僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

 マラソンと痛風の怪しい関係

2008年03月20日 | ウォーク・自転車

ブログを書いていると、それに付随したことをいろいろと思い出してくる。

前回、北京マラソンで宗兄弟が1、2位を独占し、その翌日に僕は痛風の発作に襲われた経験談を書いた。書きながら、あ、そうだった、あのときに生まれて初めて痛風という激しい痛みを体験したのだったなぁ…と当時の記憶をたぐり寄せていると、それにくっついて他にもさまざまなことが思い出されてきた。結局あれは、正しくは何年何月の出来事だったのだろうか…ということを調べてみたくなった。

ネット検索は、こういうとき、すこぶる便利である。
検索の結果、北京マラソンで宗兄弟が同タイムで1、2位となったのは1985年(昭和60年)10月13日ということがわかった。

余談だけど、そのサイトには他にもいろいろと1985年の出来事が列記されていた。
ちょっと取り上げてみると、3月に青函トンネルが貫通。6月に松田聖子が神田正輝と結婚。8月には群馬県御巣鷹で500人以上が亡くなった日航機墜落事故が起きた。そして10月には阪神タイガースが21年ぶりに優勝…などなどである。

1985年というのはそういう年だったんだけど、そのころ36歳だった僕はフルマラソンを走るのが趣味で、85年には11月下旬に小豆島マラソンに出場している。だから、10月の北京マラソンの頃は、小豆島を目指してトレーニングに励んでいた真っ最中だった。当時は土曜日は午前中だけ仕事で「半ドン」と呼ばれていた時代であり、12時に仕事が終わると、50ccのバイクに乗って長居競技場横の周回コース(1周2.8キロ)へ行き、長距離走をするのが土曜日の日課だった。北京マラソンの前日の土曜日、僕は長居のコースで30キロ走をしたことを覚えている。それが翌日のアクシデント結びついたのだ。

翌日のその日曜日。
たしか朝の9時か10時ごろに北京マラソンはスタートしたと思う。
大好きなマラソンのテレビ観戦にアルコールは欠かせない。
レースは、前述のように日本の宗兄弟の一騎打ちとなり、死闘の末、同タイムで兄の茂が優勝したのだが、これを見てコーフンしないはずがない。テレビ中継の間、ずっと、僕はレモンチューハイを何回もつくって、ガブガブ飲んだ。

その日の夜、布団に入ってから左足がジワリと痛み出した。
足の甲から外側のくるぶしあたりがズキズキと痛む。
どうしたんだろう…??
それより6年前。30歳のときに草野球の試合中、フライを捕球しようとした瞬間にぬかるみに足を取られ転倒し、左足首の骨にヒビが入ったことがあった。
今回の場所もそれと同じような場所だし、痛みの感覚もそれと似ている。
あの時同様、骨にヒビが入ったのだろうか…?

昨日、長居で30キロ走をしたので、足を酷使したことは事実だった。
ひょっとして、古傷の部分が今度は疲労骨折を起こしたのか…?
そう思うと、もうそれに違いない、と一人で決めてしまっていた。
昨日の昼の30キロ走がダメージとなり、左足首を疲労骨折したに違いない!

その夜は、痛みがどんどん強くなってきて、一晩中眠ることができなかった。
翌月曜日の朝は、もう左足首周辺が「激痛」と言っていいほどの状態になった。
妻に「左足がすごく痛い。骨にヒビが入っているみたいだ」と言って、勤務先に連絡して休暇を取り、近くの整形外科まで自転車を右足だけで漕いで行った。

診察室に入って、医師に症状を訴えた。
「おとといマラソン練習で30キロを走ったので、きっと骨折したのだと思います」
そんな僕の言葉を軽く聞き流した医師は、首を横に振って
「走って1日以上経ってから骨折するわけないでしょ。これは痛風に間違いないわ。ゼッタイに痛風や」
そう、言い切った。

