昨日の朝、起きて間もない時のことだった。
なにか、目がおかしい。かすむような感じである。
ま、寝起きには時々こういうことは起きるんだけど。
洗面所へ行き、顔を洗いながら、丹念に目を洗ってみる。そのあと、目薬もさして、そしてまたリビングのテレビを見るのだが、やっぱりいつもより見にくい。
壁の上の方にかかっている時計を見ると、白っぽく光って、時計の針が見えにくい。ためしに手で片目ずつふさいで見てみると、右目では普通に見えるけれど、左目がまぶしかった。
「おかしいなぁ」と思いながらもそのうち治るだろ、と思いつつ、その日はゴミの日だったので、各部屋のゴミを集めて玄関に置き、妻とモミィが朝食中のリビングに戻った。その時、さらに猛烈に目がまぶしくなった。光がまぶしい、というより、光と関係なく、目に入るもの全てがまぶしいのだった。そして、まぶしいのは左目だけでなく、両目ともになっていた。
時計を見ても、丸く光っているだけ。時計の針は見えにくいどころか、まったく見えない。いや、時計自体、ボンヤリとした輪郭しか目に映らない。妻やモミィの顔も、テレビの映像も、まぶしくて見えない。部屋の中全体が、強い光に反射しているようなのだ。どうなってるの?
これはひょっとして重大なことなのかも、と恐怖感が湧いて来た。それをそのまま口に出すと妻が心配するので、ムニャムニャという感じで別の部屋に行った。視界はほぼ真っ白だ。「白内障?」という言葉が、ふと浮かんだ。白内障が一体どんな病気なのか詳しくは知らないが、なにか「まぶしい」ということは聞いたような記憶がある。
数分間、その状態が続いた。
そして、目に疲れを感じ始めたので座り込んで目を閉じた。目を閉じたまま、このまま眠ってしまうのではないかと思うほどかなりの時間、じっとしていた。
何分ぐらい経ったかわからないが、そっと目を開けてみると、まぶしさは消えているように感じた。用心深く周囲を見渡す。あぁ。見える。普通に見える。あの太陽光に反射したような白い景色は消え、少しはかすむけれど、まあまあいつも通りには見えている。
あぁ、よかった。
ホッと胸をなでおろした。
それが昨日の朝のことだった。そのあと、丸一日経った今朝も、普通に見える。もう心配はなくなったのだろう…と思いたい。それにしても、こんなふうな、わが人生で初めての異常事態に直面すると、ホントにうろたえますね。一体あれは何だったのだろう、と今から思えば不思議で仕方がありません。
僕には境界型の糖尿病もあることだし、以前から「眼圧の検査は定期的に受けた方がいいですよ」と言われていたので、もう4、5年ほど行っていない眼科へ行ってみた方がいいのかな、と思っている。もともと医者へ行くのは大嫌いなので、そう分かっていても、なかなか重い腰は上げられないんですけど。
やはり行くべきですか。
では、きょう、行くことにします。