こんな道脇は油断大敵、あっという間にヒッツキ虫にたかられてしまいます。
冬でも果実を残すこのヒッツキ虫は、キク科のセンダングサの仲間です。
果実は硬い棒状で、先端にはかぎ状の剛毛がついた数本の刺があります。
果実は熟すと、花床が反り返るので放射状に広がります。
どの方向から触れても刺がからんで、ひっつくことができるのです。
この辺りの道脇には5種類ほどのセンダングサの仲間が見られます。
このうち果実によって見分けられるのは、アメリカセンダングサです。
果実を並べてみましたが、アメリカセンダングサは一目瞭然です。
他の4種類は似ており、先端の刺の数も2-5本と一定ではありません。
似た4種類の果実を並べてみましたが、見分けは難しそうです。
花の時期であれば、舌状花の有無や色で、4種類の見分けは容易です。
この辺りでは圧倒的に多いコセンダングサ、舌状花はありません。
画像左は、白色の舌状花が目立つコシロノセンダングサです。
画像右は、外側に白っぽい花弁が見えるアイノコセンダングサです。
3種類の頭花と外側の花弁を比べてみました。
アイノコセンダングサは、1と3の雑種とされているようです。
舌状花が黄色であればセンダングサ、舌状花の数はふつう5個です。
コバノセンダングサの舌状花も黄色ですが、葉の様子がかなり違います。
舌状花が散った場合は、総苞外片の形も見分けのポイントになります。
この特徴は、判断が悩ましい中間的な形もあります。
アメリカセンダングサは長い総苞が目立ち、他の4種類との見分けは容易です。
ふつうは筒状花のみですが、稀に小さな舌状花が混ざることもあるそうです。
長い総苞が似るタウコギとは、葉や根の形状、果実表面の毛などが異なります。