新駅舎の長野駅に着くと、”善光寺御開帳”が目いっぱいに入ってきます。
今年は、数えで7年に一度の『前立本尊(まえだちほんぞん)』御開帳の年です。
善光寺本尊は一光三尊阿弥陀如来像、秘仏となった後は誰も目にしていないそうです。
御開帳の期間中、本尊の分身で同じ姿の前立本尊が御宝庫から本堂に遷されます。
前立とは本尊に代わって立つという意味だそうです。
長野駅から善光寺までの表参道(中央通り)は2.5kmほどの距離です。
町歩きを楽しみながら、参道とその周辺に点在する善光寺七福神をお参りしました。
駅からは寿老人、大黒天、福禄寿、弁財天、布袋尊、恵比寿天、毘沙門天の順です。
毘沙門天様が祀られている世尊院釈迦堂、善光寺仲見世通りの東側にあります。
わが国では唯一の等身大の大きさ(約166cm)の釈迦涅槃像が安置されている寺です。
善光寺本堂の前と共に、釈迦堂の前にも回向柱(えこうばしら)が建てられます。
回向柱の上部には「善の綱」が結ばれ、釈迦涅槃像の右手につながっています。
この回向柱に触れることにより、お釈迦さまに触れるのと同じ功徳をいただけます。
仁王門から山門を望む仲見世通り、石畳の道を大勢の参拝者が本堂を目指します。
由緒ある山門は、平成の大修理が済み、二階への登楼参拝が再開されています。
栩葺(とちぶき)とは板葺き屋根の種類で、最も厚い板を使用するのが栩葺きです。
山門の正面の額は通称「鳩字の額」と呼ばれ、良くみると鳩が五羽隠されています。
また、「善」の字が牛の顔の形に見え「牛に引かれて」の信仰を伺い知ることができます。
善光寺御開帳の参拝は、なんと言っても御開帳のシンボル、回向柱に触れることです。
本堂の前には、一尺五寸角(45cm)、高さ33尺(約10m)の回向柱が建立されています。
回向柱に結ばれた「善の綱」は、本堂に安置されている前立本尊につながっています。
しっかり回向柱に手のひらを当て、阿弥陀如来様とありがたいご縁が生まれました。
本堂では長蛇の列を半歩ずつ進み、ご本尊様のお姿を拝むことが叶いました(内陣参拝)。
いったん本堂の外に出て、お戒壇めぐりの列に並び、角を2つ曲がると、あと30分です。
お戒壇めぐりでは、暗闇の回廊を歩き、ご本尊様の真下にある「極楽の錠前」を探します。
右側の壁をつたい、錠前に触れると、極楽往生が約束されるということです。
さらに、御印文を頂戴したり、302歳のびんずる尊者を撫でたりでご利益いっぱいです。
本堂から少し離れた場所に、歴代の回向柱と、石仏様が安置されたお堂があります。
石仏様は親鸞聖人が爪で彫ったと伝えられ、「爪彫阿弥陀如来像」と呼ばれています。
眼病に効くという信仰があり、目の衰えが激しい我が身、よくよくお参りをしてきました。
その先の忠霊殿には資料館もあり、善光寺信仰の一端を伺い知ることができました。
本堂からしばらく歩き、櫻坂と呼ばれる桜の名所を登ると、納骨堂の雲上殿があります。
善光寺平が一望、若い頃に花見で盛り上がった櫻坂と雲上殿、懐かしさがこみ上げます。
帰りはお土産三昧、御開帳限定の品を探すのも楽しみの一つです。
回向柱守や御開帳七年ダルマは次の御開帳まで祀り、ビールなどは早くいただきます。