信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

種子からカラスノゴマ

2022年10月15日 | 実生

庭で育てた山野草のカラスノゴマがたくさんの花を咲かせました。


春に種子をまき、苗を育てて庭に植えた株です。
陽当たりがいいせいか、たくさんの枝を分け大きな株になりました。


カラスノゴマとは妙な名前ですが、一説にはカラスが食べるゴマに似るとか。
種子は茶褐色の2.5mmほどの長さで、表面の横じわ(隆起線)が目立ちます。


また一説には、果実(蒴果)の形が角状の円筒形で、ゴマの果実に似るからとか。
いずれにしてもユニークな名前で印象深く覚えやすい植物です。


黄色い5花弁の花をつけ、花の中心から長い5個の仮雄しべが突き出ます。
大変に特徴的な花で、他の植物の花との違いが一目見て分かります。


葉もかなり特徴的で、葉の表も裏も星状毛がいっぱいです。
また茎など全身が星状毛に包まれ、花のない時期の見分けのポイントです。


春の同時期に育苗した、カラスノゴマと野菜用のモロヘイヤです。
この二つは同じアオイ科の植物で、苗のうちはよく似ています。


秋になるとともに黄色の花を咲かせ、角状で円筒形の果実をつけます。


遠目には似た花や果実ですが、モロヘイヤには仮雄しべがありません。
カラスノゴマの果実は毛むくじゃらで弓状に曲がり、萼が反り返っています。
モロヘイヤは果実にたての溝があり直で、萼は落ちてありません。


10月中旬、カラスノゴマの果実が熟し割れ始めました。
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種から育てたユウスゲ

2020年07月18日 | 実生

軽井沢町植物園でいただいた種子から育てたユウスゲ、初めての花です。
ユウスゲはススキノキ科ワスレグサ属、清楚なレモン色の花を咲かせました。


種子をまいてから50日ほど、順調に伸びましたので移植しました。


庭に植えた2株、すくすくと育ち2年目で花茎を1本伸ばしました。


さっそくキスゲフクレアブラムシがやってきましたので、丁寧につぶしました。
こアブラムシの特徴は、躰全体を覆うロウ質白粉と角状管の形です。


その日に開く蕾の見分けは、先がわずかに割れて中に淡黄色が見える蕾のようです。


その日に開く蕾の見方が分かったので、開花の追跡調査をしてみました。
夕方4時過ぎに開花のきざしが見え、日暮れ頃に開花しました。
花が夕方に開き 、葉がスゲに似ていることからユウスゲの名があるそうです。


早朝4時の花ですが、この日は曇天でまだ暗がりでした。


花弁にしっかりと花粉を付けていますが、受粉を介する昆虫はスズメガだとか。


開花翌日の花の見頃は午前中まで、昼には花弁が透けてきました。


少しずつ花を咲かせていますので、1カ月ほど楽しめそうです。
7月1日の1番花は果実が大きくなり、稔りが期待できます。

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実生シラネアオイ開花

2017年04月29日 | 実生

平成26年9月に白花のシラネアオイを栽培されている方から種子をいただき播きました。
翌年、24粒の種子が入っていた一莢からは15粒が発芽しました(発芽率:63%)。


28年の4月に植え替えのため株を抜いてみると、りっぱな根に育っていました。


29年4月、種を播いてから足かけ4年で感激の開花、紫花と白花が咲きました。
 

当ブログ2015-05-25の「実生山野草15-1」に掲載した画像です。
紫花になるか白花になるか、幼植物の軸の色で見分けられるのかを調べるつもりでした。
「紫軸」、「青軸」と印を付けておいたのですが、残念ながら手違いで混ぜてしまいました。


開花した株の茎の色を見ると、紫花の茎の基にはわずかながら紫色が入っています。
幼植物の軸色との関連が明快になれば良かったのですが。


35株中、開花した株は23株で、紫花が10株、白花が13株でした。
未開花12株のうち、茎の基に紫色が入った株は7株でした。
白花株の種子を播いて、白花の株が得られる確立は約5割というところでした。
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実生山野草15-1

2015年05月25日 | 実生

今年2回目の実生山野草部会は、発芽後間もない株の移植をしてみました。
シラネアオイの種子を昨年10月12日に播いた鉢ですが、混み始めたので移植します。
白花の株から採種したものですが、幼軸が紫色の実生と緑色の実生があります。
もしかしたら、紫色の株は紫色の花、緑色の株は白色の花が咲くかもしれません。


