信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

畔の枯草に咲く霜の華

2020年02月29日 | 山野草

寒い朝の畦道は、枯れ草に霜の華が咲きます。
センダングサ


ススキ


ヒメムカシヨモギ


ガマ


エノコログサ


イネ科


ウド


ナズナ


セイヨウタンポポ


陽が登ると霜の華は水玉へと姿を変えます。
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シソ科オドリコソウ属

2020年02月22日 | 山野草

オドリコソウ属のオドリコソウ、花は笠を被った踊り子連そのものです。
これまでに見た近隣のシソ科についての整理がようやく今回で終わりになります。
道路脇の陽だまりでは、オドリコソウ属の仲間が花を咲かせる季節になりました。


近隣で見られるオドリコソウ属の見分け方のポイントです。
ハナトラノオは庭植えの花ですが、逸出した株が野の茂みなどでも見られます。


オドリコソウはたくさんの大きな花を輪生に咲かせ、出会いが楽しみな花です。


渓谷で出会ったオドリコソウ、“浄蓮の滝”か! 伊豆の踊子の世界に重なります。


オドリコソウ属のホトケノザ、雑草と一括りにされますが、なかなか粋な花です。


オドリコソウ属のヒメオドリコソウ、山村の畑は春のお花畑仕立てです。


ホトケノザとヒメオドリコソウは生育時期も生育地も似かよっています。
道すがらに何気なく見たのでは“同じ草”にしか見えません。


葉での見分けは、茎上部の葉柄の有無、葉の形と鋸歯の深さです。
また、生育盛期になるとヒメオドリコソウの上葉は赤紫色を帯びます。


萼の毛も異なり、ホトケノザは密生し、ヒメオドリコソウは少なめです。


花が咲ば見分けは容易、花の付き方、大きさ、下唇の濃紫色の模様が異なります。
ヒメオドリコソウに似たモミジバヒメオドリコソウも近隣にあるかもしれません。
ヒメオドリコソウより鋸歯が深く、葉の表面の凸凹が少ないとのことです。

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シソ科イヌゴマ属など

2020年02月15日 | 山野草

イヌゴマ属のイヌゴマ、大きな淡紅色の花を咲かせます。
花冠はまさに唇形で、上唇は兜を被ったようにこんもりとしています。


近隣で見られる3属の見分け方のポイントです。
チシマオドリコソウ属のチシマオドリコソウは帰化植物とされています。
近隣での観察記録はあるのですが、まだ出会っていません。


イヌゴマ属のイヌゴマ、茎は直立し7ー8月に花を咲かせます。
似たエゾイヌゴマやケナシイヌゴマとの見分けは、毛に注目です。


イヌゴマ属の茎は4陵で、その陵や葉裏の主脈に下向きの短い刺毛をつけます。


毛の生え方は株によって異なり、この株は茎に開出毛がかなり生えています。
茎の中間から下側は、短い下向きの刺毛でした。


葉の表は無毛、裏は主脈に下向きの短毛のみなのでイヌゴマとしました。


イヌゴマ属のエゾイヌゴマ、遠目にも毛の多さが目立ちます。
茎には開出毛が密生し、葉の両面や萼にもたくさんの毛が生えています。
なお、茎の中間から下側の茎はイヌゴマ同様に下向きの刺毛のみでした。


花冠全体の毛もイヌゴマに比べてかなり多く、上唇の兜の毛が目立ちます。


イヌゴマ属の茎の毛の多少は株によって様々ですので、葉で確認しています。
それでもイヌゴマかエゾイヌゴマかの見分けに迷う株があります。


メハジキ属のメハジキ、画像は植物園の株です。
同属のキセワタが近隣に産すると古い書籍に紹介されております。
図鑑で見たキセワタが印象深く、探していますがまだ見つかりません。
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シソ科ウツボグサ属等

2020年02月08日 | 山野草

ウツボグサ属のタテヤマウツボグサ、八方池山荘の上、標高約1850m付近です。


近隣で見られるウツボグサ属の見分け方のポイントです。
ジャコウソウ属のジャコウソウは見ていませんが参考に加えました。


ウツボグサ属のウツボグサ(靫草)、ごく普通に見られます。
名の由来のウツボは、円筒形の花穂の形が靫(うつぼ)に似ることからとか。
靫とは、武士などが弓矢を入れて背中に背負った道具のことです。


