信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

故郷の野山を想う 秋

2018年01月27日 | 自然

短い山の夏が終わると、「りんどう」が山を鮮紫色に飾ってくれます。
センブリは家庭薬として採りましたが、花は美しいうす紫色です。


稔りの秋、野山を歩けばおやつに当たる嬉しい季節です。
アケビを頬ばって甘い汁を堪能した後、黒い種を口から吹き飛し競争です。
霜が降りると甘くなる「しらくち」、食べ過ぎ、舌があれることもしばしばです。
ハシバミは香ばしいナッツ、貴重ですので見つけると分け合って楽しみました。
晩秋、遠目にも赤色の実が目立つ「ごみし」、口中に不思議な味が広がります。


甘酸っぱい「こなし」は、子供達に人気でしたが、小鳥も大好きです。
美味しかった「あさまぶどう」やコケモモ、最近は動物専用になりました。
台風の風はクリやヤマブドウなどの果実を落とすので、ゲットのチャンスです。
通り過ぎるのが待ちきれず山に出かけ、両親にきついお灸は苦い想い出です。


お盆が終わる頃、きのこファンが野山を駆け巡る季節になります。
「ちいぼこ」と呼ばれる白い乳液を出すチチタケ採りから始まります。
一部の食通がねらう「はえとり」、ゴザの上で乾燥させていました。
そのゴザにハエが死んでいる光景が今でも脳裏に焼き付いています。


子供達は自然遊びの名人、故郷の野山を遊びの宝庫にします。
男子は赤胴鈴之助になりきり、外出時には銘刀?を離しません。
これから「すみか」と呼んでいた、山の隠れ家づくりに出発です。
川にかかる蔓を見つけると、元を切り、岸から岸へのターザンごっこです
そんな友と遊んだ野山を想う時、「♪忘れがたき故郷♪」を口ずさみます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

故郷の野山を想う 夏

2018年01月20日 | 自然

夏になるとキキョウやオミナエシなどが、野山にたくさん咲きました。
これらの花は、お盆の花として地域の人々に大切にされていました。


平成の今も野山を彩り、訪れる人々を和ませてくれる花々です。
「とっかんばな」の若い花を手の平にのせてたたくと、トッカンと鳴ります。
このトッカン音の大きさを競い遊んだ一こまが懐かしく想い出されます。


通学時の道すがら、昆虫採りが男子の最大の楽しみでした。
ハルニレの木に登り、枝をゆらすと、バタバタと「くわがた」が落ちてきます。
これを学校に持ち寄り、体の大きさ比べや力比べで大騒ぎになります。


清流には場所により主がおり、淵にはイワナが、浅瀬にはカジカが潜みます。
夏休みに入ると、冷たい水との我慢比べでイワナつかみにでかけます。
初めて足を伸ばした下流の大きな淵で、水面から飛び上がる数匹の魚を見ました。
皆が一声に「ようだ」、魚を‘よう’といい、その‘よう’はヤマメの群れでした。
その時の、興奮して舞い上がった光景を、今でも忘れることがありません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

故郷の野山を想う 春

2018年01月14日 | 自然

雪が融け、春になると、野山いっぱいに花々が咲き競いました。
人気の花は「おさらばな」、学校帰りに花を摘み、腕時計や首飾りを作るのです。
近年は見られなくなった「ちんころばな」、敷き詰めらたように咲きました。
図中の名前は、子供たちが呼んでいた故郷の呼び名をひらがなで書いてあります。


山に入ると目立っていたこれらの花々、名を知ったのは大人になってからでした。
アツモリソウと山で出会ったとき、その不思議な花の形に見入ったものです。


多くの木々も花を開き、ツツジ科やバラ科の仲間は春の山を豊かに彩ります。
野山いっぱいにあった「おにつつじ」、その花を摘み、花の元を口に含みます。
軽く吸い込むと、花の蜜が口に広がり、その甘さに笑顔がこぼれたものです。
大人になってから、レンゲツツジの蜜中毒があることを知り、びっくりです。


「こなし」はたくさんの花を咲かせ、樹全体を真っ白に包みます。
木には多くの昆虫や鳥が訪れますが、毛虫が多く近寄りがたい木でした。
今になって思うと、「こなし」の木は生態系の縮図だと感心しています。

 
雪溶けの4月、「ふきのとう」が日溜まりの土手に顔を出します。
父や母などから、“自然の恵み”の種類やありか(ある場所)を教わりました。
山菜採りは大好きでしたが、苦みがあったりして、食べるのは苦手でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

故郷の野山を想う 冬

2018年01月06日 | 自然

子供の頃は奥山暮らし、野山が生活や遊びの場所でした。
最近、その頃を想い出すと、唱歌『故郷』を口ずさんでいます。
昨年、記憶に残る野山とのふれ合いを挿し絵にして、会報に載せました。
それを、冬、春、夏、秋と、季節毎にまとめてみました。


冬になると一帯は雪で埋め尽くされ、里との道は閉ざされてしまいます。
子供達の大好きな馬「豊天(ほうてん)号」が引くそりで通学です。
手綱さばきのサービスがあると豊天が猛ダッシュ、子供達は大盛り上がりです。
吹雪の日もあり辛い通学だったでしょが、楽しい想い出だけが残っています。


雪の野山には縦横無尽にノウサギが足跡を残し、うさぎ道が出来ていました。
食卓は貯蔵野菜が主となる冬、猟で仕留められたノウサギは大変なご馳走です。
子供達も、巣穴探しや針金のワナ掛けなど、「うさぎ追いし かの山」です。
猟果はないのですが、雪をこぎわけてのうさぎ獲り遊びが楽しみでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする