信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

満開の河津桜

2016年02月28日 | 樹木

ようやく「河津桜」との出会いが実現、幸運にも満開、圧巻の絶景を堪能してきました。
訪れる人々を迎えてくれる河津桜の名木『かじやの桜』、絵に描いたような容姿です。


2月27日は土曜日、天候と満開の花に恵まれ、河津桜の並木道は大賑わいです。
少し前までは無名の桜だとか、最近は桜まつりの期間中に150万人の人出だそうです。


天城連山を源に相模灘に注ぐ河津川に沿い、桜の並木道が4kmほど続いています。
桜並木の上方に位置する豊泉橋の上からの一枚、自分的にはここがビースポットでした。


河津川の清流が河津桜の花を引き立てます。

 
河津桜はソメイヨシノより早咲きで、花が大きく紅が濃い大変に華やかサクラです。


日が落ちた6時から桜並木の2ヶ所でライトアップが始まります。
ライトの光を浴びて浮かび上がる大きな花びらが漆黒の闇に映えます。


長い道のり、出店で道草、河津桜の盆栽に苗木、さくら大福でちょっと一服です。


花と葉をよく見ると、萼筒はやや壺形、萼片の先は鈍形で鋸歯はないようです。
花弁数は5枚、雄しべは30個ほど、雌しべは1個でした。


花柄にも葉柄にも毛がなく、葉の表にも裏にも毛は見あたりませんでした。
葉柄の上部に一対の蜜腺があり、托葉は長く分岐が多かったです。


画像は河津桜の原木、昭和30年頃に河津川沿で故飯田勝美氏が見つけたのだそうです。
オオシマザクラとカンヒザクラの自然交配種だと推定されているとのことです。
花が咲き始めて60年ほどの河津桜、今では大変な人気で20km以上の車の渋滞です。
温泉でリラックスし、美味しい海産物に舌鼓をうち、桜の花に癒された伊豆の旅でした。
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冬芽・葉痕その2

2016年02月20日 | 樹木

冬芽や葉痕の表情は、笑ったり怒ったり、また、見る人の感じ方によっても異なります。
クルミの仲間は、可愛く楽しい自然の傑作、ついついシャッターを押してしまいます。
画像は栽培されている「シナノグルミ」で、若い枝にも毛がないのが特徴です。


葉痕の顔型の輪郭に維管束痕や芽が絶妙に配置され、豊かな表情を作り上げています。
オニグルミやヒメグルミは、若い枝に毛が密生し、冬芽も褐色の毛がいっぱいです。 
テモミグルミの実は殻が堅くて表面がでこぼこ、2個を手で握りゴリゴリしてぼけ防止。


冬芽が子供の万歳ポーズでお馴染みのオオカメノキは葉痕も幼顔系です。 
紅紫色でつやがあるナナカマド、大きな冬芽のホオノキはのっぺり葉痕も目立ちます。
丸々としたレンゲツツジの花芽、鮮やかな赤い芽鱗にうぶ毛が白く縁取っています。


葉が変化したとされるトゲを持つ植物、トゲが芽を包み守っているようにも見えます。
ヘビも登れないヘビノボラズ、鳥も止まれないトゲを持つメギは別名 コトリトマラズです。


表皮が変化したトゲを持つノイバラとサンショウ、スグリのトゲは葉柄の変化だとか。
ノイバラの冬芽はルビー色に輝き、サンショウは体操選手のフィニッシュ決めポーズ。


冬芽は福顔、葉痕と維管束痕がつくるダブルハート模様、キリは隠れた幸の樹です。
実がついているのかと思い、一つを割ってみると、中から出てきたのは花芽のようです。


馬のひずめのようなクサギの大きな葉痕、冬芽は小さくちょっこと顔を覗かせています。
カキノキの維管束痕は一つで大きな半円形、クワはゴマ粒を輪状にまぶした感じです。


なんとも美しく流れるような曲線、ウリハダカエデの冬芽には見とれてしまいます。
ツノハシバミは赤目怪人か、実は、口は葉痕、赤目は芽で葉芽か雌花、頭は雄花です。


ヤマブキは冬でも樹皮が緑色、遠目にも目立ち、葉痕は小さいものの目鼻くっきり。
カクレミノとアオキは常緑樹、いずれも庭に植えられていた株です。


フジの葉痕には鳥が潜み、ムクロジの葉痕は今年の干支のお猿さんです。
今の時期、落ちているムクロジの実を手にとって振ると、カラカラと音を立てます。
飴色の実の中には硬い真っ黒な種、この種が羽根突きの羽の黒い玉の正体です。
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冬芽・葉痕さがし

