信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

千曲川源水でお茶

2014年06月30日 | 自然
千曲川の水源地を訪ねたいと、以前からずーっと思っていました。
昨日の日曜日、6月29日に、ようやく夢が実現しました。





千曲川は、日本で最も長い信濃川の上流で、流域に住む人々の自慢の大河です。
コースの略図は、川上村のホームページの観光図をベースにつくりました。
今回は、毛木平から千曲川源流、甲武信ヶ岳までの往復、約8時間の道草山旅でした。




画像は、源流から東御市までの千曲川の流れです。
千曲川の源流は、甲武信ヶ岳山麓の『西沢』という沢に湧き出します。
毛木平上方の大山祇神社付近では、山麓のいくつもの沢が集まり水量が増してきます。
川上村役場付近はかなりの水量で、昨晩からの雨のためが、水は茶色く濁っています。
さらに佐久一帯の山々の水を集め、東御市では100m以上の川幅になっています。




朝は天気予報どおりの雨で、川上村の村内に入った頃は大雨でした。
毛木平にある毛木場駐車場がカーナビで検索できず、『白木屋旅館』に設定しました。
旅館を過ぎるとすぐに三叉路があり、大きな道路標識に『千曲川源流』とありました。
標識に従い右の道に入り、何回がくねると真っ直ぐな農道の両脇に畑が広がります。
川上村は日本一のレタス産地、途中で農家と研修生らしき皆さんが収穫をしていました。




直線の農道が終わり、曲がりくねった砂利道を2分ほど走ると駐車場へ到着です。
毛木場(もうきば)駐車場は、広く舗装も完備で無料、20台以上が駐車していました。
6時40分に駐車場を出発し、10分ほど歩くと十文字峠と源流の分岐点に着きます。
雨上がりの林道の両端に、大きい山野草がたくさん繁っています。
葉が黄ばみ始めたハシリドコロ、花茎を長く伸ばしたトリカブト、いずれも猛毒です。
丸い葉の植物が有毒といわれるマルバダケブキなら、三有毒植物そろい踏みかも。




駐車場から30分ほどで古い鳥居の『大山祇(おおやまづみ)神社』につきます。
ここが千曲川源流と出会いの場所、下流では茶色く濁っていた水が透明で感激です。
渓流沿いの登山道にはマイナスイオンがいっぱいの様子、さわやかで気分爽快です。
切り立った岩肌に岩茸が密生している大岩の先に、山津波の慰霊碑があります。
沢の音とミゾサザイの歌声を聴きながら、岩肌を滑り落ちる『なめ滝』に到着です。





なめ滝を出て30分、かなり年代物の木橋を渡ります。
これまでは渓流の右側を登ってきたのですが、ここからは左側です。
木橋の渡り口には「キバナノコマノツメ」が踏まれずに黄色い花を咲かせています。




木橋を渡って5分もすると、源流まであと900mの標識があります。
水源までの距離表示はいくつかあり、水源に近づく張り合いが持て、元気が出ます。
朽ちた木や岩にはたくさんのコケの仲間が覆い、緑の森を作っています。
画像の標識から20分、あと350m標識に着き、再度、橋を渡って渓流の右側に戻ります。




駐車場を出発し3時間を経て、ようやく念願の千曲川水源地にたどり着きました。
樹林の中の広場に「信濃川・千曲川水源地標」の標識をハイカーが囲んでいます。
信濃川367kmの源水を汲みコーヒーブレーク、なんとも贅沢なひとときです。
画像左手の沢地が水源地です。




沢に下った正面のダケカンバに、水飲み用の青いコップが用意されています。
緑のコケに覆われた大地から、わずかな水が絶えることなく湧き出ています。
大河の源に両手を差し込み、丸めた手の中に源水をそおっとすくって飲みました。
水源から約1時間で甲武信ヶ岳山頂、そこからは十文字峠経由のルートでも帰れます。
今回は登ったルートを戻り、源水をペットボトルに入れて帰宅してから楽しみました。




たくさんのコケ植物に出会いましたが、名前は全く分かりません。
いくつかの種類は花の時期なのか、とても可愛い様子でした。




樹林地は湿度が高く、ラン科植物との出会いを楽しみにしていましたが残念でした。
キノコ類の出会いは多く、食向きキノコは、ヌメリスギタケモドキがありました。
ギンリョウソウも山道沿いに見られ、前を歩いていたお嬢さんが見つけ、悲鳴一声です。
2,3種のセリ科やスミレ科と、オサバグサの花などを始めて見ることができました。
山頂付近は、ヒメイワカガミの花盛り、葉のぎざぎざ(鋸歯)が少ないのが特徴です。
ミツバオウレンは、白く花弁に見えるのがガク、黄色い球が花弁で蜜を分泌します。




道草を食いすぎて長丁場となり、3時過ぎに駐車場に到着、かなり疲れました。
駐車場から車を出して直ぐ、左手のシラカバ林の中が真っ赤にもえています。
ベニバナイチヤクソウに山の疲れを癒され、祈安全運転と見送っていただきました。

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