信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

畑のごちそう攻防戦

2014年07月26日 | 家庭菜園
早起きしてジャガイモを収穫、9時過ぎると汗がしたたり落ちてきました。
スイカとモロコシを採り、今日の家庭菜園管理は早めに切り上げです。
畑のごちそうは、鳥や獣も大好物、今年も攻防戦の始まりです。





先週の土曜日、よほど咽が渇いたのか、まだ青いスイカを見事にたいらげています。
そして次の日には、真っ赤に熟れて今日は収穫かと楽しみにしていたトマトをガブリ。
スイカは、顔をつっこんで食べたようなので、恐らくハクビシンかタヌキでしょう。




この辺りにもハクビシンが増え、我が家の柿の木においでいただいた際の記念撮影です。
ハクビシンは鼻筋の白い模様が特徴で、運動神経バツグンの中型動物です。
画像のハクビシンの目が光っているのは、薄暗かったのでフラッシュをあてたためです。




トマトの周りには足跡が残されておりましたが、はたして、関係獣の足跡でしょうか。
4本指の跡が残るのはネコにタヌキ、5本指はハクビシン、ネコは爪痕を残しません。
とりあえず、ハクビシンかタヌキかということで、トマトの周りに網を張りひと安心です。




カラスも常に食べ物を探し、空の上から畑の見回りをしています。
画像右下は、受粉直後の赤ちゃんスイカの頃、カラスにつつかれた痛々しい傷跡です。
すぐ気がついたので網をかぶせてここまで大きくなりました。




モロコシは人間だけでなく、ハクビシンやタヌキ、キツネなども大好物です。
いつもは、モロコシのひげが黒くなり美味しくなった頃、ハクビシンが来ます。
今年はかな早くからお出ましですが、食べ方からタヌキかと思われます。
茎を折り倒し、牙で皮を剥き、地面についた側の実は食べ残してあります。
ハクビシンの場合は、茎を折らずに茎を斜めにして食べます。



ヒマワリの実がなるのを楽しみに待っているには、スズメにカワラヒワです。
7月中旬になり、種ができ始めのころ、柔らかい乳状の種をスズメが食べに来ます。
画像上部の傷がついた実は、中身の種が食べられ皮だけが残ったカラの実です。
下旬になり種が充実してくると、スズメにかわりカワラヒワの出番です。
近づく私を警戒し、ヒマワリのてっぺんに止まり、逃げる間合いを計っています。




鳥や獣が食べ物に集まるのは当然なことです。
家庭菜園とはいえ、食べさせないよう対策することが栽培する者の責任だと思います。
栄養価の高い農作物を食べた獣は繁殖力が高まり、ますます増えるかもしれません。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

信州塩田歴史の散歩道

2014年07月19日 | 文化財
上田市の塩田平は『信州の鎌倉』とも呼ばれ、良きいにしえを残した里です。
今日は当地のあじさい祭りですが、先週一足先に花見をしてきました。





この日は、名刹『前山寺』で、国の重要文化財指定の三重塔をゆっくり拝観しました。
近くの『塩田の館』で、皿に盛られた名物「里がえりそば」をいただき腹ごしらえです。
『あじさいの小道』の駐車場に車を置き、弘法山の西国三十三観音巡りをしてきました。




前山寺(ぜんさんじ)の三重塔は“未完成の完成塔”と言われています。
欄干や窓はないのですが、四方に出た胴貫との調和が美しくこう呼ばれているそうです。
上の画像のほぼ中央に大きな石碑がありますが、意味不明の梵字が刻まれています。
お寺の方にお聞きするとアビラウンケンと読み、地水火風空の五大を表すとのことです。




三重塔付近には黄色い花を咲かせた樹がひときわ目をひきます。
樹の幹に名札が下がり「モクゲンジ(ムクジロ科)」とありました。
案内に、境内は季節のうつろいとともに花々が咲き「花の寺」とも呼ばれ、とあります。




あじさいの小道は、前山寺から塩田の館を抜け塩野神社 までの約1.2kmにわたります。
そこには約3万本のガクアジサイが林内を青紫に染め、訪れる人々を和ませてくれます。
画像は、弘法山への塩田城趾登山口のアジサイ群です。



弘法山は江戸の頃、西国三十三観音を巡礼できるようにと観音様を祀ったそうです。
全国の寺々を巡り歩くには財と時間が掛りますが、近くの参拝で御利益を授かれます。
そのためか、参道は短いものの険しい道のりとなっています。
画像は難所の垂直に近い35段の石段で、これより弘法大師の修業コースになります。
 



