信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

善光寺ご本尊様お参り

2015年04月25日 | 文化財

新駅舎の長野駅に着くと、”善光寺御開帳”が目いっぱいに入ってきます。
今年は、数えで7年に一度の『前立本尊(まえだちほんぞん)』御開帳の年です。
善光寺本尊は一光三尊阿弥陀如来像、秘仏となった後は誰も目にしていないそうです。
御開帳の期間中、本尊の分身で同じ姿の前立本尊が御宝庫から本堂に遷されます。
前立とは本尊に代わって立つという意味だそうです。


長野駅から善光寺までの表参道(中央通り)は2.5kmほどの距離です。
町歩きを楽しみながら、参道とその周辺に点在する善光寺七福神をお参りしました。
駅からは寿老人、大黒天、福禄寿、弁財天、布袋尊、恵比寿天、毘沙門天の順です。


毘沙門天様が祀られている世尊院釈迦堂、善光寺仲見世通りの東側にあります。
わが国では唯一の等身大の大きさ(約166cm)の釈迦涅槃像が安置されている寺です。
善光寺本堂の前と共に、釈迦堂の前にも回向柱(えこうばしら)が建てられます。
回向柱の上部には「善の綱」が結ばれ、釈迦涅槃像の右手につながっています。
この回向柱に触れることにより、お釈迦さまに触れるのと同じ功徳をいただけます。


仁王門から山門を望む仲見世通り、石畳の道を大勢の参拝者が本堂を目指します。


由緒ある山門は、平成の大修理が済み、二階への登楼参拝が再開されています。
栩葺(とちぶき)とは板葺き屋根の種類で、最も厚い板を使用するのが栩葺きです。
山門の正面の額は通称「鳩字の額」と呼ばれ、良くみると鳩が五羽隠されています。
また、「善」の字が牛の顔の形に見え「牛に引かれて」の信仰を伺い知ることができます。


善光寺御開帳の参拝は、なんと言っても御開帳のシンボル、回向柱に触れることです。
本堂の前には、一尺五寸角(45cm)、高さ33尺(約10m)の回向柱が建立されています。
回向柱に結ばれた「善の綱」は、本堂に安置されている前立本尊につながっています。
しっかり回向柱に手のひらを当て、阿弥陀如来様とありがたいご縁が生まれました。


本堂では長蛇の列を半歩ずつ進み、ご本尊様のお姿を拝むことが叶いました(内陣参拝)。
いったん本堂の外に出て、お戒壇めぐりの列に並び、角を2つ曲がると、あと30分です。
お戒壇めぐりでは、暗闇の回廊を歩き、ご本尊様の真下にある「極楽の錠前」を探します。
右側の壁をつたい、錠前に触れると、極楽往生が約束されるということです。


さらに、御印文を頂戴したり、302歳のびんずる尊者を撫でたりでご利益いっぱいです。
本堂から少し離れた場所に、歴代の回向柱と、石仏様が安置されたお堂があります。
石仏様は親鸞聖人が爪で彫ったと伝えられ、「爪彫阿弥陀如来像」と呼ばれています。
眼病に効くという信仰があり、目の衰えが激しい我が身、よくよくお参りをしてきました。


その先の忠霊殿には資料館もあり、善光寺信仰の一端を伺い知ることができました。
本堂からしばらく歩き、櫻坂と呼ばれる桜の名所を登ると、納骨堂の雲上殿があります。
善光寺平が一望、若い頃に花見で盛り上がった櫻坂と雲上殿、懐かしさがこみ上げます。


帰りはお土産三昧、御開帳限定の品を探すのも楽しみの一つです。
回向柱守や御開帳七年ダルマは次の御開帳まで祀り、ビールなどは早くいただきます。
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食事処店じまい

2015年04月18日 | 動物

近所の桜は満開、庭のカタクリも花を開いて1週間、春本番です。
植物も動物も活発に活動を始めてきましたので、野鳥の食事処は店じまいです。
カタクリは食事処の真下、ヒマワリの殻が層になって落ちています。