「つ、つうふう!」
僕はわが耳を疑った。痛風って、なんだ? 
うぅ~~~。…半身がマヒしたりする病気と違うんか? 年寄りに多いあの…。
「あんた、それは中風(ちゅうぶ)ですがな」
医師はうろたえる僕に「まあ落ち着きなはれ」と苦笑した。

「ワシが言うてるのは痛風ですわ。きっと尿酸値が高いんやね。検査しまひょ」

血液検査を受け、その日は湿布薬と尿酸塩を溶かす飲み薬をもらって帰ってきた。
患部が、うっすらと赤くなり、少し腫れていた。
検査の結果は、やはり尿酸値が高く、間違いなく痛風であることが判明した。

血液中の尿酸値が高くなっていると、尿酸の結晶が出来ることがあり、その結晶が関節にこびりついて激痛が走るのが痛風だ、という説明であった。
「普通は足の親指の関節とか付け根が多いんやけど、足首とか膝も、たまにはあるみたいやなぁ」
医師はそんなことを言っていた。

きつい痛みは2、3日でひいて、僕はすぐに職場復帰したけれど、いや~もう、あんな痛いことは二度と経験したくない、とつくづく思った。

「痛風」とは、「風が吹いただけで痛い」というのが語源であると言われているが、実はそれは俗説で、昔は原因のわからない疾病はなんでも「風」という名をつけたらしく、それに「痛み」と併せて痛風と呼ばれるようになったという。でも、「風が吹いても痛い」という俗説の方が現実的な解釈である。それほど、痛い。

1週間ほどで、普通に歩けるようになり、11月に入るとランニングを再開できるようになった。そして、仲間と共にどうにか参加できた11月下旬の小豆島マラソンでは、4時間29分58秒という低調な記録で、完走者887名中、761位だった。

一昨年、昨年と連続で3時間台で走り、小豆島ではさらに自己記録を狙っていただけに、この痛風による失速は残念だったが、まあ完走できてよかった。おまけにゴール地点に「ミス小豆島」のお姉さんがバスタオルを広げて選手たちを迎えてくれていた。ゴール前でその姿を見た僕は、なぜか急にヨロヨロっと足がもつれてしまい、ゴール後にそのお姉さんに抱きかかえられる…という、なかなか妙味のあるフィニッシュを味わうことが出来た。うふふふ~(何のこっちゃ。アホやがな)。

以来、尿酸値(痛風)は、僕のお友達である。
最近は、糖尿病、不整脈、耳鳴り、腰痛と、お友達が増える一方である。

薬はこれまで継続しては飲んでいないけれど、最近また数値が上がってきたので、他の薬と一緒に、朝夕、尿酸値を下げる薬を飲みはじめた。
おかげで、現在は全く正常値に戻っている。
「薬を飲んでいる限り、痛風発作は起きませんから心配ないよ」
と今の主治医は、そう断言してくれている。

痛風にはプリン体という物質を含む食べ物が良くない、という。
牛や鶏レバーなどの内臓、魚の干物、かつお節、煮干し、干し椎茸などにプリン体が多く含まれているので避けなければならない。が、それより何より、大好きなビールにプリン体が多く含まれている。しかし、これだけは止められない。困った。

「日頃から水分を十分にとるように」と言われているので、
「じゃ、ビールをどんどん飲まなくては…」と考えたいところだが、残念ながらアルコールは水分を吸収してしまうので逆効果なのだ。世の中の仕組みは、そうそう自分に都合よくはできていない。

そういうことで、もともと尿酸値の高い人間が、激しい運動をしたり、暴飲暴食(特にアルコール)をしたときに痛風の発作が出る、という。

あのとき、土曜日に30キロを走るという激しい運動をし、翌日は北京マラソンを観戦するのに午前中からチューハイをがぶ飲みした。
過激な運動とアルコール…。
まさに「痛風さん、いらっしゃ~い」を絵に描いたようなパターンであった。

