信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

八方尾根7月の花Ⅱ

2017年07月29日 | 山野草

白馬三山を背にタヌキモ科のムシトリスミレ、葉には未消化の虫がついていました。


ハルリンドウの高山型タテヤマリンドウ、両者の違いは微妙、エイヤーで決めました。
ミヤマリンドウも似ますが、茎葉が開き、花中央の黒筋模様がないので見分けられます。
ミヤマコゴメグサ、この仲間の見分けは悩みますが、端正な花は魅力いっぱいです。


カラマツソウ属のオオカラマツ、北アルプス唐松岳を背景に撮ってみたいものです。
似たアキカラマツは、花柄長が3~8㎜とオオカラマツより短く花を密につけます。


八方尾根に固有の花ハッポウウスユキソウ、北アルプスの顔のひとつでしょうか。
左上の黄色い花の株はキバナカワラマツバ、今は花の見頃です。


クモマミミナグサとホソバツメクサは解説板がなければ私には種の特定ができません。
少し遠くにタカネイバラが見られて感激、3~4対の小葉と丸い葉先が特徴です。


標高2000mを過ぎてようやくミヤマタンポポらしき株にめぐり会え、大満足です。
花の裏からデジカメでパチリ、総苞片はセイヨウタンポポと違って行儀よく寝ています。


ヨツバシオガマが残雪を蓄える窪地前の山道脇で人々を和ましてくれています。


標高2060mに位置する八方池、周りにはたくさんの花々が高層の池を飾っています。
北アの頂きを見たくて茎を伸ばしたかのようなミヤマアズマギクです。
熟した花も見られ、冠毛は汚白色で長さは3mmほど、アズマギクと違いに納得です。


サクラソウ科のユキワリソウ、可愛すぎて葉裏の黄色い粉の確認を忘れました。
八方ですのでウメハタザオとしましたが、イワハタザオとの違いは分かりませんでした。
ムラサキ科のミヤマムラサキやメギ科のヒロハヘビノボラズも花盛りです。


高層湿原に咲いたイワイチョウ、この眺め、息といっしょに身体いっぱい吸い込みました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八方尾根7月の花Ⅰ

2017年07月22日 | 山野草

北ア八方尾根ゴンドラリフト「アダム」に乗って8分、標高1400mの兎平に着きました。
ヤマブキショウマ、ハナチダケサシ、シモツケソウ、クガイソウなどが咲いています。
お花畑の中にキンコウカの黄色い花を見つけ、テンションが上がってきます。


ヒメシジミでしょうか、汗のミネラル分がよほど気に入ったのか手の甲から離れません。
蝶で小さいシジミと、花で小さいモウセンゴケを並べて撮ってみました。


トウダイグサ科で外見が似たタカトウダイとハクサンタイゲキに会えました。
ハクサンタイゲキは、黄色味がかった苞と子房の長い白毛が特徴です。


兎平からリフトで7分、標高1680mの黒菱平の鎌池湿原につきました。
ここから八方池までの間、当地特有の植物などについて解説板があり大助かりです。
ニッコウキスゲの咲く湿原にはオオタカネバラも、タカネバラとは葉が異なります。


黒菱平からさらにリフトで5分、標高1830m、赤い屋根の八方池山荘到着です。
ここからは歩きになりますが、15分ほど歩いた道脇にトキソウです。


お目当てのハッポウアザミ(総苞外片が開出する)ではなく、これはオニアザミです。
タテヤマウツボグサはウツボグサの花冠長の約2倍の大きい花、葉柄は極短です。
オオコメツツジは花冠が深く4裂で雄しべ4本、コメツツジは花冠が5裂で雄しべ5本です。
キバナイカリソウは名前のとおり、花は淡い黄色です。


鮮やかな黄色い花を咲かせるキジムシロ、羽状複葉で上の葉ほど大きくなります。
淡黄色花のエゾシオガマ、シオガマギクとは花の色や葉の基部の形などで見分けます。


イワシモツケの群生、当地は本種が好むと言われている蛇紋岩地帯だそうです。


お目当てのひとつシナノオトギリか?  よく似たイワオトギリとの見分けで悩みます。
シナノオトギリは、葉の縁に黒点が並び、葉中央に明点と不明瞭な黒点があるとのこと。
イワオトギリは、葉面全体に黒点があり、明点はほとんどないと言われています。


八方尾根の固有種ハッポウタカネセンブリ、花径1cm程で青紫色の斑点が可愛いです。
タカネセンブリの変種で、萼が花冠の裂片よりかなり短いのが見分けのポイントだとか。 
たくさんの植物にめぐり会え、整理はあと2.3日かかりそうなので後半は次週です。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

