信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

シソ科タツナミソウ属

2019年12月28日 | 山野草

シソ科タツナミソウ属のタツナミソウ、白波が立っているような花模様です。


近隣で見られるタツナミソウ属の見分け方です。
他の仲間は、茎の毛の向きでおおよその見分けがつきそうです。


ヒメナミキは、花冠長約6mmの淡紅紫色を帯びた白色の花を咲かせます。
特徴は、葉腋に1個ずつの花をつけることと花冠筒部の曲がりが少ないことです。
葉は長さ1~2cmと小形の三角状卵形で、葉、茎ともほとんど無毛です。


小さい萼ですが、タツナミソウ属の特徴の2唇形と背の突起物が目立ちます。


タツナミソウ属のヤマタツナミソウ、姿勢よく真直ぐ茎が立ちあがります。


タツナミソウとの花での見分けポイントは、花冠の基部の曲がりで、60度です。


茎や葉での見分けポイントは、茎の毛が上向きで、葉の鋸歯が尖ることです。
近隣にエゾタツナミソウの観察記録があるのですが、まだ見たことがありません。
本種はヤマタツナミソウの変種で、葉の両面にはほとんど毛がないとのことです。


タツナミソウ属のタツナミソウが、花をにぎやかに咲かせています。


花冠の基部で90度に曲がって直立します。
見分け方表の「タツナミソウの他の仲間」も同様に90度に曲がります。


茎葉もヤマタツナミソウとは異なり、茎の毛は開出で、葉の鋸歯は丸いです。

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シソ科カリガネソウ属

2019年12月21日 | 山野草

近隣で見られるカリガネソウ属、キランソウ属、ニガクサ属の見分け方です。
これらの属は、分果が4個つながり、基部に大きな着点があります。


カリガネソウ属のカリガネソウの分果です。


カリガネソウは極めて特徴的な花を咲かせるので、見分けは容易です。
植物体から発する独特の臭いが強く、花がなくとも近づけば気が付きます


大きく開いたカリガネソウの花は、昆虫が訪れると右下のように花を閉じます。
訪れやすく門戸は開放、訪問後は包むように花を閉じて受粉、見事な仕組みです。


キランソウ属のキランソウ、茎は地表をはい、走出枝は出しません。
よく似るヒメキランソウは、茎の基部からたくさんの長い走出枝を出します。


キランソウの花は紫色で、上唇と下唇を持つ2唇形ですが上唇は小さめです。


ヨーロッパ原産の園芸種、キランソウ属のセイヨウジュウニヒトエです。
立ちあがった花穂に濃い紫色の花をつけ、お寺さんの庭にも似合います。
似たジュウニヒトエの花は淡紫色、走出枝を出さないことでも区別できます。


キランソウ属のケブカツルカコソウ、日当たりのよい草原がお好みです。
毛の少ないツルカコソウの品種、または区別しないなどの見解があります。
長い走出枝を出すことが特徴ですが、花後に出すようでまだ見ていません。


ニガクサ属のニガクサ、野山の半日陰で存在感を発揮しています。


淡紅色の下唇のみが発達した1唇形の花が特徴です。
上唇に当る部分は深く裂け、雄しべと雌しべが裂け目から花外に突き出ます。
似たツルニガクサも近隣にあるようですが、まだお目にかかっていません。
ツルニガクサは萼に腺毛ががあり、上歯が鈍頭とのことです。
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シソ科ムラサキシキブ

2019年12月14日 | 山野草

近隣に見られるシソ科のムラサキシキブ属とクサギ属の見分け方です。
両属ともこれまではクマツヅラ科でしたが、シソ科に移されています。


ムラサキシキブ属の特徴は、木本で花序は葉の付け根の葉腋付近から出ます。


花は花弁が4個など4数性で、花の中心から同じ面が4個の放射相称です。
画像中と右の星状毛や腺点を有しますが、いずれも小さく観察はルーペ頼りです。


ヤブムラサキとムラサキシキブの見分け方です。
東御市近隣では、まだヤブムラサキにお目にかかっていません。


ムラサキシキブとコムラサキの見分け方その1、花序の出る位置です。
コムラサキの画像は公園の植え込み株で、自生株はまだ見ていません。


ムラサキシキブとコムラサキの見分け方その2、葉の縁の鋸歯の付き方です。


ムラサキシキブとコムラサキの見分け方その3、果実の成り具合です。
ムラサキシキブの実はまばら、栽培株の多くは実付きの良いいコムラサキです。


コムラサキの白色の果実をつける園芸種で、シロミノコムラサキの名もあります。


クサギ属は外見が特徴的ですし、名のとおり独特の臭いを放ちます。
近隣には同属の種はなく、名の似る他属のコクサギとも見分けも容易です。


大きな花序をたくさんつけ、花期や果実期はびっくりするほど見事です。
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近隣のシソ科の見分け

2019年12月07日 | 山野草

今年はいくつものシソ科の植物に出会い、種の見分けで苦労しました。
植物体のどの部位に着目すれば見分けられるのかをまとめてみました。
こうしておけば、野山でもスマホを覗いて見当をつけられます。


シソ科の茎と葉、果実の主な特徴です。
なお、茎は丸い場合もありますし、果実は3個や2個の場合もあります。


シソ科の花の特徴です。
雄しべは4個ですが、そのうち2個が退化ししている属もあります。


近隣で見られるシソ科の属の見分けポイントを検索表的にまとめました。
専門用語で苦労したので、検索表の上から順に画像に書き込みました(以下)。


分果では、つながるか独立か、あるいは基部の着点の大小です。
つながっていれば、カリガネソウ属、キランソウ属、ニガクサ属です。


萼(がく)では、先が2裂する属と5裂する属があります。
萼が2裂であればタツナミソウ属、同属は上唇背面の円状突起も特徴的です。


花では、花弁先端の分裂程度、雄しべの向きや花から突き出るか出ないかです。
花弁の下唇が分裂しないで、雄しべが下に伸びていればヤマハッカ属です。


完全雄しべが4個あるか、2個が退化しているのかも見分けのポイントです。
2個が退化していれば、アキギリ属、イヌコウジュ属、シロネ属です。


上唇背面の膨らみ程度の画像ですが、膨らまない属は以下の5属です。
ナギナタコウジュ属、ハッカ属、シソ属、イブキジャコウソウ属、トウバナ属


萼の脈の本数も見分けのポイントですが、ルーペでも見にくい場合があります。
13~15脈がカワミドリ属など4属、5~10脈がウツボグサ属など4属です。
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