僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

楽天優勝に想うこと

2013年09月29日 | 思い出すこと

プロ野球パ・リーグで、楽天が初優勝したことに喜んでいる人は多いだろう。どのチームのファンに限らず、日本中の人たちが「よかった、よかった」と拍手している様子が目に浮かぶ。東北が待ち望んでいた春の訪れ…と表現してもいいかも知れない。「たかが野球、されど野球」である。


僕も、2004年に楽天球団が誕生した時から、このチームが強くなることを期待していた一人だ。そこにはいろいろな思い出が詰まっている。


 ………………………………………………………………………………


僕が今住んでいる大阪府藤井寺市に引っ越してきたのは25歳の時で、すでに2人の男の子(2歳と1歳)がいた。藤井寺市は当時の近鉄バファローズの本拠地・藤井寺球場があったことで有名だった。球場は近鉄南大阪線・藤井寺駅のすぐ近くで、自宅から自転車で5分くらいのところにあった。


2人の息子たちも幼稚園の頃から野球が大好きになって、言うまでもなく地元近鉄ファンだった。休みの日には、お弁当やお菓子を持って家族で球場へ行き、近鉄の試合を観戦した。一塁側内野スタンドでビールを飲みつつ、子どもたちといっしょに近鉄を応援するのは、至福の時間…と言ってもよかった。


しかし…。その近鉄が2004年(平成16年)に経営難からオリックスと合併し(事実上は吸収された)、近鉄球団は消滅してしまい、藤井寺球場は「廃墟」と化してしまったのである。(現在、球場跡は私立の学園などになっている)。


近鉄球団は1949年(昭和24年)に誕生したそうである。僕もその年に生まれたので同年齢なのだ。その近鉄に「先立たれ」たのはとても寂しいことだった。


さて、近鉄がオリックスに吸収されることになったので、パ・リーグは5球団となり、当然、新たにもう1球団が必要になった。そしてさまざまな紆余曲折を経て宮城県をフランチャイズとする「東北楽天ゴールデンイーグルス」が誕生したのだった。楽天の選手はオリックスと近鉄の合併球団、オリックス・バファローズから振り分けられた。そんな経緯で2005年のシーズンから楽天がプロ野球に参入したのだから、楽天はいわば故・近鉄バファローズの「肉親」みたいなものである。大阪の藤井寺から宮城の仙台へと、ずいぶん離れてしまったけれど…。


何かの資料によると、楽天が新規参入決定直後の2004年の秋季キャンプは、藤井寺球場で行われたそうである。つまり、楽天の出発点はわが町・藤井寺だったということになる。


そんなことを思うと、やはり球団創設9年目にしての楽天の初優勝は、僕たち家族にとっても感慨深いものがある。ぜひ日本シリーズに出て、巨人と日本一を争ってほしいものだ。(日本シリーズに巨人が出るのは当然だと思っている!)


ところで、かつて一度だけ、巨人と近鉄が日本シリーズで戦ったことがある。元号が平成に変わった年…1989年だった。生粋の巨人ファンだった僕も、この時はどちらを応援していいものか迷った。家族はみんな近鉄ファンだし、僕も近鉄をスタンドで応援してきた。なにしろ地元中の地元である。仕方ない。どちらも応援することにした(笑)。


その日本シリーズは、大方の予想をくつがえし、初戦から近鉄が巨人を圧倒して3連勝した。あと1勝で初の日本一! そこまではよかったのだけれど…。


近鉄が3勝目を上げたときの勝利投手、加藤哲郎が試合後のインタビューで「巨人は弱いですわ。ロッテ(当時パ・リーグで一番弱かった)より弱いですわ」みたいなことを言って全国の巨人ファンの怒りを買った。それが巨人の選手を奮い立たせたのか、そのあと巨人が4連勝し、結局近鉄の日本一の夢は叶わなかった。(後に加藤投手は「口先男」などとマスコミにからかわれ気の毒だったなぁ)。


近鉄はその10年前にもあと一歩のところで日本一を逃していた。広島との日本シリーズで、3勝3敗で迎えた第7戦、1点をリードされた近鉄は9回裏ノーアウト満塁の絶好のチャンスで、「一打逆転サヨナラ日本一」のシーンを迎えた。しかし1点も入れられず、そのまま負けてしまったのだ。マウンドにいたのは江夏豊で、「江夏の21球」と言われ、今では伝説と化したシーンだった。あのときは小学生だった息子たちと一緒に、手に汗握りながらテレビを見ていたけれど、試合終了の瞬間、息子たちの悲しそうな表情が今でも忘れられない。


その近鉄も今は無いけれど、少なからず縁のある楽天が、間もなくCS、そして日本シリーズへ臨もうとしている。ぜひ近鉄が成し得なかった日本一を獲得してほしい。しかしひとつだけ、かなり大きなモンダイがある。相手が巨人だったら、どちらを応援するのだ…?


