庭にも霜が降り寒くなってきましたが、秋の実りを探して野山を歩いてきました。
ニシキギ科のツルウメモドキ、日当たりの良い場所が大好きです。
黄色い果実と橙色の仮種子に包まれた種子がまぶしいほど鮮やかです。
セリ科のシラネセンキュウ、渓流沿いにたくさんの種子をつけました。
多年草ですが結実すると枯れてしまう一回繁殖型で、この株の有終の美です。
スグリ科のザリコミ、赤く熟れた果実は見た目が大変に美味しそうですが。
似たヤブサンザシの橙色に熟す果実と同様、甘味は少しで渋味と苦味が付きます。
キンポウゲ科のツクバトリカブト、花柄の下向きの屈毛が仲間との見分けです。
果実は袋果で上側から裂けて黒色の鱗状の種子をたくさん散らします。
レンプクソウ科のミヤマガマズミ、木漏れ日を受けてルビー色の実が輝きます。
葉の表面には毛がほとんど無く、同属のガマズミなどとの見分けのポイントです。
コウヤワラビ科のクサソテツ、若芽は山菜でコゴミの名で親しまれています。
栄養葉の中心に1本の胞子葉を夏の終わりに出し、今が胞子の熟す時期です。
バラ科のズミ、熟した果実は小鳥の大好物、甘酸っぱくて美味しい実です。
葉が3裂すれば間違いなくズミで、似たエゾノコリンゴの葉は分裂しません。
キク科のヤマハハコ、花の中心には筒状花、白い花弁に見えるのは総苞片です。
花は枯れても美を残し、この清楚な花との出会いは秋の山歩きの楽しみです。
ツツジ科のクロマメノキ、深山の秋の実り№1で獣たちの貴重な栄養源です。
見た目や美味しさはブルーベリー似ですが、近年、人は食禁で獣専用食です。
獣はフルーツをごちそうになり、全ての種子は糞と供に野山に返してくれます。
イネ科のススキ、風になびき陽光にまたたくススキの穂は秋の風情の演出家です。
小穂の基部につく淡褐色の毛と先端につく長い芒で、似たオギと見分けられます。
秋晴れの1日、この日の山歩きは20種類以上の秋の実りに出会えました。