国指定の天然記念物、湯ノ丸山レンゲツツジ群落の保全調査場所です。
この日は、花芽の調査です。
夏に来年の芽ができますが、花芽は丸く葉芽は細く、すぐ見分けられます。
レンゲツツジの花芽ですが、この状態で冬を越すので冬芽です。
芽鱗は花や葉の原基(お腹の赤ちゃん)を冬の寒さや乾燥から守ります。
調査時に芽鱗の色が違うことに気が付きました。
花芽と株番号を記録して、来年の開花時に花の色と比べて見ようと思います。
天然記念物指定の意義の一つが「花色の紅色に濃淡の差がある」です。
花見の際は、花の色の違いを見比べると楽しみは2倍になります。
また、意義のとおり学術的にも個体変異の資料として貴重な資源です。
保全調査の場所にはこんな立札があります。
天然記念物のレンゲツツジを守るためにいろいろと試みています。
明治37年に湯ノ丸牧場が開設され、ウシやウマやヒツジが放牧されました。
レンゲツツジを食べない家畜は、結果的にレンゲツツジを守り増やしてきました。
現在は放牧牛が減り、人の手で僅かな場所のレンゲツツジを守っています。
2009年のツツジ祭りの頃ですが、レンゲツツジが山の中腹を覆っています。
最近は他の樹木の勢いに押され気味で、この景観は見られなくなりました。
それでも人の手の入っている場所のレンゲツツジは元気いっぱいです。
今年の花芽調査で、この株は500以上の花芽をカウントしました。
調査区の花芽の数は例年の倍近くで、来年の開花時が待ち遠しいです。
冬の凍みと乾燥は冬芽の大敵、守ってくれるのは雪布団です。
23日と25日未明には里に雨が降り、山は雪かと期待したのですが・・・