たくさんあったヒマワリの実も食べ尽くし、落花生もあと2,3日分となりました。
シジュウカラにとっては大きな落花生の実ですが、最近は丸ごとゲットです。
小枝に留まって両足で実を押さえ、たっぷりの食事を楽しんでいます。


落花生はシジュウカラのためにと思っていたのですが、スズメもしたたかです。
殻に食いつき種子片を含むスズメに、昨日開いたシャクナゲの花もびっくりでしょう。


カワラヒワは枝に止まり落花生を見下ろすのみ、しがみついての食事は苦手そうです。
それでも、シジュウカラについばまれて飛び散った種子末を拾って食べています。


ギャー、ギャーと騒ぎ回るヒヨドリ、よく見ると可愛い目をしています。
20倍ズームのコンデジ「DSC-WX350」で撮影、離れた被写体には威力抜群です。


4月始めまでは食事処の常連でしたが、最近は姿を見せなくなったメジロです。
今頃は桜の花の密に舌つづみを打っていることでしょう。


残ったリンゴの閉店売り尽くしをしたところ、大変に騒々しいオナガがやってきました。
馴れないのか警戒心が強いのか、カーテンを少しでも開けると飛び立ちます。


周辺の地表を、ぴょんぴょんと跳ねるように歩くツグミですが、たまに食事処に来ます。
リンゴをつついているようですが、好みでないのか、すぐに飛び立ちます。


初登場の雄猫『シロクロ』、野鳥がつかまるはずもなく、思い破れくやしそうです。
黒猫のプーの兄弟と思われますが、飼い主が別のためか親しくはなさそうです。
野鳥が集まるのもあとわずか、次にシロクロの勇姿が見られるのは来期の冬になります。
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種子島・屋久島旅3

2015年04月11日 | 旅行

2015年3月25日(水)は、安房から時計回りのコースで8時40分に出発しました。


V字形の谷底に豊富な水を落とす、落差60mの千尋滝(せんぴ(pi)ろのたき)です。
尋(ひろ)は、両腕を広げた長さを一尋とする、身体尺の単位の ”尋” だそうです。
千尋の由来は画像左から広がる、なんとも豪快な200m×400mの花崗岩の一枚岩です。


千尋滝の駐車場脇に、タンカンとサトウキビのジュース屋さんの出店がありました。
種子島で飲みたかったサトウキビジュース、思いもよらず屋久島で叶いました。
ほんのり甘くてさわやかで、滋養強壮効果が抜群の生しぼりジュースです。


里から望む岩山モッチョム岳の勇姿、山の名の由来を聞くとかなりの艶含みのようです。
清水が湧く、原(はるお)集落の山河(やまんこ)公園は、春の野花がいっぱいです。


潮が満ちている平内海中温泉、干潮前後の2時間ほどが入浴可能となるそうです。
露天混浴、脱衣所なし、水着の着用厳禁、見物人あり、名湯の入浴は度胸が必要とか。


天から水を落とす大川の滝(おおこのたき)、日本の滝100選にも選ばれている名瀑です。
滝壺の前に立ち見上げると、88m落差を豪快に流れ落ちる水のしぶきを浴びまくります。
山で樹の精に、滝で水の精に包まれ「屋久島に来て良かったなー」を実感します。


ここは西部林道、一帯は照葉樹林、世界遺産の根拠となった垂直分布が一望できます。
急峻な地形、下を覗くと東シナ海、真上を見上げると標高1323mの国割岳です。
観光バスが通れる道の拡張計画もあったようですが、自然保護が優先されたそうです。
おかげで、今も車道ではヤクザルやヤクシカがくつろぐ、人と動物のいこいの林道です。


背筋が伸びて前を見ているお猿さんと、背中が丸まり伏し目がちなお猿さんです。
林道沿いで日向ぼっこの2頭を見て、『お猿さんのふり見て我がふり直せ』の思いです。
最近、とみに姿勢が悪くなってきた我が身、背筋を伸ばす大切さを再認識しました。