ウツボグサは草丈が10-30cm、葉柄の長さが1-3cmです。
走出枝をたくさん出して、地表を這うように広がります。
ウツボグサによく似るミヤマウツボグサは走出枝がないとのことです。


花穂の長さは3-6cm、花冠の長さは1.5-2cmです。


画像は、三方ヶ峰に通ずる標高2040m付近の歩道沿いです。
5年ほど前に気が付いた白花の植物、シロバナウツボクサとしていました。
シロバナウツボグサはウツボグサの白花品で、花色以外の特徴は同じです。
横のオオバコと同様に運ばれてきたのか、あるいは在来か、来歴はなぞでした。
株全体が小さかったのですが、標高が高いための矮化かな、と思っていました。


最近になって、園芸種のセイヨウウツボグサにも白花があると知りました。
園芸種には小型のセイヨウウツボグサと大型のタイリンウツボグサがあります。
草丈、葉柄、穂、花冠を計測してみたところ、セイヨウウツボグサの特徴です。
本種は暑さ寒さに強く、靴底についた種子がこの地に根を下ろしたものでしょか。


ウツボグサとセイヨウウツボグサの萼に生える毛の様子が気になっています。
ウツボグサは短めで密生、セイヨウウツボグサは長めでやや疎生のようです。
この株だけかもしれませんので、今年は花屋さんを廻って毛の様子を見てみます。


ウツボグサ属のタテヤマウツボグサですが、この辺りでは見られません。
葉は幅が広く、葉柄はないか、あってもごく短く、見分けは容易です。


私の人差指の指先は約3cm、タテヤマウツボグサの花冠は長さ2.5-3.2cmです。
ウツボグサに比べ、花が大きく花序全体がぼったとした感じで花色も濃いです。

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シソ科カワミドリ属等

2020年02月01日 | 山野草

カワミドリ属のカワミドリ、日本での同属は1種です。


5属の見分けとイヌハッカ属2種の見分けですが、いずれも見分け易いです。
ムシャリンドウ属のムシャリンドウも近隣にあるようですが、まだ見ていません。


5つの属の特徴は、花冠上唇の背面、雄しべの長さ、萼の脈数などに見られます。


カワミドリ属のカワミドリ、唇形で紅紫色の花を茎の先に多数つけます。
萼は花と同じ紅紫色で15脈が入り、萼歯は披針形気味で先端は鋭く尖ります。
雄しべは上側の1対が下側より長いのですが、交差するので下側が長く見えます。
葉は広卵形で鋸歯はやや丸め、葉の裏には腺点が密生します。


ラショウモンカズラ属のラショウモンカズラ、日本での同属は2種です。
名は太い花の形からで、渡辺綱に羅生門で切り落とされた鬼女の腕に例えたとか。
4-5cmの大きな花を茎の先に多数つけ、早春に木立の中で存在感を見せています。
同属のもう1種はオチフジ、近畿地方に分布し、腋生の花序で見分けるとのこと。


カキドオシ属のカキドオシ、日本での同属は1種です。
名の由来は、隣の家から垣根をこえるほど勢いよく茎を這わせて伸ばすことから。
はびこりがちで迷惑がられもしますが、紫色の大きな花は人目を引きます。


ラショウモンカズラとカキドオシは、花が大きく紫色系で一見似ています。
見分けは、萼の形と、花序が茎の先に付くか腋生かで、カキドオシは腋生です。
いずれも茎を這わせますが、ラショウモンカズラは花後に這う枝を出します。


イヌハッカ属のイヌハッカ、薬用として導入されたものが逸出したらしいです。
ネコが好みむことから英名はキャットニップで、マタタビ同様の効果があるとか。
古くに帰化し、長野県筑摩群で発見されたことからチクマハッカの名もあります。


葉の裏面には短毛が、茎や花序に微毛がともに密生し、株全体が白味を帯びます。


始めてイヌハッカに出会ったとき、ハーブ臭からハッカと思い込んでいました。
ハッカ属を観察し、ハッカとイヌハッカは花が全くの違うことが分かりました。

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