石段を登り大きな石をくぐると、近くの岩穴に三十三番観音が祀られております。
この穴は自然に出来た穴を利用したものなのでしょうか。
辺りの岩にもあなが空いており、「コオニユリ」が花を開き始めておりました。
今回は最初の画像の一周図に描いた、○で囲んだ数字の観音様に巡り会えました。




頂上付近の見晴の良い岩の上に、大きな石灯籠が置かれております。
どうやって持ち上げたのか、塩田平を見下ろす修行山、弘法山の象徴の一つです。
画像下に少しの屋根が写っていますが、朽ちかけた小屋で、展望所でしょうか。
ここから僅かで標高842mの山頂、登り始めて約1時間15分です。




弘法山で巡り会った植物のうち、名前に自信のない山野草です。
上段左のママコナは、唇弁の地色の白と黄色の斑からミヤマママコナと思われます。
下段の左は、石ごろの道で見た、ルリソウの仲間らしき花径4mmほどの可憐な花です。
真ん中は前山寺のすぐ上の林に群生していたフジカンゾウと思われるマメ科植物です。
右は長らく迷いましたが、ニンジン(オタネニンジン・チョウセンニンジン)でしょか。




この愛嬌のある(自分は)、恐ろしくて気持ち悪い(妻は)ムシを発見しました。
あじさいの小道のアオツヅラフジの葉上で、カメラを向けると威嚇のポーズでしょうか。
頭を腹の中に入れ、大きな目玉と尻部を持ち上げた体長10cmほどの大物芋虫です。
特徴的でしたので、調べてみるとアケビコノハが出てきました。
幼虫もかなり奇抜ですが、成虫もそれに負けずに奇抜で、前翅は木の葉そのものです。




のんびりと2時間30分ほどをかけ、あじさいの小道に戻ってきました。
最後にガクアジサイの花をアップで撮り、楽しい道草山歩きでした。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クルミの苗の話

2014年07月16日 | 果樹類
仙人掌さんからクルミの苗のお話をいただきました。
コメントをめったに見ないもので、お返事が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
東御市で増殖しているクルミの苗は、東御市にお住まいの方のみが入手可能です。
この辺りで、苗を植える時期は4月上旬ですので、今(7月)は苗の販売はしていません。
仙人掌さんが東御市民の方でしたら、JA東部グリーンセンターにお問い合わせ下さい。
来年の4月配布の「清香」と「美鶴」などの苗の予約ができ、1本3,800円程かと思います。
もし、東御市以外にお住まいでしたら、市販の苗を種苗屋さんでお求め下さい。
品種にこだわらないようでしたら、ご自分で種をまけば簡単に苗ができます。




稔ったクルミの実を採り、実が乾きすぎないように春まで土に埋めておきます。
動物などに食べられたり腐ったりが心配なら、湿ったミズゴケや砂に埋めて貯蔵します。




貯蔵した実は、春になりましたら畑など土にまいて、5cmほど土をかぶせて下さい。
この際、画像左下の実のように割れて根が出かかっているものもあります。
年内には発芽し、2株以上を育てていただくと、6,7年後には実がなります。
なお、クルミは他家受粉ですので、実を播いて育てた苗では同じ品種は得られません。
ご存じのとおり、品種を特定するには、接ぎ木苗を求めなければなりません。
でも、実から育てた苗は、すばらしい樹になるかもしれない夢があります。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブランコ毛虫の変身

2014年07月12日 | 動物
先週、家庭菜園でブランコ毛虫の集団に出会いました。
見守って1週間、今朝、とうとう卵を産み始めたのです。





今年は大発生、テレビ出演までして注目された通称『ブランコ毛虫』です。
糸を吐いてぶら下がり、風にブラブラ揺られながら移動するので、こう呼ばれています。
サクラの樹の下などでブランコしている毛虫に出会い、何度かビックリしたものです。
画像左の拡大毛虫、ブランコ中は短い足をいっぱいに伸ばし、気持ちよさそうです。




ブランコ毛虫は「マイマイガ」という蛾の幼虫で、何年かに1度、大発生するそうです。
幼虫が食べる葉は、サクラ、リンゴ、クヌギ、ツツジ、など100種類以上あるそうです。
画像の木はリンゴで、瞬く間に葉を食い尽くされてしまいました。
マイマイガの幼虫の特徴は、画像左下の顔写真のように、頭にある太い『八』の字です。




先週5日に、一輪車を使おうとしたところ、なんと荷台が虫でいっぱいです。
幼虫(毛虫)や幼虫が脱皮した抜け殻、さなぎ、そして成虫までいます。




幼虫の頭には『八』の字がくっきり、まさにマイマイガの幼虫です。
一輪車の荷台は、様々に変身したマイマイガがずらっと並ぶ大舞台になっています。
本虫は、卵→(孵化)→幼虫→(蛹化)→さなぎ→(羽化)→成虫と完全変態を行います。




