信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

秋の実り探して山歩き

2022年10月29日 | 山野草

庭にも霜が降り寒くなってきましたが、秋の実りを探して野山を歩いてきました。
ニシキギ科のツルウメモドキ、日当たりの良い場所が大好きです。
黄色い果実と橙色の仮種子に包まれた種子がまぶしいほど鮮やかです。


セリ科のシラネセンキュウ、渓流沿いにたくさんの種子をつけました。
多年草ですが結実すると枯れてしまう一回繁殖型で、この株の有終の美です。


スグリ科のザリコミ、赤く熟れた果実は見た目が大変に美味しそうですが。
似たヤブサンザシの橙色に熟す果実と同様、甘味は少しで渋味と苦味が付きます。


キンポウゲ科のツクバトリカブト、花柄の下向きの屈毛が仲間との見分けです。
果実は袋果で上側から裂けて黒色の鱗状の種子をたくさん散らします。


レンプクソウ科のミヤマガマズミ、木漏れ日を受けてルビー色の実が輝きます。
葉の表面には毛がほとんど無く、同属のガマズミなどとの見分けのポイントです。


コウヤワラビ科のクサソテツ、若芽は山菜でコゴミの名で親しまれています。
栄養葉の中心に1本の胞子葉を夏の終わりに出し、今が胞子の熟す時期です。


バラ科のズミ、熟した果実は小鳥の大好物、甘酸っぱくて美味しい実です。
葉が3裂すれば間違いなくズミで、似たエゾノコリンゴの葉は分裂しません。


キク科のヤマハハコ、花の中心には筒状花、白い花弁に見えるのは総苞片です。
花は枯れても美を残し、この清楚な花との出会いは秋の山歩きの楽しみです。


ツツジ科のクロマメノキ、深山の秋の実り№1で獣たちの貴重な栄養源です。
見た目や美味しさはブルーベリー似ですが、近年、人は食禁で獣専用食です。
獣はフルーツをごちそうになり、全ての種子は糞と供に野山に返してくれます。


イネ科のススキ、風になびき陽光にまたたくススキの穂は秋の風情の演出家です。
小穂の基部につく淡褐色の毛と先端につく長い芒で、似たオギと見分けられます。
秋晴れの1日、この日の山歩きは20種類以上の秋の実りに出会えました。
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日本晴れの高原めぐり

2022年10月22日 | 自然

この日に向かう三方ヶ峰方面は、雲一つない、まさに日本晴れです。


横堰(よこせぎ)地区から見た、左側↑印上の富士山と八ケ岳連峰です。


山はかなり寒くなり、午後2時になっても気温は8℃です。


東篭ノ登山に登ると、傾いていた一等三角点の石柱を直していました。


1時間ほどかかって正位置に設置、日本晴れの心持で大喜びしています。


東篭ノ登山の360℃眺望は大人気、この日も大勢の登山者でにぎやかです。


午後からは、小学6年生と三方ヶ峰方面をまわります。
この場所、左側のカラマツ林方向が富士山、右の↑印上に北岳が見えます。


8名の班と少人数なので話がよくとおり、子供たちの反応も伝わりがいいです。


道脇の植物で子孫繁栄のため種子を拡げる植物の工夫を観察してもらいました。
マルバダケブキ、種子に綿毛をつけて風の力で遠くに運んでもらいます。
「タンポポと同じだね」と子供たち、すごい! そうです同じキク科の仲間です。
ゴヨウマツ、翼があって風でも運ばれますが、ホシガラスが頼りです。
この鳥は食糧貯蔵のため種子をあちらこちらに貯めますが、食べ忘れがあります。
食べ忘れの種子から芽を出して増えるとは、恐るべしゴヨウマツの戦略です。
登山道に落ちていた獣の糞にオオバスノキなどの種子が混じっていました。
甘い果肉を獣や鳥にごちそうし種子をまき散らしてもらう、これも戦略です。


案内は楽しく終わり、横堰地区の二十二番観音で山を振り返りました。
午後の4時半ですが雲一つない日本晴れは続いています。
子供たちの今晩の予定は星空観察とか、感動の体験をされたことでしょう。
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種子からカラスノゴマ

