信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

熊を語る集い

2016年11月26日 | 動物

先日、上田市菅平で『みんなで考えよう 真田のクマを語る集い』が開かれました。
見て、聞いて、触れて、食べて、遊んで、クマずくめの1日でした。


長野大学の高橋先生から、熊と人との関わりについて興味あるお話が聞けました。
先生いわく、「クマをただの害獣とは言わせない!」とのこと。


熊棚は森の破壊かと思っていましたが、森の若返り役立つとは、恐れ入りました。


長野県と上田市の鳥獣害担当の方のスライドをデジカメで撮らせて頂いた画像などです。
人に危害を加えたり、農作物を荒らすクマを捕獲するため、箱罠が設置されます。
箱罠に仕込んだ餌につられ、害を及ぼしていないクマがかかる可能性もあります。
捕獲されたクマは、専門家が性格などを調べ、殺処分か教育放獣かを決めるそうです。
教育放獣の場合、身体検査、サンプル採取、個体識別などの処置が行われるとか。


猟の達人、真田猟友会の会長さんが大切にしている宝物に触らせていただきました。


ジビエ料理は、猟師さんの腕と料理人の腕の双方にかかっているとのことです。
今日のジビエ料理はクマ汁、とても美味しくて3回もおかわりをしました。


人とクマが共存していくための訓練を受けたベアドッグ(クマ対策犬)のタマちゃんです。
クマにはきびしく、人にはやさしいタマは2歳の女の子、子供達も寄り添います。


強い絆で結ばれるタマとハンドラー(飼育士兼訓練士)の田中さん、呼吸はぴったりです。


ベアドックのタマ、長野県のゆるキャラ「アルクマ」にも厳しくほえたてるのか、さて?
『心配ご無用』、でした。

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『パール浅間』日和

2016年11月19日 | 自然

小諸高原美術館から見る浅間山周辺の山並み、左から黒斑山、浅間山、剣ケ峰です。
11月13日(日)は、年に1~2回ほどしか見られないという、『パール浅間』の日です。
それは、浅間山の頂きに丸い月がかかり、パールのように淡く輝く神秘的な現象とか。
しかも今年は、夕焼けも同時に見られるという稀なチャンス、逃すと6年後とのこと。
さらに、63年ぶりといわれる『スーパームーン』の前日、そしてこの青空です。


14時過ぎに車坂峠を出発し、15時半頃に槍ヶ鞘(やりがさや)に到着です。
ここからの浅間山の眺めも良いのですが、すでに日影になり夕日が見られません。
画像左側の岩場、トーミの頭(とーみのかしら:標高2320m)まで登ることにしました。


トーミの頭は人が鈴なり状態、そこで、草すべり分岐点をお月見場所としました。
夕日はオオシラビソの樹林の隙間からしか見えませんが、絶好のスポットです。


16時20分過ぎ、黒斑山から見え始めたのであとわずか、との声が聞こえます。
浅間山の勇姿をカメラのファインダーにとらえ、山の頂に集中します。


16時26分、浅間山からパールの出現です。


16時29分、これが『パール浅間』です。


夕日の当たるトーミの頭に立つ人々も自然と一帯となり、神秘さを演出しています。


槍ヶ鞘とトーミの頭の鞍部まで下り見上げた浅間山、パールは大空にあがりました。
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レンゲツツジ花芽調べ

2016年11月12日 | 自然

11月10日、湯ノ丸高原ツツジ平でレンゲツツジの花芽の調査が行われました。
一帯のレンゲツツジは国指定の天然記念物、272ヘクタールに60万本という大群落です。
この群落を作り出したのは放牧牛、草を食べ毒のあるレンゲツツジを残したのです。
近年、牛の放牧頭数がめっきり減り、樹木やササが大きくなってツツジは衰退気味。
そこで、レンゲツツジを守るため、木を切りササを刈った場合の効果を調べています。
前日は雪が舞い、当日は寒い朝でしたが、10数名の調査ボランティアが集まりました。


ここは無処理区、かっての草原はカラマツなどの樹木やササに覆われています。
レンゲツツジの調査株には、緑色の農業用支柱が立てられています。


枝枯れをおこし、所々についている芽は弱々しく、花芽はほとんどありません。
レンゲツツジはお天道様の陽射しが大好きな植物、陽の射さない場所は苦手です。


樹木を伐採した区、数本ほど残されたカラマツを見ると、伐採前の状況が想像できます。
花芽数の調査中、400個以上の花芽をつけている株もあり、来年の花時が楽しみです。


