クロビイタヤとシバタカエデが見たくて、両種が自生する菅平を訪ねました。
ご案内いただいたのは、菅平の自然に詳しい木村さんです。
菅平自然園のクロビイタヤ(黒皮板屋)、名前のとおり樹皮は黒ずんでいます。
葉身は直径12cm前後で、掌状に5裂して、 裂片はさらに羽状に切れ込みます。
つばさを持つように見える翼果と呼ばれる果実をたくさんつけていました。
図鑑には葉の両面は有毛とありましたが、葉表の毛は確認できませんでした。
白毛が、葉柄と葉裏の葉脈には多数生え、葉腋や基部葉腋には密生していました。
果実は2個からなる分果で1個の長さが3cmほど、翼は水平に開いています。
果実が熟すと真ん中から二つに割れ、翼を風に乗せ飛んでいくのだそうです。
菅平自然園から車で移動して数分、クロビイタヤとシバタカエデの自生地です。
この樹はシバタカエデとのこと、樹皮は同様に黒味を帯びてガサガサしています。
葉の切れ込みはクロビイタヤより浅いとの話もあるようですが、はて?
毛の生え方も、クロビイタヤとの違いはなさそうです。
分果の開きも同様で、水平に開いています。
両者は、果実に毛があるか、それとも無いかで分けるのだそうです。
画像の果実には白毛が見えますので、クロビイタヤです。
こちらの果実はツルツル、この場合、シバタカエデとなるのだそうです。
果実を高い位置につける株の見分けは、果実が落ちる秋まで待つのだとか。
この見分け方の難点は、どの樹から落ちたのか分からないことが多いとか。