンション 」 と、

表記している、≪ シンフォニアの 「 校訂譜 」 ≫

( Hansen社 から、出版 )は、

現在、絶版寸前で、私の講座用に、まとめて注文するたび、

「 Hansen社 」が急遽、印刷しているような印象です。

( フィッシャーの 「 二声のインヴェンション校訂譜 」 は、

残念ながら、既に、絶版です )


★この素晴らしい、歴史的な価値のある 「 校訂譜 」 を、

読みとることができる人が、絶滅寸前に、

なっている、ということでしょう。

決して、弾き易い指使いではない 「 フィンガリング 」 が、

≪ バッハ音楽の本質を衝いている ≫ 、ということに、

気付く力がないことを、意味しています。

要は、世界的に、クラシック音楽の知的レベルが、

劣化してきている、ということかもしれません。


★この講座は、音楽をバッハを、

心から愛している方々のためのものです。

難しいことはやさしく、分かりやすいことは、

さらに、深くご説明いたします。

■会 場 : カワイミュージックスクール みなとみらい                                                   ( 全 15回 )
   横浜市西区みなとみらい 4-7-1 M.M.MID.SQUARE 3F
 
■会 費:3,000円 ( 要予約 ) Tel.045-261-7323 横浜事務所
            Tel.045-227-1051 みなとみらい直通

■第 4回 :2011年  3月 7日 ( 月 )   
            インヴェンション&シンフォニア 第 4番

 

                       ( ミズキの芽、サツキ、櫨、壇 )
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