信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

初対面オランダフウロ

2018年09月30日 | 山野草

近所の道脇で、小さな草が目に留まりました・・・初対面です。
果実の様子から、フウロソウの仲間と見当をつけました。


フウロソウ科といえば、お馴染みのゲンノショウコです。


初対面の株と葉の形はかなり違いますが、果実の形はそっくりです。


フウロソウ科には、オランダフウロ属とフウロソウ属の二つの属があるようです。
初対面の株は、葉の形が羽状複葉であることから、オランダフウロ属でしょう。
ゲンノショウコは、フウロソウ属の特徴の葉が掌状に分かれています。


日本には3種のオランダフウロ属の帰化植物が見つかっているようです。
見分けは、図鑑.jpから神奈川県植物誌や図説植物検索埼玉などを引用しました。


初対面株の特徴は、葉が羽状複葉で、果実の長さは4cmほどでした。


萼の先端には棒状の突起があり、その先に1~2本の刺毛がついています。


果体先端の凹みの部分をルーペで観察しましたが、腺毛は見られませんでした。
これらのことから、初対面株をオランダフウロとしました。


画像は、裏の空き地で毎年花を咲かせる帰化植物のアメリカフウロです。
フウロソウ属の特徴の、葉は掌状、雄しべ10個すべてが葯付きです。


この画像は、土手上の道に生える羽状複葉の謎の植物、来年は花を見てみます。


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タツノヒゲ属の見分け

2018年09月22日 | 山野草

これまで疎遠なイネ科ですが、春からタツノヒゲ属を探してきました。
迷いながらも、なんとかタツノヒゲにたどりつきました。
一度おぼえると分かりやすい草姿で、あちらこちらで見かけます。


同属のヒロハヌマガヤ、現地までご案内をいただきようやく巡り合えました。
「日本のイネ科植物では稀品中の稀品・・・」と記された図鑑もある希少種です。
花時の花序はほぼ直立ですが、果時には重みで下がってきます。


ようやく分かりかけた両者の見分け方、忘れないうちに書きとめます。
タツノヒゲは、穂が出た直後が画像の上側の状態、すくに花序枝は開出します。
花序の主軸に対してほぼ直角に出る花序枝の様は印象的で、目につきます。


それに対しヒロハヌマガヤは、花序枝を斜めに出します。


小穂の付き方も異なり、タツノヒゲはヒロハヌマガヤに比べ、かなりまばらです。


葉鞘の毛は、タツノヒゲでは目立ち、ヒロハヌマガヤには見当たりません。


果実の大きさにも差異があり、ヒロハヌマガヤの方が長めです。


ある文献では、ヒロハヌマガヤは「内穎の竜骨に2列の刺毛があり」とあります。
見分けの重要ポイントとのことですが、これが黄色の矢印の部分なのかどうか?
なんとかイネ科と仲良しになろうと思うのですが、なかなか難関です。
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トリカブトに集まる虫

2018年09月15日 | 山野草

トリカブトの花が高原や幽谷の水辺に濃紫の花を咲かせる季節になりました。
この美しい花を咲かせるトリカブトが、強い毒を持つことは皆が知るところです。
その猛毒のトリカブトを目指して昆虫が吸蜜にやってきました。


全草に毒を有するトリカブトですが、相性の良い昆虫が何種類かいるようです。
この昆虫も前出の花の昆虫と同様にトラマルハナバチのようです。


蜜を求める昆虫は、花のしべの部分を目指してほぼ水平に飛んでくるのだとか。
それは、昆虫が横から入るような花の構造になっているからなのだそうです。


いまマルハナバチが止まっている花の部分は、右画像にあるしべの部分です。
目指す蜜はこの奥深くですので、トリカブトの作戦通り花粉の授受が起こります。


花弁の部分は通常萼片に包まれているので見えませんが、変形花を見つけました。
上萼片が縮み花弁の構造が良く分かりますが、唇部の先が紫色に染まっています。
これが蜜の入口であることを昆虫に教える「蜜標」になるのだそうです。