6月14日撮影の中齢幼虫ですが、全体光沢のある黄褐色~褐色でよく目立ちます。
卵からふ化した後、4回脱皮して5齢で終齢となり、背中は青と赤の突起が目立ちます。
老齢幼虫は雨風や敵から身を隠し、脱皮してさなぎに大変身します。




マイマイガお気に入りの一輪車は、堆肥を覆うための青いシートの上にあります。
ひっくり返して重しにしていたので、荷台が雨風や敵からの隠れ蓑になったのでしょう。
周囲の樹は、ケヤキなどで、葉を食べたりブランコをしたりでにぎやかでした。




マイマイガはさなぎも非常に特徴的で見分けは容易そうです。
画像のとおり、さなぎの表面にはたくさんの茶色い毛が生えているからです。
そして、脱皮した幼虫の皮が付近にあれば、頭には『八』の字が残っています。
毛虫の毛の役割はいろいろとありそうですが、水の浸透防止効果もありそうです。




昨日(11日)の夕方、当日羽化したのか、一輪車に雌の成虫が止まっていました。
今朝(12日)行ってみると、一輪車の支柱に卵を産み付けていました。
成虫になった雌は、なにも食べず、ほとんど動かず、子孫を残して全うします。




画像は雌成虫と雄成虫で、雌は7月11日の撮影で、雄は7月5日の撮影です。
見分けは、雌が白っぽく雄が褐色、この羽根の色と触角の大きさが異なります。
雄には大きな触角があり、この触角で雌の出すフェロモンを感知するのだそうです。
フェロモンを探してヒラヒラと上下飛行をすることから、『舞々蛾』と呼ばれるのだとか。




いかつい画像が続いたので、口直しにさわやかなアンズの実に登場してもらいました。
東御市の標高700m地帯のアンズ畑は今が収穫盛期、甘酸っぱい香りが漂っています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

絶滅心配種タデスミレ

2014年07月05日 | 山野草
朝は大雨でしたが、午後からは久し振り、日の照る暑い日となりました。
6月の植物の整理を終え、印象度ナンバーワンをタデスミレとしました。
本種は、日本国内で1か所のみのピンスポット地域限定種だそうです。





6月上旬、植物観察の講座でタデスミレの自生地を訪ねました。
腰をかがめ目をこらし、あちこち探し回った先生が1個の花を見つけてくれました。
白く細い清楚な花弁で、唇弁には紫色の筋が入り、側弁の基部には白い毛があります。
ところが、残念なことに上弁がありませんでした。(各弁の位置は4枚目の画像です)
時期が遅かったのか、株が減ってしまったのか、この日はこの画像の花だけでした。
本種は、長野県の絶滅危惧IA類(近い将来、野生で絶滅の危険性が極く高い種)です。




細身のボディーにすらっと伸びた葉身、スタイル抜群の草姿です。
横から見ても、上から見てもまさにタデ、花がなければスミレとは思えません。
タデスミレの足下の丸い葉はフタバアオイ、三角の葉はオオヤマカタバミです。
隣には、チチブシロガネソウもあり、たくさんの山野草が育つ豊かな落葉樹林内です。




この株は花はつけていませんでしたが、600というラベルが株元にありました。
長野県ではタデスミレの保護回復を図るための事業を行っているとのことです。
平成19 年7 月に行われた植生調査で、855個体が確認されたと報告書にあります。
画像の株は、その際の600番目の株か、その株が残した子孫かもしれません。
今回は、数時間ほど探してみましたが、4株しか見つけることができませんでした。




周辺にはエゾノタチツボスミレが、白や淡い青紫色の花をたくさん咲かせていました。
本種は草姿の雰囲気がタデスミレに似ており、白花の株は見間違いそうです。
また、唇弁に入る紫色の筋、側弁の基部の白毛、托葉の形が櫛形などもそっくりです。
画像右上は花弁の呼び名で、スミレ科の花は左右対称の5個の花弁からできています。




タデスミレを見分けるのには、タデの仲間を思わせる葉が最大のポイントだそうです。
スミレ科の仲間の葉を描いてみると、多くは、葉の基部がハート形か、いかり肩状でした。
タデスミレの葉の基部は、なで肩状に細くなり、葉から連続的に柄につながります。
エゾノタチツボスミレは、葉の基部がハート形で葉と柄がはっきり分かれています。
自然保護に関われるよう願い、少しずつ気長に植物を知ろうと思っています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする