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絶滅心配種タデスミレ

2014年07月05日 | 山野草
朝は大雨でしたが、午後からは久し振り、日の照る暑い日となりました。
6月の植物の整理を終え、印象度ナンバーワンをタデスミレとしました。
本種は、日本国内で1か所のみのピンスポット地域限定種だそうです。





6月上旬、植物観察の講座でタデスミレの自生地を訪ねました。
腰をかがめ目をこらし、あちこち探し回った先生が1個の花を見つけてくれました。
白く細い清楚な花弁で、唇弁には紫色の筋が入り、側弁の基部には白い毛があります。
ところが、残念なことに上弁がありませんでした。(各弁の位置は4枚目の画像です)
時期が遅かったのか、株が減ってしまったのか、この日はこの画像の花だけでした。
本種は、長野県の絶滅危惧IA類(近い将来、野生で絶滅の危険性が極く高い種)です。




細身のボディーにすらっと伸びた葉身、スタイル抜群の草姿です。
横から見ても、上から見てもまさにタデ、花がなければスミレとは思えません。
タデスミレの足下の丸い葉はフタバアオイ、三角の葉はオオヤマカタバミです。
隣には、チチブシロガネソウもあり、たくさんの山野草が育つ豊かな落葉樹林内です。




この株は花はつけていませんでしたが、600というラベルが株元にありました。
長野県ではタデスミレの保護回復を図るための事業を行っているとのことです。
平成19 年7 月に行われた植生調査で、855個体が確認されたと報告書にあります。
画像の株は、その際の600番目の株か、その株が残した子孫かもしれません。
今回は、数時間ほど探してみましたが、4株しか見つけることができませんでした。




周辺にはエゾノタチツボスミレが、白や淡い青紫色の花をたくさん咲かせていました。
本種は草姿の雰囲気がタデスミレに似ており、白花の株は見間違いそうです。
また、唇弁に入る紫色の筋、側弁の基部の白毛、托葉の形が櫛形などもそっくりです。
画像右上は花弁の呼び名で、スミレ科の花は左右対称の5個の花弁からできています。




タデスミレを見分けるのには、タデの仲間を思わせる葉が最大のポイントだそうです。
スミレ科の仲間の葉を描いてみると、多くは、葉の基部がハート形か、いかり肩状でした。
タデスミレの葉の基部は、なで肩状に細くなり、葉から連続的に柄につながります。
エゾノタチツボスミレは、葉の基部がハート形で葉と柄がはっきり分かれています。
自然保護に関われるよう願い、少しずつ気長に植物を知ろうと思っています。
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