信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

白い花咲く太郎山

2014年05月31日 | 山野草
上田市民の山として親しまれている『太郎山』は標高は1,164mの里山です。
今の時期は、たくさんの種類の白い花が山を装います。





登山道は、地元の皆さんのおかげで、大変に良く整備されております。
表山道コースは、ほぼ一丁おきに建てられているお地蔵さんに励まされて登ります。
画像は裏山道コースの入り口で、山頂まで約1時間のお手頃コースです。




太郎山にはたくさんの楽しみがありますが、そのうちの一つは樹木観察です。
画像のような樹の説明板があり、山頂までに100以上が取り付けられています。
表示のついた樹を探し、名前や特徴を憶えたり写真を撮って楽しめます。
標示板には「わがまち魅力アップ応援事業 上田自然に親しむ会」とあります。
上田自然に親しむ会の皆様ありがとうございます。
もっともっと標示板を増やしていただけることをお願いします。




画像の白花4種類は、いずれもスイカズラ科のガマズミ属で、今が花の盛りです。
樹についた名札を頼りに、調べておいた各種類の特徴を比較してみました。
花では、「オトコヨウゾメ」が他の3種との見分けは容易でした。




葉の形は、「ガマズミ」が広卵形か卵形で「ミヤマガマズミ」が倒卵状形とあります。
それに近い葉を写真に撮りましたが、どの葉もそうというわけではなく、難しいです。
「コバノガマズミ」は葉柄が数ミリと短いとのことで、これは見分けには有効な特徴でした。
また、オトコヨウゾメの葉柄も短く、ガマズミの1cm以上との差は歴然です。




ガマズミとミヤマガマズミの見分けですが、毛を比較してみました。
ガマズミは葉の両面に毛が多く、長い毛や短い星状の毛があり、ざらつくとのことです。
ミヤマガマズミは毛が少なく、葉柄や葉の裏面の葉脈上に長い絹毛があるとのことです。
毛の濃い薄いは、株による違いがあるようですし、毛は小さくて老眼の私には難関です。
オトコヨウゾメは毛が少なく、触ってみるとツルツルして肌触りがいいです。
コバノガマズミには托葉(赤い矢印)があり、他との見分けのポイントです。
黒い矢印は腺点ですが、ガマズミ属は葉裏の基部に2,3個が見られるそうです。
ガマズミは葉裏全面に細かい腺点があるとのことで、それらしき葉を探しました。




名前に『ウツギ』と付く樹は種類が多くてややこしく、おぼえるのは容易でありません。
画像の「ツクバネウツギ」はスイカズラ科、5枚のガクが羽根突きの羽根に見えます。
「ヒメウツギ」か「ウツギ」か迷ったのですが、当地で今咲くのはヒメウツギでしょう。
「ミツバウツギ」はミツバウツギ科で、葉も花も特徴があります。
「カマツカ」はバラ科で名前にウツギはつきませんが、ややカマズミっぽい花です。




花も葉もかなり異なりますので、頭の整理さえつけば見分けられそうですが、はて?
「ウツギ」と「ヒメウツギ」は、これからじっくりと観察します。
ウツギは葉に星状毛が密生してざらつき、花期は5-6月、雄しべの翼が発達し四角い。
ヒメウツギは葉の毛が少なく、花期は4-5月、雄しべの翼の先が長くのびるとのこと。
画像中のウツギは名札がついていまして、たくさんの短い星形の毛がはえていました。




「ウツギ」はアジサイ科(ユキノシタ科)のウツギ属です。
画像は、アジサイ科で花の咲いていない仲間や、ウツギが名前につく太郎山の樹木です。
「コゴメウツギ」はバラ科で、「バイカウツギ」はアジサイ科です。
「ニワトコ」はスイカズラ科でガマズミと同じ科の仲間です。
「ノリウツギ」「ヤマアジサイ」「タマアジサイ」はアジサイ科(ユキノシタ科)です。




山頂付近には見上げる高さに白い花を風に揺らして咲いている樹がありました。
モクセイ科の「アオダモ」とバラ科ウワミズザクラ属の「ウワミズザクラ」です。
神社の鳥居付近の広場に「マルバアオダモ」の名札がかかっています。
画像の花は、その樹ではありませんが、葉には鋸歯がありませんでした。
アオダモには葉の縁に細かいギザギザがあるとのことなので、マルバアオダモでしょうか。




