信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

姫木平に咲く巴草など

2024年08月31日 | 山野草

長門町の姫木平でトモエソウの花見です。
オトギリソウ科の多年草、草丈が1m前後でよく分枝します。


5個の花弁を上から見ると巴形、この形から“巴草”です。
花は黄色で径が5cmほどと大きく、存在感のある草花です。


花の中心には雌蕊があり、花柱の先が5裂して反り返ります。
その周囲に多数の雄蕊があり、数十個ずつ5つに分かれて基部で合着します。


若いキリギリスらしき昆虫が花粉をごちそうになっているようです。
葯ごと食べるようで昆虫側の葯がなくなって花糸のみが残っています。


蕾や果実の肌はつるつるで、蝋細工のようです。
萼や花弁に黒点や黒線はありませんが、萼の脈間に明線があります。


葉は披針形で基部は茎を抱きます。
葉を透かして見ると、明点がたくさん見えます。


シソ科のヒメシロネとツルニガクサが林道脇に並んでお目見えです。
ヒメシロネは葉幅15mm以下、茎太3mm以下、シロネはそれぞれが以上です。


ヒメシロネの針状に尖る萼裂片です。
白い腺毛に覆われるツルニガクサ、粘るので昆虫(黄線→)が捕まっています。


ゴマノハグサ科のタチコゴメグサ、草丈は20cmほどでひょろっとしています。
花は白色で径が数mmの小さな花で、“小米”に例えたそうです。


姫木平スキー場内に咲くキンポウゲ科のツクバトリカブトです。
ツクバトリカブトは、葉が基部まで深く3裂し、花柄には屈毛が生えます。
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白駒池周辺をひと回り

2024年08月24日 | 自然

高見石から見た昨日(8月23日)の白駒池です。


振り返ると、高見石登り口の高見石小屋です。


小屋の広場から見上げると高見石のてっぺんが右上に見えます。


高見石小屋の名物、あげパンです。


今年は雨が多いのか、セイタカスギゴケなど苔の森の緑が輝いています。


キノコの仲間も元気いっぱいです。


花が咲いたようなセリバオウレンの果実です。


このトンボはムツアカネ? 濃い黒が♂で茶色が♀でしょうか。


苔の森の登山道、たくさんの種類のコケに出会えます。


中央の木道は広く、小さなコケをじっくりと撮影できます。
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オトギリソウ属の特徴

2024年08月17日 | 山野草

今年はオトギリソウ属との出会いが多く見分けの特徴をまとめてみました。
オトギリソウ科オトギリソウ属のオトギリソウ(弟切草)です。
日当たりの良い草原や野山にふつうに見られます。
見分けの特徴:草丈、分枝の程度、葉の形、葉の最大幅の位置。


見分けの特徴:葉につく黒点と明点の状況、花柱と子房の長さ比べ、
       雄蕊が基部で合着するかしないか、合着した束の数。


見分けの特徴:萼片や花弁につく黒点、黒線、明点、明線の状況。


サワオトギリ(沢弟切)、山地の水辺や湿地に生えます。


葉面の明点や花柱の長さなどオトギリソウ属の中では見分けやすい種類です。


イワオトギリ(岩弟切)、亜高山から高山帯に分布する高山植物です。


弟切とはその昔、この草の秘伝薬の秘密を漏らした弟を兄が斬り殺したとか。
その際に飛び散った血が、葉などの黒点とされる恐ろしい名の由来です。


シナノオトギリ(信濃弟切)、高山植物でイワオトギリによく似ます。


コケオトギリ(苔弟切)、湿った場所に小さな株を這わせます。
葉は明点のみで、雄蕊が5-8個と少なく基部が合着しないなど特徴的です。


ニッコウオトギリ(日光弟切)、高原の陽当たりの良い草地にはえます。
画像は従来アカテンオトギリと呼ばれた株です。


コゴメバオトギリ(小米葉弟切)、ヨーロッパ原産の帰化植物です。
湯ノ丸高原の地蔵峠や霧ヶ峰高原の道路沿いにも見られ勢力が拡がっています。


コゴメバオトギリはセイヨウオトギリの亜種とされ、葉が小さめです。


花をたくさんつけて豪華さがあり、外来種のわりには大事にされているのかも。


トモエソウ(巴草)、背が高く花が大きいトモエソウは夏の草地で目立ちます。


これまでに出会ったオトギリソウ属8種類の見分けの特徴です。
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中山道和田山中のリス

2024年08月10日 | 自然

江戸時代の主要街道のひとつ中山道の和田宿本陣です。


和田宿から難所の和田峠越えの街道(赤線)です。


観音橋付近で峠越えの山道に入ります。


しばらく登ると喉を潤す湧水が迎えてくれる江戸の頃の休み処「接待」です。


途中で、原に咲くツクバトリカブトに誘われて草むらに入ってみました。


ん! 切株のうえになにかが動いています。


デジカメをズームして覗いてみると、なんと縞のあるリスです。


シマリスは北海道、本州には縞のないニホンリスだけと思っていたのですが。


斜め正面と背中からの画像、きれいな縞を持つリス、いったい正体は???
野生化した外来種のシマリスもいるとか、こんな山奥に、はて???


街道沿いの草がきれいに刈られた中山道和田峠、コウリンカが花盛りです。

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納涼 夏山の花めぐり

2024年08月03日 | 山野草

霧ヶ峰の北西部に位置する八島ヶ原湿原は百花繚乱の季節です。
遊歩道はたくさんの花々に囲まれ、なかなか前に進めません。


ピンクの花が眩しいシモツケソウが標高1632mの高層湿原を彩ります。


運よく遊歩道に茎を伸ばしたシモツケソウに出会いました。
果実を拡大して見ると毛があります。
シモツケソウの果実は無毛、アカバナシモツケソウは毛を生やすとのことです。


標高1776mの男女倉山(ゼブラ山)山頂ではコウリンカが花盛りです。
眼下は40ヘクタール超の広さを持つ八島ヶ原高層湿原です。


ところ変わって、浅間山系の西端に位置する標高2066mの烏帽子岳です。
遠くに横手山を望む山頂の岩場にはイブキジャコウソウが咲き誇っています。


三方ヶ峰に続く標高2095mの見晴岳から前出の烏帽子岳を右側に望みます。
山頂のガレ場にはオンタデが花と実をたくさんつけています。


トーミの頭に咲くコキンレイカが雄大な浅間山に花を添えています。
どかんと座る浅間山を望むと気持ちが大きくなり寿命が延びた気分になります。


標高2366mの蛇骨岳山頂で仲間がホソバノキソチドリを見つけました。
今の時期あちらこちらで花を咲かせますが、ここでの出会いには感激しました。


登山道沿いに咲く紫花のミヤマシャジンと小さな白花が可愛いコメツツジです。


すばらしい青空となった池の平湿原、前日に訪れた黒斑山が間近に見えます。
夏の花のマルバダケブキとヤナギランが咲き始めました。
山の心地よい風に癒されての花めぐりで酷暑の夏を楽しみます。

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