僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

パリの思い出 お笑い編

2011年09月03日 | 旅行

ブログ仲間ちひろさん(馴れ馴れしい言い方ですみません)が、
先月、ご自身のブログのテンプレートを、新しいものに変更された。

 http://namcleblog.blog88.fc2.com/

エッフェル塔や凱旋門のデザインがなんとも可愛く、
甘美なフランス映画の音楽がその背後から聴こえてきそうである。

女性には、こういうテンプレートがよく似合いますよね。

その点、還暦を過ぎたおじさんなどは、テンプレート探しが難しい。
こんな可愛いデザインを使ったら、気持ち悪がられてしまう  。

ところで、パリって本当に素敵な街だ。

これまでの海外旅行先はパリが一番多くて4回行った。
最後に行ったのは3年前の春だった。

ちひろさんのテンプレートを見て、パリを懐かしく思った。

そこで今日は、パリで体験した笑い話をいくつか書いてみたい。

まず、地下鉄の中での体験談。
パリの地下鉄には、補助椅子がついている。
車両は日本と違い、対面式のボックス・シートで、
ドアに一番近い背もたれの裏側に補助椅子がくっついているのだ。

こんな具合である(矢印の部分の青いのがそれ)。


 

 

これをグイっと広げると、腰掛け用の椅子になるのだが、
お尻を上げると、椅子はバネの力でバタンと元の位置に戻る。

ある時、妻とパリの地下鉄に乗ってドアの前に立っていたが、
この補助椅子が目に付いたので、ためしに広げて座ってみた。
妻は、僕と向かい合う形で、立ったままだ。

妻と会話を交わしているうちに、降りる駅が近づいてきた。
ドアの上部に地下鉄の路線図が貼ってあったので、
僕は席を立ち、妻に「ここが僕らの降りる駅やで」と指を差した。

そして、うっかりそのまま椅子に腰を下ろしたのである。

ドスンうわっ。

座っていた補助椅子は、僕が立った瞬間に元に戻っており、
僕が再び腰を下ろしたときにはもうその位置に椅子はなく、
僕はドテ~ンとひっくり返って床に尻を打ちつけたのである。

あ、痛ぁ~!

僕が思わず悲鳴を上げたものだから、周囲のフランス人たちは、
一瞬驚いてこちらを見たけれど、さすが紳士・淑女の国である。
すぐに目をそらし「見てないもんね」というふりをしてくれた。

じ~っと僕を見つめていたのは、あまりの僕の間抜けぶりに、
あっけにとられ、目が点になっていた妻ひとりだけであった。

いやぁ、お尻が痛かった以上に、恥ずかしかったなぁ。

このバネ式の補助椅子は、ストラポンタンというそうである。
そして僕みたいにひっくり返る人間を、アンポンタンという…
のかどうか、それは知りませんけど。

次に同じ地下鉄での話。
シートに座っていたフランス人女性が、
立っていた僕と目が合った時、
「ぼん、座る?」と言った。
「ぼん…?」
なんやそれ。このマダムは日本語をしゃべるんかいな…?
それも「ぼん」やなんて。
最近は日本でもあまり聞いたことがないコトバだ。

それに「座る?」と言ってくれた割には、席は満席だった。
マダムが席を譲ってくれるという雰囲気でもなかったし。
どこに座るんや、と思い、「はぁ…?」と首をかしげて見せた。
するとマダムはまた、「ぼん、座る?」と言ったのである。

実はマダムは「ボンソワール」(こんばんは)と言っていたのだ。
そのことに気が付いたのは、地下鉄を降りてからであった。

またカフェでは…。コーヒーを注文したら、ウエイトレスが、
「ウィ」とかなんとか言ったあと、「めし? ボク」と聞いた。

「めしと違うがな、コーヒーやがな」と僕が身振りで伝えると、
彼女はまた、「めし? ボク」と言って、ほほえむのであった。
「めし」なんて食べるつもりはない。しかも「ボク」ってなぁ。
僕は返事をせず、黙って彼女から目をそらせた。

それが…
メルシーボクー(ありがとうございます)
だとわかるまで、1分以上かかった。

…さて、最後は飛行機の中でのことだけど、
パリの空港へ到着し、乗客がぞろぞろ出口に向かって歩いていた。

フランス人乗務員の垢抜けたおネエさん方が通路で見送ってくれた。
笑顔で「さようなら」という意味の言葉を、乗客たちにかけている。

「さようなら」は仏語で「オ・ルボワール」と言うそうである。
むろん本物のフランス人だから、教科書的な発音はしない。
すると「オ・ルボワール」という言葉が…
「オバァ~」に聞こえるのだった。

乗客に日本人は多かったが、特に年配の女性たちが多かった。

何人もの客室乗務員が、あちらからも、こちらからも、乗客に、
「オバァ~」「オバァ~」「オバァ~」…
と、にこやかに声をかけているのだ。

「オバァ~」「オバァ~」「オバァ~」…

とうとう、ある日本人グループの女性の一人が声を出した。
「ええい、やかましいわ。誰がオバァやねん!」

これらの話、ほんまかいな…と思われるでしょうね。

まあ、多少はフィクションも混じっていますけど…

先日ちひろさんが、僕のどこまで本当だかわからない話を、
「のんフィクション」ですね、と言ってくださった。

「ノンフィクション」なのか…?
のんの「フィクション」なのか…?
あるいは両方を含んだものなのか…?

うまく表現していただき、恐縮しつつ、喜んでいる。

…ということで、みなさま、今日はこれにて失礼します。

台風には十分お気をつけください。

オバァ~  

 

 

 

 

 

 

 

 

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