信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

秋の実、種まき

2014年09月27日 | 山野草
山野草が次々と実をつけ、種まきの楽しみな季節になりました。




収穫の時期、農道脇の雑草はきれいに刈られ、はぜ掛けされた稲束が見えます。
画像の真ん中に突き出ている草は、今日のお目当ての「カリガネソウ」です。
ほとんど刈り取られてしまいましたが、つる草の下に1株が残っていました。




カリガネソウは画像右の花で、非常に興味深い技を持っています。
技については8月2日のブログに紹介しています。
種は楕円状で幅が1.5mm、長さが3mm程で、表面が黒くごつごつしています。




この株は、大きな庭を持つ山野草栽培の達人自慢の「シロバナシラネアオイ」です。
1本の花茎が出ていた株を1500円で購入し、ここまで育て上げたそうです。
種で増やしてみたいとのご希望で、実生山野草部会にとっては願ったりかなったりです。
採種適期を逃して種が飛んでしまわないよう、各果実に網をかぶせました。




シラネアオイはキンポウケ科の多年草で、1つの花には雌しべが2本あります。
果実も2個つき、1個には20個以上の種子が入っている実もあります。
種子には広い翼があり径が1cm以上の大きさで、ユリの種子に似ています。




我が家のスズランも稔り、黄色い果実を1~3個ほどつけました。
ユキザサも赤く輝く実を5個ほどつけました。
ともに液果(漿果:しょうか)で、果肉内には発芽阻害物質が含まれています。
野鳥や獣が食べる実は、消化管で果肉は取り去られ、糞と共に種が出ます。




そこで、液果の種子を播く前に果肉をきれいに洗い取ります。
1つの果実の種子数は、スズランが10個ほどでユキザサは2個です。
両方とも大きな種子で、ユキザサは4mm程の白色の丸い種子です。




液果は乾燥させると発芽しにくくなるので、実を採ったら直ちに播きます。
採取した種を貯蔵しないですぐに播くことを『取り播き』といっています。
当地の冬は寒く種子が凍み上がるので、大きな種子には十分な土をかぶせます。




秋になり、種を播いた鉢がどんどんと増えてきました。
画像左下の鉢のように、年内に芽を出す種類もあります。
秋から雪が降るまでの間の管理には気を遣いますが、楽しみでもあります。


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スポーツと舌鼓の秋

2014年09月20日 | 
昨日の朝の気温は8度、身震いのする季節になりました。
体を動かすには最適、秋の味覚も充実、今日も楽しい1日でした。





今日は、第2回の「ぴんころウォークin佐久平」の1日目です。
開設まもないピカピカのすばらしい陸上競技場、アスリートの気分でスタートします。
21kmコースと12kmコースに臨む約200人の勇士です。




道路に出てまもなくすると秋桜街道に入ります。
気分はますます高まり、ポールの動きも足も口も快調です。



健康長寿の里佐久平のぴんころ地蔵です。
熟年者の願いは、健康で長生きし(ぴんぴん)楽に大往生(ころ)でしょう。
しっかりお参りし、無事に完歩しました。




午後からは、東御市の秋の恒例行事、巨峰の王国祭りに行ってきました。
今年は2月の大雪、春の9回の降雹でぶどう生産者は大変な被害を受けました。
ようやくこぎつけたぶどう祭り、美味しいぶどうに仕上がり生産者の感激はひとしおです。




とはいえ、味は抜群になったのですが、収穫した房は大半が雹害で粒もまばらです。
手間をかけて粒を切り離し、パック詰め合わせ『ぶどうの宝石箱』で勝負です。
黒は、巨峰にナガノパープル、共に糖度は20度以上でこくのある甘さはぶどうの王様です。
赤は、濃厚な味わいのゴルビー、ルビーの輝きを放つ歯ごたえの良いサニールージュです。
黄は、シャインマスカットに黄玉、上品な香りと甘みは食べ始めたら止まりません。




雹害をやや免れた房もわずかに収穫できました。
贈答用にはなりませんが、家庭用としては十分に使える品質と見映えです。
黒皮・赤皮・黄皮種を丁寧に選別して、詰め合わせの荷造りです。
届いたぶどうの箱を開いた瞬間の喜ぶ顔を想って、送るぶどうを吟味するとのことです。




山のきのこは豊作です。
天然きのこをコースで食べさせてくれるのは、菱野温泉入り口の「きのこの森」です。
炭火焼きの天然茸は、サケツバタケ、ヤナギマツタケにヒラタケです。




キノコキングのマツタケも今年は豊作、価格は例年の3割ほど安いとのことです。
「道の駅あおき」の地元産まつたけコーナーもたくさんのマツタケでにぎやかです。
年に1回、贅沢なマツタケづくしの夕食をいただきました。




熟し始めたヤマボウシの実を見上げると、不思議な世界に入り込むんだ感覚になります。
赤く色づいた実をちぎり口に含むと、なんともなつかしい暖かみのある甘さが広がります。

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レンゲツツジを守る

2014年09月13日 | 山野草
久し振りに高い空となり、秋を実感できました。




恒例の湯の丸レンゲツツジ群落の保護活動の日です。
春の第1回は雨で中止になりましたが、今日は絶好の活動日となりました。
高校生から熟年者まで老若男女30人ほどが集まっているようです。




