信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

一薬草の花開く時7月

2016年07月30日 | 山野草

7月はイチヤクソウの仲間が花を開く時期、湯の丸高原で8種類の仲間に出会いました。
イチヤクソウ(一薬草)ツツジ科【ツツジ科はAPG植物分類体系:以下同じ】イチヤクソウ属
見分け:葉は楕円形で葉脈が太く、花は白色、萼片は細長く幅の3倍ほどで先が尖る。


ヒトツバイチヤクソウ(一葉一薬草)[イチヤクソウの変種]ツツジ科 イチヤクソウ属
見分け:葉脈が太く小さい葉を1~2枚つけ、花は紅色、萼片はイチヤクソウに似る。
花の色が同様のベニバナイチヤクソウとの見分けは、花期が1ヶ月ほど遅く、葉が小さい。


コバノイチヤクソウ(小葉の一薬草)ツツジ科 イチヤクソウ属
見分け:葉は円形で、長さが幅より長く、花は白色、萼片は3角形になり先が尖る。


ジンヨウイチヤクソウ(腎葉一薬草)ツツジ科 イチヤクソウ属
見分け:葉は腎形で脈に添う白紋があり、花は白色、萼片の切れ込みが浅く先は丸い。


ベニバナイチヤクソウ(紅花一薬草)ツツジ科 イチヤクソウ属
見分け:葉は光沢がある明緑色、花は紅色、萼片の長さは幅の約2倍で先が尖る。


ウメガサソウ(梅笠草) ツツジ科 ウメガサソウ属
葉は輪生状につけ基部まで鋸歯があり、花は白花、萼片は長く花弁とほぼ同じ長さ。


ギンリョウソウ(銀竜草)[別名:ユウレイタケ] ツツジ科 ギンリョウソウ属 
新エングラー体系ではイチヤクソウ科、クロンキスト体系ではシャクジョウソウ科。
色素はなく全体が透けた白色、茎には鱗片状の葉を多数つける。
花の先端に見える青みを帯びた平たい円形は雌しべ、その周囲が雄しべ。
葉緑素を持たない菌従属栄養植物で、ベニタケ属の菌類から栄養を得て生活する。


シャクジョウソウ(錫杖草) ツツジ科 シャクジョウソウ属 
新エングラー体系ではイチヤクソウ科、クロンキスト体系ではシャクジョウソウ科。 
全体が淡黄褐色、茎の先端に数個の花を下向きにつける(ギンリョウソウモドキは1個)。
茎には鱗片状の葉を多数つけるが、葉緑素を持たず光合成はしない菌従属栄養植物。


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おイモの美味しさ調べ

2016年07月23日 | 食材

4月下旬に植えた王国農園のジャガイモが、ぼつぼつ美味しくなる頃です。
「男爵薯」と「インカのめざめ」2品種の“美味しさ度”を調べてみました。


掘りあげたジャガイモは、ていねいに水の中で手洗いして土を落とします。
きれいになると2品種の色が違いが良くわかり、「白と黄色だ」との声があがります。


いよいよ美味しさ調べ、唇をかみしめ緊張の一瞬、お友達の手にも力が入ります。
魔法の水に入れたジャガイモが沈めば美味しさたっぷりなのですが、さて、さて・・・


白色のジャガイモは早生(わせ)の「男爵薯」、ポカリと浮かんでしまいました。
魔法の水の正体は、水1リットリに食塩(粗塩)を120gほど溶かした食塩水です。
ここに入れたジャガイモが浮いた場合、イモの中の澱粉比率が13%以下ということです。
これでは男爵薯ご自慢の粉ふきいもはできませんので、カレー用にお勧めしました。
収穫はもう少し先になります。


黄色のジャガイモは極早生(ごくわせ)の「インカのめざめ」、みごとに沈みました。
沈んだおイモを確認し、しばらくしてから緊張がほぐれ、安堵の笑顔がこぼれます。
美味しさがたっぷりと詰まったおイモになり、収穫適期になりました。
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湯の丸高原花便り7中

2016年07月16日 | 山野草

今の季節、湯の丸高峰林道は「ヤマオダマキ」の花街道です。
ヤマオダマキは、花弁状の外側が萼で赤褐色または黄色、内側は花弁で黄色です。
萼片の色が黄色で花全体が黄色の株は、キバナノヤマオダマキとも呼ばれます。
花の上のとんがり帽子状は『距:きょ』、普通は直立ですが、巻き込む株もあります。
この株をオオヤマオダマキとも呼びますが、中間型が多く、明瞭な識別は難しいです。