湯ノ丸高原花便り17715

2017年07月15日 | 山野草

道や広場の周りに咲いて目につきやすく「なんて言う名前?」の問いかけの多い花です。
花は小さくとも名前は大きい「オオヤマフスマ」(大山衾)は花盛りです。
大きめの丸い白色の花弁で、ヘビイチゴの葉に似た花は「シロバナノヘビイチゴ」です。


9時過ぎる頃になると、駐車場でバスから降りた子供達が集まってきます。
広場の入口で紫色の花を咲かせた「グンナイフウロ」が「おはよう」と迎えています。


昨年7月16日掲載の『湯の丸高原花便り7中』より1週間ほど花の時期が遅れています。
コバノイチヤクソウ、シシウド、ノアザミ、マルバダケブキ、ミヤマホツツジ、ヤナギランなどの開花は先です。
ですが、コケモモ、ゴゼンタチバナ、シテンクモキリ、ニシキウツギ、ハクサンシャクナゲなどは見頃です。


足下に咲く希少種の「グンバイヅル」、名の由来の『軍配』は果実がつくと分かります。


カラマツの若い松ぼっくり、紫色の濃い個体で日を浴びて美しく輝いています。


「テガタチドリ」の花盛り、似たラン科のハクサンチドリも花を残しています。


高原の涼しい風に白い花弁をゆらす「カラマツソウ」、ボーっとして自然に浸ります。


稀少高山蝶の「ミヤマモンキチョウ」、今年は発生が多そう、今は成虫の活動期です。


「これはなに?」の問いが多い綿状の物体は「ミネヤナギ」の種子を包む綿毛です。
 

夕方、賑やかだった池の平も最後の1組、「ハクサンシャクナゲ」の木陰から見送ります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タニウツギ属の見分け

2017年07月08日 | 山野草

湯の丸高原ではニシキウツギの花が標高1800m付近まで咲き出してきました。
ニシキウツギはスイカズラ科(タニウツギ科)タニウツギ属、花が紅白で「二色空木」です。
同じく花が紅白でよく似た同属の仲間にハコネウツギ(箱根空木)があります。
当地には自生株はなく庭木で親しまれ、画像右は標高950m付近の民家の栽培株です。


遠目には見分けにくいのですが、近くで花を横から見ると違いが分かります。
ニシキウツギは、花冠の筒部の広がり方がなだらかで、ロート状になります。
ハコネウツギは、花冠の筒部が下部で急に広くなり、釣り鐘状になります。


葉裏の毛の生え方も異なりますので、花がない時期でも見当はつけられます。
ニシキウツギは、葉裏の主脈上の下半分に白い毛が密生します。
ハコネウツギの葉裏はほぼ無毛で、まれにポツンと白毛が生えています。


新梢も異なり、ニシキウツギは稜が明瞭で毛も生え、ハコネウツギはツルツル状です。


タニウツギ(谷空木)の画像は、6月20日に群馬県の野反湖付近で見た株です。
花の色は、蕾の頃から開花後もピンク色のみでニシキウツギなどとは見分けられます。


葉裏の毛も特徴的で見分けのポイント、葉裏全体に白毛が密生します。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マムシグサの花

2017年07月01日 | 山野草

薄暗い茂みの中にたたずむのは、サトイモ科テンナンショウ属のマムシグサです。
名の由来は、茎の模様や花の様子がマムシに似ているからなどと言われています。


草丈は30~100cm、花部の長さは8~10cmほどと大きく、この辺の花期は5~6月です。
茎は図右下の中心の細い部分で、そこに2枚の葉の葉鞘が囲い、偽茎となっています。
偽茎の上部に、ふつう2本の葉柄が出て、その先に小葉が鳥足状に並んでいます。
花弁のように見えるのは仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれ、葉で花を包み守っています。


マムシグサは雌雄異株ですが、外見での見分けは仏炎苞筒部最下部の合わせ目です。
雄株は、虫に花粉を運び出してもらえるよう、外に出られる隙間があります。
雌株は、虫にたっぷりと受粉をしてもらえるよう、出口を塞いでいるのです。


運良く道脇の草刈り作業に出くわし、刈り取られた株の仏炎苞を開いてみました。
仏炎苞の中は花と付属体があり、雄株の花には白い花粉がたくさんついています。
雌株は種子が膨らみ始めていますが、受粉を介した虫が息絶えています。


今年はカルイザワテンナンショウを探しに軽井沢を何回か訪ねました。
マムシグサの仲間は変異が多く中間的な形質を示す株もあり、区別に迷います。
特徴は、花序が葉より高く、仏炎苞の舷部が長く垂れ、付属体上部が前曲するとのこと。
何株かそれらしき株にめぐり会え、画像はそのうちの1株です。


カルイザワテンナンショウを探す道すがら、いやしの風景に出会いました。
手入れの行き届いた苔むした庭の石垣にユキノシタの白い花弁が舞っていました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする