僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

「ノルウェイの森」 異聞

2012年10月10日 | 読書

きょう、10月10日はかつて「体育の日」だったが、
今はなんと、「お好み焼きの日」、だという。
今朝のNHKニュースで言っていた。
10月10日で、ジュウジュウ…
だからお好み焼きの日、なんだって。 ほんまかいな?


          


「ノルウェイの森」 といえばおなじみビートルズの曲だけれど、

今の日本人なら、村上春樹の小説をまず思い浮かべるだろう。

もちろん、この小説の題名もビートルズの曲からとったものである。

小説の冒頭。
1987年、ドイツのハンブルグ空港に着陸直後の飛行機の中で、
ビートルズの 「ノルウェイの森」 が流れてくる。
主人公は、その曲を耳にすると、頭を抱えこみ、朦朧となる。
曲は、18年前の出来事とつながっており、その回想が、
この長編小説の物語を構成している…

さて、村上春樹は、いつか書いたことがあるけれど、
生年月日が僕と3日しか違わない同い年で、血液型も同じA型、
京都生まれ、学生結婚、海外のフルマラソンを走ったのが34歳の時…
なども同じで、またこの10年間で最も多くの作品を読んだ作家でもある。

その村上春樹が、去る9月28日の朝日新聞の第1面に、
デカデカと顔写真が載り、大きな見出しが躍っていた。

朝、郵便受けから取り出した新聞を、玄関に入りながらチラッと眺めたら、
「村上春樹さん…」 と、白抜きの大見出しが目に飛び込んできたわけだ。

それを見て「ゲェッ!」と声を上げ、その場で動けなくなった。
なぜかというと、村上春樹が亡くなったのかと思ったからだ。

だって、1面に顔写真入りで「村上春樹さん…」とあれば、
たいてい、亡くなったという記事だと思いませんか…?

ところが、見出しを最後まで見てみると、
「村上春樹さん寄稿」だった。

領土問題から悪化した日中関係を憂える文章を、
村上春樹が朝日新聞に寄稿したという見出しだ。
3面に、その全文が掲載されていた。
な~んだ、それは?

 

  

 

なんで1面に、こんな大仰な見出しと顔写真を載せたのか…?
え~っ? 村上春樹が死んだのかぁ! と思ってしまうよね。
(思わん、思わん…という声も聞こえてきそうですが…)

でももし、それが今日の朝刊だったら、話はまた変わってくる。

1面にデカデカと「村上春樹さん…」と大きな見出しが出たら、
それはもう「ノーベル文学賞受賞!」の記事だと思うでしょうね。

京大の教授がノーベル医学生理学賞を受賞して話題になっているが、
明日に発表されるノーベル文学賞は、村上春樹が有力な候補である。

明後日の新聞に、再び大見出しと顔写真が載ることがあるのだろうか。

もし受賞すれば、対象となった代表的作品は「ノルウェイの森」だろうね。

ところで御本家ビートルズの「ノルウェイの森」のほうは、
とても静かな曲であり、「ミッシェル」などと旋律がよく似ている。

こういう曲はビートルズの中でも特に好きというほどではなかったが、
年を取るにつれて、いいなぁ…と思い始めてきた。
同じ音楽を聴いても、年齢とともに印象が変わる。

このビートルズの「ノルウェイの森」で面白い逸話を聞いた。

原題の「Norwegian Wood」は、「ノルウェイの森」ではなく、
「ノルウェイの木」と訳すべきだという説が今でも根強いという。
「森」であるならば、定冠詞をつけて「the wood」とすべきだが、
ただの「wood」だから「木」あるいは「木材」と訳すのが正しいというのだ。

つまり「ノルウェイの木」あるいは、「ノルウェイの木材」ですよね。

こうした説を主張する人たちによると、この曲の中身は、
「ノルウェイの木材でできた家具のある部屋」でのお話だそうで、
だから「森」より「木または木材」のほうが歌とマッチする…と言う。

ふ~む。よくわからないけど。

その昔、ジョン・レノンは、「Norwegian Wood」について、
「なんでこういう題をつけたのか忘れた」と言ったそうだ。

一方、これを小説のタイトルに使った村上春樹は、
「木」 「木材」 という説にはまるで耳を貸さない。

「ノルウェイの森はノルウェイの森なんだから、仕方ないじゃないか」
と言っているとか。

さらに、こんな言葉を続けたという。

「そんなことをいちいち気にするのは、木を見て森を見ず…だ」 と。

さすがの村上さんである。

ノーベル文学賞を、ぜひ受賞してもらいたいですね。
明日の発表が、楽しみです。

 

 

 

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