池の平に下る道は玄関口、山を訪れる方々を高山植物が出迎えます。
画像左は「テガタチドリ」、右は、例年になく早くに咲き始めた「ヤナギラン」です。


新しい植物分類法のAPG分類体系ではツツジ科となっている「コバノイチヤクソウ」です。
イチヤクソウとの花の見分けは、画像のとおり、萼片の形状がポイントです。


険しいがれ場を黄色の花でなごます「タカネニガナ」、ニガナの高山型だそうです。
ニガナやハナニガナは葉の基部が茎を抱きますが、タカネニガナは抱きません。


「シテンクモキリ」は、草陰に生えて気づかれにくい種類ですが、群生地もあります。
よく似たクモキリソウは高地では見られず、画像は標高1300m付近で見た株です。


高山植物の女王「コマクサ」、画像下の淡紅花の他、上の白花や濃い紅花が見られます。
濃い紅花は移植株が増えたものとのこと、山には淡赤花が馴染むのではないでしょうか。




高層湿原には雨に咲くニッコウキスゲがよく似合います。
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富士登山道はなめぐり

2016年07月09日 | 

7月5日(火)8寺30分に富士スバルライン五合目(標高2305m)を出発しました。
足慣らしにはちょうどいい平坦な山道、石堤を覆う高山植物に見とれ足が進みません。


オンタデは花を咲かせ、ミヤマヤナギは柳絮(りゅうじょ)を飛ばして迎えてくれました。


六合目に着く頃には森林限界となり、目指す山頂らしき山陰が見えてきました。
落石防止用の擁壁の網目には、フジハタザオなどの山野草が根を下ろし、花盛りです。


10時20分、七合目(標高2700m)の最初の山小屋『花小屋』に到着です。
ここからは急傾斜の岩場になりますが、高嶺の花々が間近に見られるようになります。


極寒乾燥の厳しい環境の中で生きぬく富士山の植物が、花を咲かせ実を結んでいます。
名にフジがつく代表種のひとつ、アブラナ科のフジハタザオはイワハタザオによく似ます。


標高2800m付近で見たベニバナイチヤクソウやミヤマハンノキなどの豊かな植生地です。
さらに100mほど高くなったイワヒゲの咲く山道脇で、イワヒバリに出迎えられ感激です。


12時30分に八合目(標高3040m)に到着、昼食はうどんとコーヒーで1200円なりです。
部屋の奥が二段ベッドの寝室、1畳あたり寝具1組、ここに2名が寄り添いおねむです。


14時20分に本八合目(標高3370m)着、高山病者お助け酸素は1本1500円です。
15時に宿泊する御来光館に到着、冷えたビールと夕食をいただき、18時には就寝です。


2時30分に山小屋出発、闇の中、ご来光を目指すヘッドライトの明かりが瞬きます。


そして、ご来光・・・『 歓喜 』


ご来光・・・・・・・『 祈り 』


そして、ご来光が富士山最高峰の剣ヶ峰を(標高3776m)を照らします。


下りは膝を痛めぬよう慎重に、それでも六合目までの下り所要時間は3時間弱でした。
見上げる山肌の砂礫地には、パイオニア植物が緑の葉を茂らせ花を咲かせています。


タカネバラの大きな紅の花が、疲れきった身体を癒してくれます。


五合目の樹林内に咲く季節の花々に、無事の下山を感謝しました。
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山に棲むモグラの仲間

2016年07月02日 | 動物

標高2080m付近の三方ヶ峰登山道で、すでに息絶えた小動物を見つけました。
モグラやネズミに似てはいるものの、ちょっと違いそうなので、デジカメに納めました。


この画像はモグラで、2015年11月14日に『働きもん』で登場したモグラくんです。
手が大変に大きく横向きで、甲は白っぽいうろこ状、尾が短いことなどが特徴的です。

 
この画像は、ネズミに穴を開けられたオニグルミ、右下が、ネズミの体と歯の状態です。
ネズミは、硬い殻をも砕く強靱な上下4本の歯、大きな耳と長いシッポなどが特徴です。


三方の謎の種は、手は下向き、甲は茶紫色、歯は約20本、耳は小さく、尾は中長で長毛。
これらの特徴から、モグラの仲間の「ヒミズ」または「ヒメヒミズ」と思われます。
両者の見分けは切歯、ヒミズは尖り、ヒメヒミズは平らとのことですが、画像不良で??。
ヒミズとは“日見ず”のことで、日の照る所には出てこないという意味だそうです。


昨年の9月、烏帽子岳の鞍部付近で、とてもひょうきんな姿の小動物に出会いました。
標高1850mほどの登山道、日当たりの中、餌を探しているのか忙しく動き回っていました。
当初ヒミズかなと思いながらも、尾の特徴が腑に落ちず、しまい込んでおいた画像です。


三方ヶ峰でヒミズと思われる動物を見て、この個体は他種であるとの確信が持てました。
それではいったい? 画像はこの2枚しかありませんので、謎はしばらく持ち越しです。
顔の尖りや小さい耳、尾の長さや短毛などから、トガリネズミ類に見当をつけています。
系統的な分類でのトガリネズミは、ネズミよりもモグラに近いグループだそうです。
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