この画像は数年前の6月、レンゲツツジ祭りの開花風景です。
多くの人々を魅了する、この見事な景観を守っていくのは容易なことではありません。




明治37年に現東御市の牧野組合が湯の丸牧場を開設したそうです。
牧場には300頭もの牛などの家畜が放牧されていたとのことです。
画像のように、牛は猛烈な勢いで草に食いつき、重い体で草を踏みつけます。
レンゲツツジは毒を持つことから食べ残され、高原一帯に大群落を形成しました。
昭和31年、当地の文化的・学術的価値が認められ国の天然記念物に指定されました。
近年は畜産業の衰退もあり、放牧数は減少し、今年の放牧頭数は14頭とのことです。




そこで現在、牛に変わって有志がボランティア隊を結成しツツジの下草刈りです。




高校生も先生も安全ヘルメットをかぶって大活躍です。
牛に負けない勢いでハサミを上手に使ってササを刈り取っていきます。




下草刈り作業では、高山植物との出会いも楽しみのひとつです
ウメバチソウやエゾリンドウ、アキノキリンソウが白・紫・黄色の花を開き始めました。
今日この辺りでは始めてイワインチンを見ました。
烏帽子山頂のイワインチンよりは葉の緑が鮮やかで、花の黄色が一層映えます。




1日の保護活動が終わり、湯の丸スキー場を下ってくると14頭の牛に出会いました。
今日はこの辺りでの食事、200haを越す牧場全ての草は食べ尽くせません。
牛には、湯の丸を訪れる人々を和ましてもらい、ツツジの保護は人間がやりましょう。
次回の活動日は10月11日土曜日です。



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野山に秋の始め

2014年09月06日 | 山野草
今日は暑い1日となりましたが、野山も畑も秋の装いが始まりました。




高山の夏の最後を飾る花のひとつ「トウヤクリンドウ」です。
淡い黄色の花弁の先が褐色に変わり始め、夏の終わりを告げているかのようです。




里山には秋の花が咲き始め、「キバナアキギリ(黄花秋桐)」が淡黄色の花を見せました。
山地の木陰に生える多年草、 8月下旬から花を開き10月まで楽しませてくれます。
画像右上は花の拡大、花色は黄色ですが花の形はサルビアの花に非常に似ています。
学名は「サルビア・ニッポニカ」と名付けられており、まさに日本のサルビアです。




清流を望む黄色い花は、秋草の代表のひとつ「アキノキリンソウ(秋の麒麟草)」です。
陽当たりの良い草原を好むアキノキリンソウですが、珍しく林内で明かりを灯しています。
高山ではトウヤクリンドウに替わり、「ミヤマアキノキリンソウ」が咲き出しています。




畑や沿道の雑草も秋草に変わってきました。
背が高くひときわ目立つ「アキノノゲシ(秋の野芥子)」と「ホソバアキノノゲシ」です。
レタスの仲間(アキノノゲシ属)で、葉や茎を切ると白い液が出ます。




今年は、例年よりキノコの出が早いとの話がテレビや新聞で報じられています。
お馴染みのキノコ「ハナイグチ」もニョキニョキと出始めました。
毒キノコとの見分けが容易で、美味しくて、たくさん出るありがたいキノコです。
北海道ではラクヨウ、群馬ではチョロと呼び、今は信州でリコボウと呼んでいます。




標高2350mの高地に生えた「ベニテングダケ」です。
横にはハクサンシャクナゲの幼木、奥はオオシラビソやコメツガの林です。
ベニテングはどこに生えても存在感抜群のキノコです。




右上の「タマゴタケ」はテングタケ科のキノコで、一見猛毒そうですが美味な食菌です。
野菜との炒め物では、こっくりとしたうま味のあるだしが絡み癖になります。
左下は「ハナビラタケ」で直径30cm以上の大物、1/3程いただいた残りを撮りました。
味はないのですが、ほのかな香りと歯ごたえは抜群です。



畑にも秋の気配、赤ワイン用ブドウの「メルロー」も色付き始めました。
楽しみな待ちに待った収穫の秋の訪れです。

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夏の思いでづくり

2014年09月01日 | 
8月最後の日曜日は、肌寒いような1日でした。
おもちゃ王国でじゃがいも収穫体験コーナーを設けました。
今年の夏の楽しい想い出になったかな。





元気いっぱいの子供達、いもほりクワでじゃがいも収穫に挑戦です。
上手に掘ることができるのか、順番待ちの子供達はやや不安げに様子見です。
すぐに慣れ、どろんこ遊びも始まるにぎやかな収穫になりました。
我が子の思いでをカメラに残すお父さん、今日はプロのカメラマンも参加です。




品種は「インカルージュ」という小ぶりな赤いじゃがいもです。
拾い終わった泥まみれのいもを小川で洗うと、いもは宝石のように輝きました。
子供達は大喜び、小さいいもを探してもらうと、押すな押すなで見せてくれました。




大きな鍋をいろりの自在鉤(じざいかぎ)に吊し煮上げます。
一口サイズのじゃがいもをほおばり、心も体もホッカホカで笑顔がこぼれます。
お母さんもお父さんも、「栗みたい」「体があたたまる」子供達に負けず大賑わい。
高原のおいしいじゃがいもで、家族揃っての夏の思いでづくりになったでしょうか。




画像の左下に朱色の「フシグロセンノウ」が一輪の花を開いています。
今年の春、種から育てた幾種類もの山野草を植えたうちの一株です。
今日から9月、夏のにぎわいを見てきた山野草達も寂しくなります。

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