僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

白鵬にも 「外国人差別」 ?

2015年01月29日 | ニュース・時事

白鵬の続きですが。

前回は、史上最多の33回の優勝を決めた時の表彰式での、
白鵬の微笑ましいインタビューのことを書いた。

すると一夜明け会見で、13日目の稀勢の里戦について…
取り直しとなった一番だったが、その判定について、
「ビデオを見ればわかるが、自分が勝っていた。子供でもわかる。
なぜ取り直しなのか?」 そう言って審判部を痛烈に批判した。

これが問題視され、白鵬の親方が審判部長に謝罪したという。

確かに、審判を批判するのは不適切なことなのだろう。
(特に「子供でもわかる」という発言は、ちょっとねぇ)

サッカーの本田選手も、先日アジア杯で審判を批判し、
何十万円もの罰金支払い処分を受けたばかりである。
審判を批判することはスポーツ界では「重罪」なのだ。

しかし、それでも白鵬の気持ちは、僕はよ~くわかる。

去年夏場所、白鵬が1敗、稀勢の里が2敗で千秋楽を迎えた時のこと。
結びの一番、白鵬と日馬富士が土俵に上がると、館内は沸いた。

しかし、その沸き方が、あまりにも異様だったので驚いた
「日馬富士! 日馬富士!」の大合唱が館内に轟いたのだ。

白鵬が敗れたら、稀勢の里との優勝決定戦に持ち込まれる。

観客が決定戦を見たい気持ちはわかり過ぎるほどわかるが、
それにしても、露骨過ぎる「はるまふじコール」だった。

結果は、白鵬が日馬富士を土俵に転がし、優勝を決めた。
館内には、ガッカリ…というため息が漂った。
しかしガッカリしたのは白鵬のほうだっただろう。
自分が優勝を決めると観客が失望するのだから。
そんなに嫌われているのか…と情けなくなっただろう。

表彰式で白鵬は「君が代」を口をつぐんだまま歌わず、
それだけでなく、翌日の一夜明け会見も拒否したのである。
会見拒否は前代未聞のことで、それが去年5月のことだった。

その前の年の11月の九州場所にも、驚くような出来事があった。
稀勢の里が白鵬を破った時に、観客たちが万歳三唱をしたのだ。
ほぼ全観客が立ち上って、怒涛のような万歳三唱を繰り返した。
長年、相撲中継を見てきたが、こんな光景を見たのは初めてだ。

万歳三唱といい、「日馬富士コール」といい、
白鵬は、大いに気分を害していたはずだった。

今回の審判批判には、そういう伏線があったと思うが、
もう一つ、「判定」についての審判不信の原点として、
白鵬が尊敬して止まなかった大鵬の件があるのだろう。

かつて大鵬は、判定で相撲人生を狂わされたことがある。
有名な話だが、1969(昭和44年)春場所の2日目、
大鵬は破竹の45連勝を続けていた。このままだと、
双葉山の不滅の記録である69連勝も夢ではない…
と相撲ファンが期待する中で、思わぬことが起きた。

相手力士の戸田に攻められた大鵬が土俵際で辛うじて残し、
2人一緒に土俵下へ落ちた相撲で、軍配は大鵬に上がったが、
物言いがつき、その結果「行事差し違え」で大鵬が敗れたのだ。
ビデオを見ると、明らかに大鵬の足は土俵に残っていたのに…
「世紀の誤審」と言われ、それ以後、ビデオ判定が採り入れられた。

当時大鵬は、大相撲界に君臨していた出羽一門の所属ではなく、

少数派のニ所一門だったからだと…陰でささやかれていた。
角界の力関係も、こういうこととは無縁でないと言われる。

大相撲では日本に帰化しても慣例上「外国人力士」とされるそうだが、
白鵬は、やはりこれまで、多くの差別を身に感じてきたようである。

あの朝青龍みたいに傍若無人に振る舞うわけではなく、
日本人以上に日本人らしさを感じさせる白鵬なのに…
それでも稀勢里戦での万歳三唱や日馬富士コールなどが起きる。

どんなに頑張っても、モンゴル人というだけで差別される…
そんな理不尽な思いが、白鵬をカッカリさせているのでは、と思う。

だから、白鵬の胸の内から、今回の審判批判も飛び出したのだろう。

「命がけで相撲を取っているのだから」との言葉も口にした。

だから僕は、一概に白鵬を責めるのもどうか、と思うのだ。

むしろ外国人力士に押されっぱなしの日本人力士の弱さのほうが、
よほど責められるべきでないのか。しっかりしろよ、と言いたい。

 