宮之浦から車で約30分、標高620mまで上がり、白谷雲水峡にやってきました。
花崗岩を滑るように落ちる飛流おとしを堪能し、樹齢3000年の弥生杉にも会いました。
「もののけ姫」でも知られる白谷雲水峡のコケ、深い森と豊かな雨に育てられています。


夕方に田代海岸に到着、潮が引き波もおだやか、絶好の貝の観察条件です。
岩礁の窪みに棲むタカラガイ、摩耗の少ない打ち上げ貝などの写真が撮れました。
屋久島来島は6回目、そのたび新たな発見があり、次の来島目標も見え始めています。
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種子島・屋久島旅2

2015年04月04日 | 旅行

2015年3月24日(火)、念願の縄文杉に出会える日です。
この日のために週2日の15km歩きでトレーニングを重ね、体力、気力とも十分です。
出会いまでに歩く距離は約11km、ヘッドランプを灯して荒川登山口を出発しました。


8kmほどはトロッコ道、そこには踏板が敷かれて歩きやすく、怖い橋もご愛嬌です。
この日は運良く、トロッコにも出会うことができ、軌道をゆずり道脇で記念撮影です。
ほぼ平坦な道中、小杉谷集落跡や三代杉などで伐採の歴史や杉の生きざまに浸ります。


トロッコ道が終わる大株歩道口からは一気に傾斜のきつい登山道になります。
先頭は屋久島ガイドの達人『アペルイの俊さん』、そして若いカップルが続きます。
俊さんの絶妙な屋久島の森の話に引き込まれ興味津々、疲れが出てきません。


樹齢1000年を越す杉だけを屋久杉といい、木質が緻密で樹脂が多く腐りにくいそうです。
画像は江戸時代に切り倒されて残った根株、いまだに存在感を示すウイルソン株です。
株の中は空洞になっており、人が入れる10畳ほどの内部は魅力がいっぱいです。
特に、ある場所から見上げるとハートが見えることから、大変に人気の切り株です。


崇高な森に圧倒されての登山の中でちょっと一息、ワニに食われたポーズの男子。
右奥の樹の幹に【49】のラベルがあり、【50】の縄文杉まで、あとわずかです。
屋久島は花崗岩の島、植物は岩盤の上に根を這わせ、地中に入り込む隙間を探します。
地表を這う根を傷めないよう登山道は木道、木道を下りた男子の左足は石の上です。


数千年の時を見つめてきた『縄文杉』との対面、ただただ呆然と見入るのみです。
幾種類もの植物をまとい、波うつひだとこぶに覆われた樹幹、ここは異次元の世界です。
訪れた登山者それぞれが、この神聖なる樹から強烈なメッセージをいただくことでしょう。


あちこちで姿を見せるヤクシカの表情から、屋久島の森のおだやかさが伝わってきます。
人間に警戒心を見せないヤクシカ、危害を加える動物は人を始めいないのでしょう。
シカと人間がお互いの世界に深く踏み込まない環境が保たれることを願います。


森歩きは、樹や水、けものや小鳥、シダやコケ、そして花々が疲れを癒してくれます。
紅い花がちりばめられたトロッコ道、上を見上げるとヤクシマツバキです。
可憐なオオゴカヨウオウレンがコケの中から、なごり花を見せています。
サクラツツジははしりの花、その横でヤクシマオナガカエデが赤葉を芽吹かせています。


山を下り、すでに15時30分、道に沿う安房川の安らぎの水辺に案内していただきました。
俊さんいわく、通称『エメグリ』、その名のとおりせせらぎはエメラルドグリーンです。
川原にはサツキがいっぱい、紅い花が咲く景観を想像すると瞬く間に時間が経ちます。


泊まりは安房港から歩いて2分のホテルオーベルジュ、18時過ぎに帰着しました。
お楽しみの夕食は、ペットボトルに汲んだウイルソン株の少し上の湧き水を使います。
島一番のおいしい湧き水で島焼酎の水割り、肴は屋久島自慢のトッピーの唐揚げです。
屋久島の偉大さ、登りきった満足感、島に融け込む俊さん、思い出し水割りが進みます。
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