大きな痛風の発作が出たのは、そのときが最初で最後であった。
今から20数年前のことである。

…こう書いていくと、ついつい「懐かしの思い出ばなし」に傾いていく。
しかし、20数年経った今も尿酸値の薬を飲んでいるのだから、単純に思い出に浸っていたらいい、というものではない。
あのときのことをじっくりと振り返り、同じ過ちを二度と繰り返さないようにしなければならない。

さすがに今は、休日の朝からビールやチューハイを飲んだりはしませんけどね。

 

 

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5 コメント

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言われてみれば (あかべえ@減量中)
2008-03-20 13:29:25
痛風は贅沢病だと昔、母親からよく聞かされたことを思い出しました。
マラソンは過酷な競技なのに「なぜ?」と思いましたが、なるほど。
(._.) φ メモメモ
原因不明の病気に「風」がつくのは、言われてみれば確かにそうですね。
破傷風とか、風疹とか、カゼも元々は「風邪(ふうじゃ)」でしたっけ……。
返信する
のん (あかべえさんへ)
2008-03-21 06:13:03
そうそう。
痛風だと言うと、よく「ぜいたく病」だと言われました。
「いいものを食べたら痛風になる」
という感じで。
アワビとかウニ、数の子というものもプリン体が多いので、そういうものをたくさん食べているように思われてしまうのでしょうね。
それと、焼肉にビール、というのも痛風の敵ですから…。
実際はそれだけじゃありませんから、決して贅沢が原因とは限りません。

それより、「減量中」とありますが…。
減量には、食事療法と運動療法の両方をやるのが良法です(笑)。

返信する
昨年5月に (のこたん)
2008-03-21 21:06:27
 我夫も痛風の発作をおこしました。
 2~3年前から、「尿酸値が高い」と言われていたのですが・・・。
 ですが、ビールは嫌いなので飲んでませんでしたよ。(ビールはもっぱら私が)

 ところがところがレバーは大好き、アルコールは浴びるほど好き、普段あまり水分を取らないetc

 ついに昨年5月、朝から右足に違和感を感じていたらしいのですが、夕方には激痛となり、私が仕事場へ迎えに行き、そのまま病院へ直行でした。
 その時には、親指の付け根から甲にかけて腫れていました。

 骨が見えるほどの怪我をしても、病院へ行かずに治してしまう夫が、「痛みに耐えられない」と言ったのですから、痛風はそうとうの痛みだったのでしょうね。

 のんさん、また発作がおこらないように用心してくださいね。
 我夫にも「水を飲みなさい・お茶を飲みなさい。」とうるさく言っているのこたんで~~~す。
返信する
水分が大切ですよね (のこたんさんへ)
2008-03-22 04:15:24
ご主人はビールはお嫌いだけどアルコールは浴びるほど好き、ということですか?
最近はよく焼酎がもてはやされています。ビールのようにカロリーは高くないし、尿酸値で言えばプリン体もビールほどではない…と。

でも、僕がかかった医者は、全てのアルコールが尿酸値には悪いから、ビール以外なら良い、という考え方はどうかなぁ…、といわれました。だから、僕はビールもチューハイもまんべんなく飲んでいます(笑)。

僕は薬のお陰で尿酸値は4程度ですが、8を超えるとヤバイです。
ご主人も尿酸値の検査を定期的にされていますか?
水分を摂らなければならないのはわかっているのですが、あまりお茶や水を飲むとビールが美味しくなくなる…な~んてのは、酒飲みの自己弁護ですね。
ご主人も、用心されるように、のんたんが厳しく指導してあげてください(笑)。
のこたんさんがおっしゃるように、お茶や水を飲むのが一番です。尿酸がたまって結石を作ることもあるので、水分摂取量を増やして、1日の尿量が2リットル以上になるように心がけるのがいいそうです。お医者さんが、そう言ってました。
返信する
腰が痛いのは、辛いですね。 (腰痛アドバイザー)
2008-03-24 18:53:04

腰が痛いのは辛いものです。
私も14年間悩まされました。

私が考案した腰痛解消法をお試しください。

【3分腰痛解消法】で、検索すると見つかります。

腰をお大事に。
返信する

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