裏山道は途中に『金明水』と名付けられた湧き水があり、渇いた咽を潤してくれます。
その上にもう1か所湧き水があり、付近のニリンソウがまだ白い花をつけています。
道脇の「エゾノタチツボスミレ(白花)」「クルマバソウ」「チゴユリ」が目にとまります。

真夏並みに気温の上がった5月の末、白花を追っかけ、のどはカラカラです。
カメラに納めた画像の整理を終え、自己満足して飲むビールは格別です。今日も最高。
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麗しの雑草の花

2014年05月24日 | 植物
当市の生涯学習講座『植物観察』で身近な植物を教わりました。
目から鱗!!!家のまわりの雑草をあらためてじっくり観察しました。





我が家の裏から続く道には雑草がびっしりはびこっています。
いつもは踏んづけている草ですが、座り込んで見入りました。
なんと、十数種類の雑草が花を咲かせています。
手前の左が「タチイヌノフグリ」、その横に這っているのが「トキワハゼ」です。




タチイヌノフグリはヨーロッパ原産の帰化植物です。
直立し10~25cmになり、無柄の青紫色の径4mmほどの小さな花をつけます。
花期は4~6月、昼のわずかな時間しか花を開かず、気付かれることの少ない花です。




左は「オオイヌノフグリで右がタチイヌノフグリの花と実です。
オオイヌノフグリの花は8mm~10mmほどの大きさです。
葉の上に顔を出し真上を向いてて咲くので、花がよく際立ち人目をひきます。
実はいずれも『ふぐり』の由来を想像できる、オオバコ科クワガタソウ属の雑草です。




サギゴケ科サギゴケ属の「トキワハゼ」です。
地を這う雑草で、ほとんど注目されてはいませんが、レンズをとおすと魅力的な花です。
花冠は長さ1cmほどで、下唇上には黄色と赤褐色の斑点が入ります。
花期は4~10月と長い間花を咲かせることから『ときわ』の名が付いているそうです。




どこにも生える、「ナズナ」(左)と「イヌナズナ」(右)の花と実です。
ナズナの実はぺんぺん草の名の通り、三味線のバチ形、イヌナズナは楕円形です。




道ばたにひときわ目立つ黄色い花が咲いています。





北アメリカ原産の比較的新しい帰化植物「オッタチカタバミ」ではないでしょうか。
本カタバミの特徴は、根茎から太い茎が垂直に立ち上がり抜きやすいこと。
そして、花柄は花後に水平方向に開き、果期になると、大きく反り返るとのことです。
右下は、お馴染みの雑草「カタバミ」です。




空き地にはびこる雑草は、帰化植物の「アメリカフウロソウ」と見当をつけました。
これから詳しく調べてみようと思います。




ムラサキ科キュウリグサ属の「キュウリグサ」です。
花径2~3mmほどの、淡い青紫色をした小さな五弁花で、花の中心は黄色です。
なんとも可愛い花なのですが、虫眼鏡下で始めてその可憐さが伺えます。




シソ科オドリコソウ属の「オドリコソウ」と「ヒメオドリコソウ」です。
春の舞姫オドリコソウは、踊り子が茎を取り巻き、輪になって踊っています。
ヒメオドリコソウは、1cmほどの小さな唇形をした淡い紅紫色の花を咲かせています。
雑草に魅せられ、今日は終わってしまいました。





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百体観音ウォーク

2014年05月18日 | 石仏
近隣市町村合同のスポーツ祭り「百体観音ふれあいウォーク」です。
百体観音は古くから地域の人たちに親しまれてきました。
今日は50番観音までの折り返し18kmさわやかコースに参加しました。





絶好の好天に恵まれ、運動公園には老若男女がぞくぞくと集まってきます。
コースは、一番観音、二十番観音、五十番観音、八十番観音の各折り返しです。
百体観音は、2011年3月10~23日に湯道百体観音めぐりで紹介してあります。




ここが東御市の新張にある1番観音で、地蔵峠を経て嬬恋村の鹿沢温泉まで続きます。
通称「湯道」に一番から百番までの観音様が1町(約110m)ごとに祀られております。
一番観音は、大きな如意輪観音で、願いをかなえてくれる観音様だそうです。
報道のお姉さんが、カメラを抱えて忙しく移動中です。