 今、この時から3年近く経った2017年の12月です。
  この際、以下の文を追加します。

このブログを書いたときはたしかに白鵬を気の毒に思いましたが、
いま、日馬富士の暴行事件で相撲界は大揺れで、白鵬はこの事件の
「黒幕」とも言われ、それ以外にも問題行動が増え続けています。
「オレが一番」という意識が強く傲慢になっているのは明白で、
最近の白鵬については、顔も見たくないほどイヤな印象です。

この当時は、まさか白鵬が朝青龍の再来になるとは
思いも寄らぬことでした。

  

 

 

 

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6 コメント

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はじめまして。 (ちか蔵)
2015-01-30 13:09:25
心房細動の記事を見ていてこちらのブログを見つけ拝見しました。白鵬の件、ごもっともです。今回の白鵬の言動はあまりよくないですが、角界や日本の悪しき慣習もよくないこともありますね。それぞれの立場で考えないといけないですね。
ところで話は変わりますが冒頭の心房細動について、わたくし先週、動悸が長く続いたので病院に行ったところ心房細動の診断を受けました。今は、点滴や薬で回復しておりますが、いつ出るか不安であります。担当の先生と相談した結果、初期段階なので対処療法(動悸が出たら頓服)で当面様子をみることにしました。また、血液さらさらの薬は、わたくしの段階では、微妙なので服用しておりません。この疾患について、いろいろ調べると不安になりましたが、のんさんのブログを拝見して少し気が楽になりました。これから一生この病と付き合っていかないと思うと憂鬱になります。もしよろしければアドバイスなどいただければ幸いです。因みに、わたくしは53歳の男で普通の会社員です。長くなり申し訳ございませんでした。
返信する
追伸、 (ちか蔵)
2015-01-30 13:16:26
わたくしもお酒が大好きで30年来ほぼ毎日飲んでいましたが、診断以来飲んでおりません。飲むとやばい気がして中々お酒に手が出ませんが飲みたい気持ちは大いにあります。のんさんは、禁酒もされてようですが今はのまれてますか?
返信する
心房細動 (のん)
2015-01-31 09:33:58
ちか蔵さん、はじめまして。ようこそお越しくださいました。
心房細動からこちらへ来ていただいたのですね。
僕が初めて心拍に異常を感じたのはもう10年以上前のことでした。
最初の頃は気になっても放っておいたら収まったのですが、
だんだんしつこくなり、やがて耐え切れずに病院へ。
そこで心房細動という言葉を知りました。
症状が出ると、しゃがみ込んでしまうほど、しんどいです。
ちか蔵さんのように、最初は頓服として薬を服用していましたが、
頻繁に出るようになってから、常時服用することになりました。
それでも酷い症状が出るのでカテーテル手術を受けましたが失敗でした。
それが2007年8月で、その年の12月からこのブログを開始しました。
心房細動のことは、カテゴリーの「心と身体と健康と」の中で、
いろいろと書いていますので、またよろしければご一読ください。
カテーテルを受ける前年、脳梗塞の軽い症状である
「一過性脳虚血発作」というのに罹り、右半身がマヒ。
幸い軽い症状で済みましたが、それ以来、ワーファリンを飲んでます。
これはいろいろ副作用があったり、血が止まりにくくなったりします。
服用には腕のいい医師に判断を仰ぎ、慎重にしなければね。

最初の頃は不安でしょうね。よくわかります。
でも、これも年月が経つと、まぁいろんな病気の人がいる中で、
心房細動は、それほど怖い病気ではない、と思い始めています。
僕は今でも心房細動が出ますが、たいていお酒の飲み過ぎが原因です。
でも懲りずに飲んでいます。飲み過ぎなければいいんです(←言い訳)
「お酒を減らすか、やめるかしたら、出ないですよね」と医師が言い、
「でも、わかりやすい身体ですね」と、ほめてくださいました。
(そんなん、ほめるとは言わん、言わん)

…こちらこそ、長々と失礼しました。
返信する
ありがとうございます。 (ちか蔵)
2015-01-31 14:26:08
早々のご返事ありがとうございました。元気がでます!
まだまだのんさんのように上手く付き合えるか不安もありますが、わたしだけじゃないし多くの方々がもっと大変な病で頑張っていらっしゃることを思えば少々自分が情けないです。これからも愛読させていただきます。よろしくお願いします。
返信する
こちらこそよろしく (のん)
2015-02-01 08:25:15
最初の頃は本当に不安で不安で仕方ないと思います。
でも病気と一生付き合っていくのも、慣れるとどうってことありません。
それに、自然治癒もあり得ますしね。
心房細動は心室細胞と違って、命にまったく別状はありません。
大丈夫ですよ~
返信する
気持ちが楽になります。 (ちか蔵)
2015-02-02 14:07:52
ありがとうございます。

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