数時間前にたっぷりと水を与えておいた鉢から、やさしく用土ごと実生株を出します。
3株が緑軸で4株が紫軸、左の株から番号をつけ、花が咲くのを楽しみに育てます。


湿らせた用土で、静かに丁寧に根を痛めないようにを鉢内に埋め込みます。
移植後の水やりは、じょうろで鉢底の穴から水が流れ出るまでたっぷりかけます。


今回の部会のもう一つのテーマは、間引きについてでした。
大切に育ててやっと出た芽、可愛くてもったいなくて、混んできても間引けません。
ですが、そのままにしておくと、ぎゅうぎゅう詰めで、丈夫な株に育ちません。
画像左は間引き前、右は5月11日に間引いて13日目、しっかりした株に育ちました。


実生山野草の栽培には失敗がたくさんあります。
画像左は、移植用土に肥料を2回入れてしまって、肥料やけを起こした株です。
右は虫害、うっかり見過ごすとナメクジや毛虫に大切な葉を食べられてしまいます。
毛虫の頭には八の字、風に乗ってやってきたマイマイガ、油断も隙もありません。


早春に咲く植物のうちオキナグサなどは、種子を稔らせる時期になりました。
4月30日に花を開き始めたアズマギク、5月24日に2つの花から種を取りました。


種を播いて育てると、変わった個体の出現を見ることがあります。
画像の花はアヤメで、2012年に種をまき、昨年数輪の花を咲かせました。
今年はたくさんの花を咲かせてくれましたが、なんと、白花が混ざっています。



動物では白変して生まれたアルビノ個体は、障害を持つ場合が多いようです。
このアヤメも花弁が異常で、内花被片も外花被片も細く内側に巻いています。
アヤメの特徴である外花被片基部の網目の模様は少ないもののあるようです。
花柱と雄しべはしっかりしているので種子はできそう、大切に育ててみます。
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実生山野草開幕

2014年03月30日 | 実生
昨日は汗ばむほど気温が上がりました。
今年の実生山野草もいよいよ開幕です。
3月最後の日曜日は小雨の落ち着いた早春の朝を迎えました。





10日ほど前の19日、実生山野草置き場は、まだ雪で埋もれていました。




26日には暖かい雨が降り、残った雪は全てが大地に浸みこみました。
27日の朝、鉢の上を覆った稲ワラと不織布を取り除き、昨秋以来の対面でドキドキです。
昨年の春の対面時には、10鉢ほどの素焼き鉢が割れており、かなりのショックでした。
今年は外見無事そう、一通りの確認をした後に再び不織布で覆い、しばらく馴らします。




山野草は様々な状態で厳寒の冬に絶え、春をじっと待ちます。
マツムシソウはロゼット葉で越冬します。
7鉢の実生株を保存しましたが、ロゼット葉の切れ込みが微妙に異なります。
特に、画像上側の中央の個体は他の株とかなり葉の切れ込み程度が異なります。




実生2年目のゴゼンタチバナです。
紫色の色素で染めた葉を付けたまま越冬しました。




実生2年目のリンネソウは秋のままの姿でお目見えです。
右上は昨年の秋に発芽した株で、小さな本葉がみえています。




実生3年目のギョウジャニンニクが雪の下で芽を出していました。
この春は植え替えてやらなければなりません。
あと4,5年すれば食べられるようになることでしょう。




上はカタクリの種からの発芽で、下がその種の親株の発芽です。
覆いを除くのが遅かったため、軸が長くひょろひょろの芽生となってしまいました。
当地でのカタクリは、3月上中旬に日に当てるような管理が必要なようです。




ヤナギランも芽を出していました。
27日には画像右下のように白色の芽だったのですが、数日で見事な紅に染まりました。




元気な発芽を見た瞬間、自然から生の活力をいただきます。
ヤマシャクヤクは実生3年目、ハクサンイチゲが実生2年目です。




土曜日は暖かい陽射しに誘われて、今年初お目見えのチョウも姿を現しました。
左上のチョウはヒオドシチョウに似ているのですが、成虫で越冬できたのでしょうか。
満開のフキノトウには、ハナバチやハナアブが花粉にまみれて仕事中です。
フクジュソウの花の暖かみを楽しんでいるのはハエの仲間でしょうか。



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