この花は、昆虫に萼片を食われたものか、花弁がむき出しになっていました。
距から蜜が浸みだしているのか、アリが距にしがみついて離れません。


果実を画像に納め、帰って拡大してみると、幼虫の姿を発見しました。
何株かの画像を撮り、数分後に同じ果実を撮ったものが右の画像です。
なんと、幼虫がいた部分に食痕か、2つの穴が開いていました。


トリカブトの仲間は、キンポウゲ科トリカブト属で、今回は2種を見ました。
画像の特徴の他に舷部もポイント、3つ前の花弁の画像の花はサンヨウブシです。
舷部が膨大しないで、距に向かって次第に狭くなっているのが特徴です。

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湯ノ丸高原のフウロ?

2018年09月08日 | 山野草

湯ノ丸高原の人気の花、案内パンフなどでハクサンフウロと紹介されています。
一昨年、「これらはほとんどがイブキフウロである」との指摘がありました。


そこで、見分け方などについて調べてみました。
イブキ、ハクサン、エゾは似ており、見分けのポイントは萼片の毛のようです。


湯ノ丸高原の通称ハクサンフウロの花弁の先端は、ほとんどが丸くなっています。
ですが、萼片に開出毛が散生していれば、イブキフウロなのだそうです。


伊吹山に生育するイブキフウロの花弁は3裂していた、との情報がありました。
湯ノ丸高原でも、まれに花弁の先が3裂の花を咲かせる株もあります。
これで、萼片の毛が開出していれば紛れもなくイブキフウロで納得なのですが。


ところが伏毛だったりすることもあり、ますます混迷が深まります。


毛の状態は、圧倒的に多い開出毛散生の他、伏毛や開出毛密生も見られます。


霧ヶ峰の車山や美ヶ原に生育する株はハクサンフウロとのことです。
萼片の毛が見事に伏毛、湯ノ丸高原の株との差異は明瞭で納得です。


近隣で見られる仲間の4種を比較してみました。
花の大きさや色などでは、イブキフウロとハクサンフウロの違いは分かりません。
アサマフウロは、花の色が濃く、径が約35mm(他種は約25mm)と大輪です。
タチフウロは、花弁の基部から伸びる脈の色が濃紫色で目立ちます。


托葉を比較すると、合生か離生かでは、アサマフウロは主に合生でした。
タチフウロは、4種の中では托葉長が短く約4mmで他種の半分ほどでした。


萼片の毛は、アサマフウロ、タチフウロとも圧着していました。
画像の撮影地は、イブキフウロが湯ノ丸高原、ハクサンフウロが車山です。
アサマフウロは軽井沢町植物園、タチフウロが霧ヶ峰池のくるみです。


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大花見小花見のこれ何

2018年09月01日 | 山野草

長野市信州新町の大花見池(おおげみいけ)を訪れました。
池の縁にたくさん落ちている奇怪な物体、さて何でしょう・・・・


正解はヒシの実、古くなったので、しぶく黒みがかっています。
かっては食用として親しんだ実、懐かしく再会です。


今は花の時期で、白い小さな花と成り始めの実が見えます。
葉柄のふくらみが空気を含み、浮力を得ているのだそうです。


こちらは、小花見池(こげみいけ)で見た物体、さて何でしょう・・・・
信州新町の名物「おやき」でもなく、「目玉おやじ」でもありません。


正解はウメガサソウの若い実です。
花弁が落ちて子房が膨らみ、先端は柱頭のなごり、周囲の5個はがく片です。


小花見池の縁に、数株のヌマトラノオが花を開き始めています。
似たオカトラノオとの見分けは、葉が細く、花穂の先が垂れません。


たくさんのツルボの花が、陽当たりの良い草地を飾っています。
そこから見下ろす稲田は、黄金色に染まり始めました。


長野市信更町高野の池に咲くヒツジグサ、スイレン科の水生多年草です。
羊の刻(午後1~3時)に花が咲くことが名の由来とか、実際は???


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