あぁ、またあの平成元年の、巨人・近鉄の日本シリーズを思い出す僕なのです。

 

 

 

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4 コメント

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お邪魔します! (ちひろ)
2013-09-30 06:09:42
このネタはお邪魔しないわけにはいくまい、と思い、
コメントさせていただきます(笑)。

おらほのチーム、優勝しちゃいましたねぇ・・・
こんな日が来るとは思いませんでした・・・
とはいっても、以前もお話したかと思うのですが、私はまったく野球がわからないのですが、
宮城県人としてとてもうれしいです。
めずらしく、あの試合は最後の優勝の瞬間だけ見ました(笑)。
わからないなりに、やっぱりとてもうれしかったですね。

藤井寺とはご縁がありますものね。
ぜひおらほの楽天を、と思いますが、のんさんの巨人愛も存じ上げていますから、
やっぱり両方応援なさるのがいいんじゃないですかね?
でも、CSがあるから、出られるとは限らないんですもんねえ。
わがままなので、優勝しちゃうと、優勝したチームが日本シリーズやればいいのに、と思っちゃいます(笑)

中身のないコメントで失礼しました。
「おらほのチーム」って言いたかっただけです。
それでは失礼します!
返信する
なつかしいですね~ (おらほのほそ道)
2013-10-01 07:54:19
お待ちしていましたよ、ちひろさん。
おらほの楽天が優勝しましたね~
「こんな日が来るとは思いませんでした」ということでしたが、、
東北の皆さんも「まさか」と思ってらっしゃったのでしょうね。
悲願が叶って初優勝。セ・リーグの広島は16年ぶりAクラス。
15年間ずっとBクラスだったチームもいるのに、9年で優勝は速い!

近鉄・オリックス合併チームから楽天に出された選手は、
「余りもの」と言われていた選手たちで、気の毒でした。
そんな戦力で他チームと互角に戦えるわけありませんよね。

ただ、岩隈だけはオリックス側に残留を要請されましたが拒否し、
楽天へ行きました。そして開幕第一戦に先発、完投勝利を収め、
球団創設第一戦の勝利投手になりました。

2009年、僕が市役所を退職する直前のWBCでは楽天の岩隈が大活躍しました。
それをブログに書くとちひろさんが「おらほの岩隈」と書いてこられましたね。
僕もそれをブログのタイトルにしました。

http://blog.goo.ne.jp/non-ap/e/dd0fd2f617dd05020595cbbee92ada7c

ブログ名も「おらほのほそ道」に変えようかと思ったほどですよ。
ともあれ、CSという短期決戦に慣れていない「おらほ」ですが、
田中投手もいるので、相手がどこでも勝つのは間違いないでしょう。
返信する
Unknown (すすむ)
2013-10-02 08:19:58
初めまして

私も以前藤井寺に住んでいた元藤井寺市民です!(今は仕事の関係で新潟ですが)

帰省で帰るたびに子供の頃からずっと親しんでいたあるはずのものが無くなっている、、、なんとも寂しい気持ちになります。

あの悲しい出来事から急激にプロ野球への興味が削がれました、あんなに好きだったのに。

拒否反応からオリックスは応援する気には全くなれず、楽天を応援したい気持ちがあるも東北には行ったことも無く、、、この9年間ぼんやりとプロ野球を観ていました(いや、殆ど観なくなった?)

メジャーリーグだったり、侍ジャパンだったり、数少なくなった当時の猛牛戦士達の個人的な活躍のみを楽しんでいる感じ。まだ残っているのは中村ノリ、岩隈くらいかな?

でも今回のイーグルスの優勝の映像を観ていた時に自然と涙が流れました、心の奥底では楽天と近鉄を重ね合わせていたのかもしれませんね。

これからは楽天イーグルスを応援しようと決めました!
やっぱり、好きな球団が無いとプロ野球ってこんなにつまらなく感じるものなんだ。。。と痛感しましたもので。

では。
返信する
はじめまして! (のん)
2013-10-03 16:45:54
元藤井寺にいらっしゃったのですか!
しかもご実家は今も藤井寺なのですね。
なんとも言えないほど親しみが湧いてきます。

暑い夏でしたが、新潟はこれから寒くなりますね。

東北には行かれたことがなくとも、新潟と東北は
背中合わせですから、またいつでも行けますよね。

おっしゃるように、応援チームが無くなると興味が薄れますよね。
やはり、どこかのチームに熱を上げてこそ野球への関心も高まります。

岩隈は大リーグで活躍していますね。うれしいです~

楽天優勝のシーンに涙されたすすむさん。
これからぜひ楽天を応援してあげてください。
近鉄の「忘れ形見」と思えば感慨もひとしおですものね。

コメント、しんみりと…そして楽しく読ませていただきました。
ありがとうございました。また、よろしければ遊びに来てください。
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