2022年10月15日 | 実生

庭で育てた山野草のカラスノゴマがたくさんの花を咲かせました。


春に種子をまき、苗を育てて庭に植えた株です。
陽当たりがいいせいか、たくさんの枝を分け大きな株になりました。


カラスノゴマとは妙な名前ですが、一説にはカラスが食べるゴマに似るとか。
種子は茶褐色の2.5mmほどの長さで、表面の横じわ(隆起線)が目立ちます。


また一説には、果実(蒴果)の形が角状の円筒形で、ゴマの果実に似るからとか。
いずれにしてもユニークな名前で印象深く覚えやすい植物です。


黄色い5花弁の花をつけ、花の中心から長い5個の仮雄しべが突き出ます。
大変に特徴的な花で、他の植物の花との違いが一目見て分かります。


葉もかなり特徴的で、葉の表も裏も星状毛がいっぱいです。
また茎など全身が星状毛に包まれ、花のない時期の見分けのポイントです。


春の同時期に育苗した、カラスノゴマと野菜用のモロヘイヤです。
この二つは同じアオイ科の植物で、苗のうちはよく似ています。


秋になるとともに黄色の花を咲かせ、角状で円筒形の果実をつけます。


遠目には似た花や果実ですが、モロヘイヤには仮雄しべがありません。
カラスノゴマの果実は毛むくじゃらで弓状に曲がり、萼が反り返っています。
モロヘイヤは果実にたての溝があり直で、萼は落ちてありません。


10月中旬、カラスノゴマの果実が熟し割れ始めました。
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園児目線が山道で発揮

2022年10月08日 | 自然

秋晴れのこの日、保育園の年長さん5名と東篭ノ登山に登りました。


少ない人数なので、“みちくさ”OK、自由な行動が可能です。
5名の園児はいずれも山の自然に興味津々、早速なにかを見つけました。
すぐに仲間が集まって覗き込み、なにやら話し込んでいます。


道に落ちている小枝を拾い、何かを釣り上げようと集中しています。
釣り上げて手に取ると仲間が集まり、何者なのかを思案しています。


園児たちの興味は道脇の植物にも向きます。
小さな赤い実が目に留まったようです。
よく見つけたねマイヅルソウの実だよ、と教えると、皆で競って探します。


登山道に出ている樹とのふれあい、幹の中を流れる水の音、聞こえるかなー。
切株を見つけると早速よじ登ってちょこんと腰かけました。さすが自然児‼


休憩し水分補給、何かを見つけたようで「アレ!」の声。
松ぼっくりを拾い、いつも見ているものよりかなりの大物で、やったー顔です。
道に落ちた葉を拾い、皆で声をあせ1,2,3,4,5・・ゴヨウマツです。


またまた見つけた昆虫、名を聞かれて、愛称のアシナガグモと教えました。
後で反省、ザトウムシの仲間でクモの仲間とは違うと正確に伝えなくては・・


登山道の石の下の隙間にキノコを見つけ、大騒ぎです。
よく見つけたものだと感心していると、さらに「ハナイグチ」の声が。
びっくり、怪獣や電車博士はよく聞きますが、キノコ博士もいました。
確認すると間違いなくハナイグチ、良くぞ見つけ、良くぞ名を言い当てました。


なぜ園児たちがこんなに登山道でいろいろと発見するのでしょうか。
急傾斜で石ごろの道、大人とはかなり目線が違います。
また、子供たちはもともと自然が大好き、この園はそこを伸ばしているようです。
人数が多いと、列を乱さず歩くことに集中で、行動が制限されてしまいます。


標高2228mの東篭ノ登山山頂に全員元気に到着しました。
おやつを食べる顔がなんとなく輝いているように見えます。
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ムラサキセンブリ見頃

2022年10月01日 | 自然

草原の芝生でムラサキセンブリの花が見頃です。


同じくリンドウ科センブリ属のセンブリも花の盛りです。


珍しく、センブリ(手前)とムラサキセンブリが同じ場所に生えていました。
草丈がかなり違いますし、茎の色や花の色も違います。


スマホで背比べ、ムラサキセンブリは40cmほどで、センブリは10cmほどでした。


ムラサキセンブリは茎が太く暗紫色で、葉の幅はセンブリより広めです。
センブリの茎は緑色でやや紫色を帯びていました。


ムラサキセンブリの花弁の色は淡紫色で濃紫色の脈が目立ちます。
また、雄しべや雌しべも紫色です。


センブリの花弁の色は白色で淡紫色の脈がうっすらと見えます。
昆虫が頭を差し込んでいる辺りの黄色い部分が蜜腺で、各花弁の基に2個あります。


花が咲いているとムラサキセンブリとセンブリの見分けは容易です。
ムラサキセンブリは花の中心から伸びる毛が多くて蜜腺が見えません。
センブリは黄色い蜜腺がはっきり見え、蜜腺の周辺から毛が僅かに生えています。


ムラサキセンブリにも蜜腺があることをアリが教えてくれました。


紫花のムラサキセンブリも白花のセンブリも秋の最後を飾る美しい花です。

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