![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/14/aceff73336288c6354779b94758eb823.jpg)
■第13回インヴェンション・アナリーゼ講座は、9月29日(火)&甘納豆■
09.9.25 中村洋子
★「インヴェンション&シンフォニア13番」の
アナリーゼ講座の準備で、バッハを集中して、勉強しています。
きょうは、秋風に誘われ、息抜きに、
浅草は隅田川の、吾妻橋を渡り、
本所の街を、散策しました。
★第二次世界大戦の空襲で、壊滅的な被害を蒙った街ですが、
戦後直後に建てられました民家や、町工場もまだ残り、
懐かしい昭和の香りが、漂います。
鉛の活字が棚に、所狭し並んだ印刷屋さんや、
日が暮れても、忙しそうに働く製本屋さんなど、
毎日、こつこつ誠実に仕事をされている姿は、
ある種、バッハの作曲態度と、
重なるものが、あるかもしれません。
★私は、大の和菓子党です。
散策の目的の一つは、「甘納豆」です。
「平野屋」さんという、家族だけで一生懸命になさっている
お気に入りの、小さなお店で求めます。
もちろん、一切、添加物ゼロです。
こちらの「富久花豆」は、絶品です。
★親指の半分ほどはある、大きな黒い花豆、
品のいい軽い甘さ、お口にいれますと、
ほろりと崩れ、豆の香りが、はじけます。
豆が育った大地の、生命力溢れる香りです。
その余韻が、暫く続きます。
これほど、感動するお菓子はあまりないでしょう。
★帰宅後、「富久花豆」をいただきながら、
バッハの自筆譜を、じっくり眺めました。
まるで、バッハ本人からレッスンを受けているように、
いままで気付かなかったこと、分からなかったことが、
雲が晴れるように、見えてきます。
ショパンの自筆譜からも、同様に、見るたびに、
必ず、新しい何かが得られます。
★「インヴェンション13番」は、全体を、
4つの部分に分けることが、できますが、
その第2部分に当たる、6小節目後半から、
13小節目の前半までの左手部分を、バッハは、
≪アルト記号≫で、書き記しています。
第1部分の1小節目から、6小節目前半までの左手部分を、
バッハは、≪バス記号≫で、書いています。
★現在、普及している大部分の楽譜のように、
ト音記号とバス記号の「大譜表」に、書き直してしまいますと、
バッハが、第1部分を「バス声部」、第2部分を「アルト声部」と、
とらえていたことが、見え難くなってしまいます。
★この声部の違いを、どのように、演奏で引き分けるか・・・、
それが、課題となります。
それにつきましては、29日の講座で、詳しくお話いたします。
★また、「インヴェンション13番」と、バッハ作曲の
「ヴァイオリンとオブリガートチェンバロによる6つのソナタ」
との関係や、「シンフォニア13番」と、「フランス組曲」との
共通点につきましても、ご説明します。
★バッハが意図した、インヴェンションの大きな構想のなかで、
私はいま、最後の急な坂を、登っているという印象です。
13、14、15番の3曲の組み合わせで、バッハがこの曲集を、
どうやって、まとめ上げていこうとしたか、ということが、
少しずつ、見えてきました。
この体験を、皆さまと分かち合いたいと、思います。
★写真は、富久花豆(黒)、インゲン豆(白)と山本英明さんの漆盆
「平野屋」さん:東京都墨田区本所3-22-7 03-3622-5244 無休
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲
09.9.25 中村洋子
★「インヴェンション&シンフォニア13番」の
アナリーゼ講座の準備で、バッハを集中して、勉強しています。
きょうは、秋風に誘われ、息抜きに、
浅草は隅田川の、吾妻橋を渡り、
本所の街を、散策しました。
★第二次世界大戦の空襲で、壊滅的な被害を蒙った街ですが、
戦後直後に建てられました民家や、町工場もまだ残り、
懐かしい昭和の香りが、漂います。
鉛の活字が棚に、所狭し並んだ印刷屋さんや、
日が暮れても、忙しそうに働く製本屋さんなど、
毎日、こつこつ誠実に仕事をされている姿は、
ある種、バッハの作曲態度と、
重なるものが、あるかもしれません。
★私は、大の和菓子党です。
散策の目的の一つは、「甘納豆」です。
「平野屋」さんという、家族だけで一生懸命になさっている
お気に入りの、小さなお店で求めます。
もちろん、一切、添加物ゼロです。
こちらの「富久花豆」は、絶品です。
★親指の半分ほどはある、大きな黒い花豆、
品のいい軽い甘さ、お口にいれますと、
ほろりと崩れ、豆の香りが、はじけます。
豆が育った大地の、生命力溢れる香りです。
その余韻が、暫く続きます。
これほど、感動するお菓子はあまりないでしょう。
★帰宅後、「富久花豆」をいただきながら、
バッハの自筆譜を、じっくり眺めました。
まるで、バッハ本人からレッスンを受けているように、
いままで気付かなかったこと、分からなかったことが、
雲が晴れるように、見えてきます。
ショパンの自筆譜からも、同様に、見るたびに、
必ず、新しい何かが得られます。
★「インヴェンション13番」は、全体を、
4つの部分に分けることが、できますが、
その第2部分に当たる、6小節目後半から、
13小節目の前半までの左手部分を、バッハは、
≪アルト記号≫で、書き記しています。
第1部分の1小節目から、6小節目前半までの左手部分を、
バッハは、≪バス記号≫で、書いています。
★現在、普及している大部分の楽譜のように、
ト音記号とバス記号の「大譜表」に、書き直してしまいますと、
バッハが、第1部分を「バス声部」、第2部分を「アルト声部」と、
とらえていたことが、見え難くなってしまいます。
★この声部の違いを、どのように、演奏で引き分けるか・・・、
それが、課題となります。
それにつきましては、29日の講座で、詳しくお話いたします。
★また、「インヴェンション13番」と、バッハ作曲の
「ヴァイオリンとオブリガートチェンバロによる6つのソナタ」
との関係や、「シンフォニア13番」と、「フランス組曲」との
共通点につきましても、ご説明します。
★バッハが意図した、インヴェンションの大きな構想のなかで、
私はいま、最後の急な坂を、登っているという印象です。
13、14、15番の3曲の組み合わせで、バッハがこの曲集を、
どうやって、まとめ上げていこうとしたか、ということが、
少しずつ、見えてきました。
この体験を、皆さまと分かち合いたいと、思います。
★写真は、富久花豆(黒)、インゲン豆(白)と山本英明さんの漆盆
「平野屋」さん:東京都墨田区本所3-22-7 03-3622-5244 無休
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