群馬県中之条町六合(くに)地区にあるチャツボミゴケ公園です。
この場所は、昭和19年から40年まで「群馬鉄山」と呼ばれていたそうです。
露天掘りで鉄鉱石の採掘が行われ、最盛期には国内で2番目の生産量だったとか。
鉄鉱石を運ぶために旧太子線が敷かれ、駅が昭和19年に開業しました。
群馬鉄山から太子駅までの直線距離8㎞は索道での運搬だったそうです。
廃線後の駅の見学ができ、巨大なコンクリート製の遺構が目を引きます。
駅舎には索道の搬器や鉄鉱石など様々な資料が展示されています。
昭和40年に閉山となった後に忘れられていた山が、50年余り後に脚光を浴びます。
平成29年(2017年)2月に国の天然記念物に指定されました。
「六合チャツボミゴケ生物群集の鉄鉱生成地」としてです。
チャツボミゴケはコケの一種で、強酸性の温泉水が流れる場所に育ちます。
そして、チャツボミゴケが鉄鉱石をつくる? はて、はて???
案内板に「現在も鉄鉱石が生成されている」ともあります。
その場所を見に行ってみました。
正面が湯滝で、その下流の右側が生成されている場所ということになります。
この辺りのようですが、生成の仕組みは難してよく分かりませんが・・・。
生物の身体の内外に鉱物を作り出す作用の「バイオミネラリゼーション」とか。
気の遠くなるような長い年月をかけて鉄鉱石にかわっていくのだそうです。
湧水口は硫化水素の毒性が強いそうで、チャツボミゴケは見られません。
硫化水素が空気に触れて毒性が弱まる辺りから、緑色の塊が見られます。
また、真水が流れ込む下流は中和され、チャツボミゴケは減ってきます。
難しい話は置き、岩を覆うチャツボミゴケのいやしの景観です。
緑色のコケと白色の水泡が織りなす世界に見入ります。
展望スポットから見上げた、チャツボミゴケの群生地です。