信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

ソライロアサガオ

2021年02月27日 | 山野草

6回目はアオイロアサガオ(空色朝顔)、熱帯アメリカ原産といわれています。
園芸的には、西洋朝顔またはセイヨウアサガオと呼ばれることが多いようです。
西洋朝顔に対し、アサガオは日本朝顔と呼ばれ、萼や毛などに違いがあります。
東御市では野生株を見かけませんが、性質は強健で、野生株もあると聞きます。


花の径は普通5-8cmで、5本の曜の中間にそれぞれ筋が入ります。
花の色は、青色の他に桃、赤、白などや絞りもあるそうです。
画像の品種は「ヘブンリーブルー」でしょうか、爽やかな青花です。


特徴の一つは萼で、裂片の長さは基部の幅の3倍ほどと短いです。
また、萼全体が無毛で、裂片の先は反り返らずに筒部に密着しています。


茎、葉柄、花序柄とも毛は見当たりません。


葉柄は花序全体の長さとほぼ同じ、花序柄には3-7個の花をつける多花性です。
花柄の基部につく苞葉は小さくて、あることに気が付きませんでした。


葉はハート形で、裂けた葉は見かけません。


葉の両面とも毛は見えません。


花後も花柄(果柄)は上向きで、萼裂片の先は反り返ることはありません。


若い果実を切ってみると、4室で各室に種子が1個ずつ入っていました。
アサガオでは1果中に6個ですが、ソライロアサガオでは4個です。
画像右は成熟した果実ですが、円錐形で萼裂片は反り返っていません。


種子は長さ6-7mm、実体顕微鏡下では短毛が観察されます。 

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アサガオ

2021年02月20日 | 山野草

5回目はアサガオ(朝顔)、誰もが知るお馴染みの花のひとつです。
日本には10世紀ごろに中国から薬(下剤)として渡来したと言われています。
画像の株は野生株で、空き地の草むらに花を咲かせていました。


花の径は普通5-8cmで、上から見るとほぼ円形、横から見ると漏斗形です。
花の色は、赤、桃、青、白など、さらに覆輪や絞りなど多彩です


花弁に放射状に走る5本の中肋、アサガオでは特に「曜」と呼ぶそうです。
アサガオとヒルガオの見分けポイントの丸い柱頭です。


萼裂片の長さは基部の幅の5倍以上あり、細長くて先は鋭く尖ります。
基部には長毛が密生し、裂片の先は反り返ることはありません。


花序柄は葉柄より短く、茎、葉柄、花序柄には毛が生えています。


葉身は3裂しますが、裂けた中央の葉片は基部が狭まりません。
アメリカアサガオの葉は狭まりますので、葉でいずれかの見当がつけられます。


葉の両面には立った毛が目立ちます。


花後も花柄(果柄)は上向きで、萼裂片の先はやや反り返ります。


左は若い果実を切った画像、3室で各室に種子が2個ずつ入っています。
右は成熟した果実、萼裂片は剥け、種子がこぼれやすくなりました。


種子は長さ6-7mmで、通称へそと呼ばれる部分には短毛が目立ちます。 
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アメリカアサガオ

2021年02月13日 | 山野草

昨年からの続き、アサガオの仲間の4回目はアメリカアサガオです。
戦後、輸入された穀物に紛れた種子が各地に広まったのでは、との説もあります。
道端や空き地、生垣にもつるを伸ばし、淡青色の花を疎らに咲かせます。


花の径は3-5cmで、上から見るとほぼ円形、横から見ると漏斗形です。
この辺りでは淡青色の花しか見ませんが、花色は様々あると聞きます。
日の出のころから花を開き、アサガオのように午前中には閉じます。


萼は特徴的で、他のアサガオの仲間とは明らかに異なります。
肉厚で長毛が密生し、裂片の長さは基部の幅の5倍以上と細長くなります。
裂片の中ほどから狭まって縁が内側に丸まり、先は反り返ります。
萼のすぐ下には2個の苞葉が対生し、苞の長さは1-1.5cmで線形です。


茎、葉柄、花序柄には多くの長毛や短毛が生えています。
花序柄は葉柄よりずっと短く、ほとんど目立たないです。


葉の葉質は薄く、葉身は深く切れ込み、ふつうは3裂し、裂片の先は尖ります。
画像右下のように中央の葉片基部のくびれが、アサガオの葉との見分になります。


葉の両面には毛が生えます。


花後も花柄(果柄)は上向きで、萼は果実を包んでいます。


果実(さく果)が熟すころ、萼裂片の先は外側に著しく反り返ります。
果実は3室で、各室に種子が2個ずつあり、熟すと果皮が3裂します。


種子は長さ4-5mmで短毛が密生します。 


アメリカアサガオの変種で、葉が分裂しない型のマルバアメリカアサガオです。
両者を区別しなくともよいのでは、との意見もあるそうです。
マルバアサガオと名前も葉も紛らわしいのですが、萼や花後の果柄で見分けます。
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令和3年 白色の季節

2021年02月06日 | 自然

湯の丸高原のつつじ平は80cmほどの雪に覆われ、白色の季節の真っただ中です。
今年の山の植物は寒風にさらされることなく、雪の布団に守られています。
画像手前のわずかに出ている枝は、国の天然記念物のレンゲツツジです。


こちらは、ミヤマシロチョウの幼虫を育む食樹のメギです。
昨年、「ミヤマシロチョウ保全」に掲載した幼虫がお世話になっている株です。
履いてきた和かんじきを赤い旗(調査樹の目印)の横に立て、記念撮影です。


うっすらと白色に覆われた我が家の庭、日の出ぬ早朝から野鳥で賑わいます。
幸せそうにご馳走を頬張るヒヨドリと、うらやまそうに近づくスズメです。


ご馳走を見せびらかせるイカルと、うらやましそうに見上げるスズメです。


近所の浅間山撮影スポット、黒斑山、浅間山(前掛山)、剣ヶ峰の頂は真っ白です。
今朝は嬉しいニュース、浅間山の噴火警戒レベルが1に引き下げられました。
本日6日から、前掛山山頂(標高2524m)までの入山が可能となりました。


佐久市の鹿曲川(くまがわ)の氷柱群は、五郎兵衛用水の贈り物です。


地元の皆さんは「氷のカーテン」と呼んで親しんでいます。


千曲川に架かる上田市大屋橋の下方にコハクチョウの集いの場があります。
川淵を舞う5羽のコハクチョウは、旋回して着水態勢に入っています。


オオハクチョウとの見分けは、くちばしの黄色の広さ程度です。
淡灰色の個体は幼鳥ですが、くちばしが白色から黄色に変わり始めています。
羽もだいぶ白くなり、もうすぐ大人の仲間入りです。


今年の湯の丸スキー場は雪の質も量も最高ですが、ゲレンデは貸し切り状態です。
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