この間テレビを見ていると、名古屋の東山動物園にいる6頭のコアラの年間の餌代がなんと5,600万円もかかっていると聞き、驚いた。コアラの餌となるユーカリを栽培するのにそれくらいのお金が必要だという。他の動物園でも同様に、コアラ1頭当たりの年間の餌代は平均1,000万円近いというからびっくりである。
そこで東山動物園ではコアラの餌代の支援を呼びかけ、寄付を募ったら大きな反響を呼んですぐに数百万円の支援金が集まったというニュースだった。
しかし、コアラ1頭で年間の餌代が1,000万円近くかかるとは…
いやまあ、動物園の運営も大変だなぁと思う。
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10年以上前の話になるが、オーストラリアのゴールドコーストへ家族旅行したことがある。ドリーム・ワールドという遊園地があって、そこではコアラを抱っこすることができる、という触れ込みだった。観光客がコアラを抱くのは、オーストラリア国内でも、クインズランド州以外は厳しく制限されているが、ここゴールドコーストはクインズランド州なので、誰でもコアラを抱くことが出来るという。僕と妻と長男は、さっそくそこへ出かけた。
ドリーム・ワールドの入り口には旅行社の人がいて、僕たちに入場券とコアラを抱っこする券とコーヒー券をくれた(むろん旅行代金に含まれている)。場内を周回する汽車に乗り込んで、二駅先の「コアラカントリー」へ行った。
そこへ並んでいるのは日本人や台湾人、韓国人らしき人たちがほとんどだった。コアラが2頭いて、それぞれ次々に観光客に抱かれて写真を撮られている様子を見ていると、昔に大流行した「ダッコちゃん人形」を思い出した。
さて、そのコアラの抱き方であるが…
そう、コアラの正しい抱き方というものがあるのだ。
係の金髪女性が、身振りで抱き方を指導してくれたところによると…
まず両手を下で組むように言われる。そこへコアラをそろ~っと乗せてくれる。つまりコアラのお尻を、組んだ両手で受けて少し持ち上げる。コアラは両手(手か…?)を僕の両肩に乗せるようにしがみついてくる。
大事なのは、このとき、人間は動いてはいけないということだ。コアラに「これはユーカリの木だ…」と思わせなければならないので、抱いても決して動かず、固まったまま、ユーカリの木になりすますこと…。ここがポイントだそうである(ホンマかいな?)。赤ちゃんを抱っこする時のように軽くあやすようなことはしてはならない。じっとしていれば、コアラは安心してしがみついてくるのである。…とのこと。
そっと胸にもたれかかってくるコアラはなかなか可愛いものだった。抱いている時間は約15秒程度だ。コアラのポッチャリと生暖かい感触を楽しんでいるうち、撮影も終り、係員がコアラを僕から離そうとした時、グイとしがみつくコアラの長くて鋭い爪が僕の両肩に食い込んだ。僕は自分がユーカリの木であることを忘れ、「痛ァ!」と叫んでしまった。
僕に抱かれたコアラは、また次のお客さんに抱かれて写真を撮られるのである。
コアラのいる日本の動物園も、こんなふうに抱っこをさせて何百円かの料金をとる、ということにしたら、少しは餌代の赤字も解消されるでしょ。
ユーカリの木にしがみついてばかりせず、少しは働いて、自分の食費ぐらいは自分で稼ごうよコアラちゃん…みたいなね。
な~んて、思ったり。
右は「抱っこ指導」をしてくれた女性、左は写真撮影担当です。
うしろに見えるカンガルーたちは絵です。念のため。
離れる時、コアラに爪を立てられ、「いててて」。
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