2016年02月13日 | 樹木

散歩をしながら木々の枝先を覗き、表情豊かな冬芽や葉痕との出会も冬の楽しみです。
冬芽は寒さや乾燥から芽を守るため、防寒対策に様々な工夫を凝らしています。
画像は冬芽ではお馴染みの、何枚ものうろこ状の皮(芽鱗)で覆われている鱗芽です。
カスミザクラは、無毛できれいなつやがあり、まんがに描かれるような冬芽の姿です。
ソメイヨシは鱗芽が白毛で覆われ特徴的、冬芽での樹種の見分けが容易な種類です。


銀色に輝く毛皮のコートを羽織るのはモクレンの仲間、防寒対策は万全な冬芽です。
3種の冬芽の見分けは、ハクモクレンでは毛が先端方向に向かって行儀よく寝ています。
コブシは毛がフサフサと立ち、シデコブシは小振りで一年枝に白毛が密生します。


冬の日を浴びて光る大きな冬芽はトチノキ、粘着性の樹脂に覆われています。
この粘液の役目は、寒さや乾燥、虫対策が考えられているようですが、本樹の真意は?
葉が落ちたあとの葉痕(ようこん)は特徴的、大きなハートの中にボツボツが見えます。
このボツボツは維管束痕で、樹が水(導管)や養分(師管)を運んでいた管の跡です。


葉柄の付け根が袋状になって芽を覆う葉柄内芽という方法も防寒対策の一つだそうです。
画像は葉柄が落下した後の状態で、O型やU型の葉痕に囲まれた冬芽が現れています。
葉柄内芽を持つ樹には、画像の他にウリノキ、キハダ、ハクウンボクなどがあります。


ネムノキの冬芽は、葉痕の中に隠れている隠芽タイプで、芽吹きの遅いお寝坊さんです。
葉痕の上の丸い芽は副芽で、主芽が育たなかった時の予備の芽になるようです。
ダークの樹皮上に人面相を模す葉痕、異様な雰囲気を放ち、かなり不気味です。



これまでの5題は全て鱗芽でしたが、アジサイの冬芽は裸芽(らが)になります。
冬芽の冠に王子様顔の葉痕、葉が対生することから背中合わせに2つの顔を持ちます。
左から、王子の顔アップ・上半身・全身裸像と、やや趣味悪のいたずらイメージ画像です。
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奇妙な松ぼっくり

2016年02月06日 | 樹木

臼窪湿原を左手に見る烏帽子岳登山道の入口には、針葉樹の人工林があります。


何回となく通る道ですが、始めて松ぼっくりの存在に気がつきました。
幹や葉はトウヒの仲間のようですが、松ぼっくりが横向きにつくなど様子が違います。
???さてなんなんでしょう???、登山道の入口でつまずいてしまいました。


トウヒやモミの仲間はよく似ていますが、いつの季節でも葉での見分けが確実です。
葉の様子をデジカメに納め拡大してみますと、トウヒの仲間に間違いありません。
そして、葉が扁平なことから、「エゾマツ」かその変種といわれる「トウヒ」が有力です。
いずれにしてもトウヒ属ですので、この仲間は松ぼっくりを下向きにつけます。
画像のモミ属とツガ属は、湯の丸スキー場周辺のシラビソとコメツガの小枝と葉です。
トウヒは葉枕(ようちん)が発達、モミの葉基部は吸盤状、ツガは葉枕に葉柄がつきます。


奇妙な松ぼっくりを大きく写してみると、なかなかの造形美です。


失礼して1個を手に取り、指で表面を掻き取ると、簡単に中心部が見えてきました。
家に帰って画像をもとに調べてみたところ、なんと、アブラムシの虫こぶだったのです。
エゾマツカサアブラムシがつくる、エゾマツシントメカサガタフシにそっくりです。
エゾマツ【植物名】シン【植物の形成部位】トメ・カサガタ【虫えいの形状】フシ【虫えい】。
なんとも巧みに植物の組織をあやつり、虫に都合のよい形に変化させています。


だいぶ道草をして、ようやく烏帽子山頂に到着です。
『真田丸』で盛り上がる上田平一帯は雪景色です。

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