二十番観音の千手観音で、千手千眼で万人を救ってくれる観音様だそうです。
百番までは6種類の観音石像があり、五十番までは以下のとおりです。

如意輪観音 にょいりんかんのん(1,7,14,18,20,39,44,47番)
十一面観音 じゅういちめんかんのん(2,4,31,34,42,48,49番)
千手観音 せんじゅかんのん(3,5,6,9,12,16,19,20,22,23,25,26,30,32,33,37,41番)
聖観音 しょうかんのん(8,10,13,15,17,21,24,28,35,36,38,43,45,46番)
准胝観音 じゅんていかんのん(11.40番)
馬頭観音 ばとうかんのん(29,50番)




8時45分に運動公園を出発し9kmを登り、11時に五十番観音に到着です。
五十番観音は、大きく存在感のある秀作の馬頭観音です。
大きな岩の上で、片足を伸ばした半跏の姿をしています。
顔が3つに腕が4手、大変な恐ろしい顔の古典的な姿です。
胸の前で馬頭印を結んだ指に力が込められ、強い願いがうかがわれます。
湯治客の無事を祈り、悪や障害を取り除く慈悲心をあらわしているそうです。




馬頭観音様のすぐ近くには巨大な「シナノキ」があります。
弘法大師や木曽義仲の伝説が残るといわれる由緒ある銘木です。
根元には二つの祠があって、いかにも神々しい樹です。
林野庁の森の大樹百選にも数えられる樹だそうです。
推定樹齢三百年以上、幹まわり3.7m、樹高17m、枝張り18mと案内されています。
弁当をいただき、馬頭観音様とシナノキにお祈りして、いよいよ復路の出発です。




1時過ぎにスタート地点の運動公園に戻ってきました。
入り口には今年の1月25日に掲載した、なぞのシナノキの仲間が待っていました。
葉を開いていましたので、帰りにのぞいてみました。




葉柄、葉の裏、若葉には柔らかい毛が密集しており白っぽく見えます。
これはシナノキではなく、仲間のオオバボダイジュではないかと思います。
情報から察するに、ボダイジュ、フユボダイジュ、ナツボダイジュでもなさそうです。
あと残った情報不足の、セイヨウシナノキを調べて結論を出そうと思います。
なお、公園を設計した方は造園会社に「ボダイジュ」と依頼したそうです。


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南信濃巡り/道草仏岩

2014年05月10日 | 風景
連休後半は南信濃を巡ってきました。
今日は長門町の仏岩で里山歩きを楽しみました。


南信濃には長野県の伝統野菜のうち在来じゃがいもが数多く残されています。
旧清内路村、平谷村、売木村、天龍村、旧南信濃町、旧上村の各地域にです。
江戸の頃から作り継がれてきたとの説もあります。
まさに『奇跡のじゃがいも』と私は思っています。
今は芽が出始めたところでしたが、栽培地の雰囲気は十分に満喫してきました。




天龍村中井侍地区、切り立った斜面のお茶畑はまもなくお茶摘みが始まります。
眼下に望む天竜川から立ち上がる朝霧をいっぱい浴び、良質な茶葉が作られます。




ここは、信州遠山郷、旧上村下栗の私お気に入りのビュースポットです。
崇高な南アルプス聖岳を仰ぎ、急峻な地に馴染む人の強さと知恵を感じる場所です。




下栗の里の全景です。
つづら折りの坂道の合間に35度ほどの傾斜地で豊かな農作物が栽培されています。
ここで採れた、じゃがいも、こんにゃく、そばなどは『はんば亭』でごちそうになれます。
じゃがいもの名は「下栗二度芋」、白皮と赤皮の在来種が昔から作られています
下栗二度芋の味噌田楽は長野県の選択無形民俗文化財に指定されています。




長和町から白樺高原に向かう大門街道脇に仏岩への登り口があります。
以前は、知らないうちに通過してしまいそうでしたが、りっぱな標識が建っています。




頂上には、記銘のあるものでは県下最古で県宝に指定されてる宝篋印塔があります。
頂上の岩場での登頂バンザイは、足がすくんでとてもできませんでした。




山道沿いには「ヒトリシズカ」が花盛りで登山者を迎えてくれます。
写真を撮っていると、後から登ってきた方になんて言う花ですかと聞かれました
「ヒトリシズカ」というと、一人で静かに咲いている花かと思っていましたが・・・
ずいぶんとにぎやかに咲いていますね・・・名のイメージとの違いに困惑気味でした。