陽の光を十分に受けている株はいきいきとしており、大きな花芽をたくさんつけています。
後方の湯ノ丸山は、うっすら雪化粧、雪は冬の寒さから植物たちを守ってくれます。


こちらはササの影響を調べる区、画像奥が無処理区で、手前がササを刈った区です。
大きな木もササもないレンゲツツジの株には花芽がいっぱい、効果は抜群のようです。
自然保護とは? 難問ですが、人手が入らなければレンゲツツジは衰退するでしょう。

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在来じゃがいもin東京

2016年11月05日 | 

在来じゃがいもが、日本各地の山村から秋葉原ヨドバシカメラ北隣ビルにやってきました。
在来じゃがいも?? 江戸の頃から栽培されていたという、謎の多いじゃがいもです。
招待主は、食や野菜分野の専門家チーム『伝統野菜プロジェクト』の皆様です。
四方八方に手を尽くされ、16種の在来じゃがいもを大都会東京にお招きしたとのこと。
スタッフの皆さんが会場の準備中、塊茎(イモ)の展示は分かり易く工夫がいっぱいです。
おや、イモの切断面には透明ラップフィルムが、さすが食の専門家、グッドアイデアです。


今回展示されている品種と、奥深い山村で次の出番を待っている品種の一覧です。
30種ほどの品種は遺伝子解析の結果、同じ遺伝子型を持つグループ六つに収れん。
各グループの品種は、イモや花の特性も同様で、展示の際の区分けになっていました。


イモの皮の色は白色(淡褐色)と黄色、赤色、紫色、肉の色は白色と黄色です。
②と③のイモはほぼ同じ色ですが、画像は③で、②の肉色は淡黄色気味です。


花弁の色は、赤紫系から青紫系と白色で、中に黄色い雄しべが目立つ、美しい花です。
マリー・アントワネットが夜会で身につけ、評判になった清楚な花がじゃがいもです。
凶作対策にじゃがいもを広めるため、国王ルイ16世が考えた作戦だったとか。


在来じゃがいもの栽培地のひとつ、南信州の下栗の里です。
「日本のチロル」と呼ばれる独特の雰囲気を持つ農山村、畑はすさまじい急傾斜です。


多くの栽培地の畑は、急傾斜で小石混じり、水はけは良好ですが管理作業は大変です。
険しい環境の中、在来じゃがいもを慈しむ山村の人々によって作り継がれてきたのです。


在来じゃがいもは1年でも栽培を休むと種いもを失います。
先祖が必死の思いで残してくれた種いもと伝統の食文化が栽培地の貴重な財産です。
山村でいただく、小さい茹でいもと自家製味噌の組み合わせは絶妙な味わいです。
お客様へのおもてなしや行事の際は竹串に刺したいも田楽とのこと、思いが伝わります。


さて、秋葉原のフェスタ会場では、16種の食べくらべが始まっております。
番号順にイモを並べ、香りや味など感じたことを記入、難しくもあり、また、楽しくもあり。
たとえば、「ほのかなえぐみをのど奥に感じるものの、悠久の味わい」(意味不明かな)。


大変に幸せそうな笑顔です。
険しい地で100年以上も作られてきた謎のイモ、都会の方にも喜んでいただけたようです。


スタッフの皆さんの手によって、4品の在来じゃがいも新作料理ができあがりました。
1)「井川おらんど(赤皮)」:在来赤皮イモの食感を生かした、せん切りシャッキリ炒め
2)「清内路黄芋」:保存じゃがいもチューニョなどと、ペルー料理『カラブルカ』風に
3)「紫いも(大滝)」:淡黄肉のイモを寒天で包みデザート風に・・栗のような味わい・・
4)「下栗二度芋」:いも餅といも田楽のコラボでいも団子、田楽味噌はくるみ入り
現代風の中に伝統の食文化と在来じゃがいもの特徴が生かされ、すばらしい作品でした。


フェスタに参加された皆さんは、食や農作物に関しての専門家が多数とのこと。
その皆さんが、即売用に並んだ在来じゃがいもの袋を次々と手にされています。

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