ヒトリシズカの花は珍しい形をしています。
葉は対生で2対が十字につき、節間が短いので輪生しているように見えます。
花弁はなく、花弁に見える白いブラシ状のものは雄しべの花糸で1小花に3本あります。
3本の花糸のうち中央を除く外側の2本の基部に葯がつき、熟すと黄色になります。
花糸の上にある白い玉が雌しべの柱頭で、その基部の丸い緑色の部分が子房です。




これは、我が家の庭の「フタリシズカ」です。(参考までに)
ヒトリスズカは開花期が1ヶ月ほど早く、4月の中旬に咲き終わりました。
茎の先に2本ないし数本の穂状花序を直立することからフタリシズカです。
白い花は、げんこつ状に見えますが、これは3個の雄しべです。
花糸は丸くなって背側を見せ、腹側に葯をもち雌しべを抱きます。




仏岩では「ハシリドコロ」も今が花の季節です。
葉が虫に食われていたので探すと、ニジュウヤホシテントウムシがいました。
ハシリドコロはナス科の有毒植物です。
じゃがいもなどナス科植物の害虫のテントウムシにハシリドコロの毒は効かないようです。


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連休初日は菜園日和

2014年05月03日 | 家庭菜園
暑いくらいのおだやかな日になりました。
今日は、信州うえだ農協東部営農センターの『苗まつり』です。
この日を迎えると、いよいよ家庭菜園も本番、気合いが入ります。





8時から売り出し開始ですが、大勢が並び15分前には入場です。
お目当ての苗を重いほど抱え、会計の順番待ちです。




私はナス、トマト、スイカ、キュウリなど9種類16品種を買いました。
ポットにさされた割り箸の先に色が塗られており、これが値段の目印です。
例えば、接ぎ木苗のナスは220円、接ぎ木してないナスは70円です。
接ぎ木苗は値段が高いのですが、土壌病害が出る菜園では接ぎ木苗に限ります。
わが家の裏の菜園はナスに「半身いちょう病」というやっかいな病気が出ます。
この病気に強い種類を台木にして接がれたナス苗を使うと病気が出にくいのです。




午前中には植え付けが終わり、きちんと植えられ大満足です。
トマトには雨よけビニールを張り、肥料袋を利用して風よけを施しました。
肥料は1㎡当たり70gほどで、手で約1握り半を目安にしています。
ナスは当面の間、夜間はトンネルを掛けて保温をしようと思います。
肥料は1㎡当たり120gほど(2.5握り)を目安にしております。




上の畑では、アブラナ科の野菜がまぶしいほどに菜園を彩っています。
多くの昆虫が黄色い花に誘われ躍動を始める季節です。
手前からノザワナ、ハクサイ、フユナ、ミズナなど、冬に耐えて花を開きました。
これらの野菜は全て、アブラナ属で花だけ見たのでは区別はつきません。
昨秋の収穫残りが冬を越し、早春に花蕾をごちそうになり、そして今は花見です。




この白い花もアブラナ科ですが、ダイコン属のダイコンです。
これから、花茎を伸ばし純な白い花を咲かせる姿は、奥ゆかしささえ感じます。
このダイコンは、種採り用に残しています。
たくさん種が採れるようなら、かいわれ大根の種子にしようと考えています。




種を播いて苗を育て、昨春に植えたオケラとトトキが大きな若芽を出しました。
「山で美味いはオケラにトトキ・・」と言われる山菜を食べてみたくて育てたのです。




オケラはキク科の多年草で雌雄異株です。
画像は、密生している綿毛と切り口から粘性の白い汁を出している状況です。
美味しい食べ方は、ごまあえ、からしあえ、油あえ、天ぷらだそうです。




トトキですが、和名はキキョウ科のツリガネニンジンです。
オケラ同様、毛が密生し、切り口からは白い粘液を出します。
食べ方はおひたし、和え物、みそ汁の具が良さそうです。
先日、念願のオケラとトトキを食べてみました。
かなり微妙な食感で、クセの少ない味と香りでした。


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