信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

クヌギとアベマキ比べ

2024年06月15日 | 樹木

クヌギは大きな樹になり、ゴツゴツした樹皮が特徴的です。


葉の縁に並ぶ鋸歯は針のように尖り同属の仲間との見分けのポイントです。
ドングリも特徴的で、椀型の帽子には反り返ったイガ状の鱗片をつけます。


上田市の太郎山山系にはクヌギによく似た近縁のアベマキがあると聞きました。
クヌギとの見分けは葉裏の色だそうで、上を見上げて探し回りました。
この木の葉の裏は緑色です。


こちらの木の葉の裏は白みがかっています。
ドングリの赤ちゃんもついています。


葉の裏を並べてみると、色の違いがはっきりします。


解説によれば、緑色がクヌギ、白色がアベマキということです。
葉の裏以外にも違いがあるのだそうですが、この日は確認ができませんでした。


拡大して見ると、アベマキの葉の裏の白色は白い毛でした。


今週、出会った花々。
里山はミヤマママコナの花の時期です。
近縁のママコナとの見分けは、苞に歯牙がなく、花の喉の両側に持つ黄斑です。


豪華なトチノキの花も見納めの時期になりました。


緑の森に明かりを灯すように眩しく輝くショウキランです。
この名は、花の形が烏帽子をかぶった鍾馗様に見立てたとの説があるそうです。
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橋の下でサイカチ探し

2022年02月12日 | 樹木

千曲川に架かる橋の下の川原で、サイカチ探しです。


30分ほど探して、ようやく2本のサイカチを見つけました。
サイカチはマメ科サイカチ属、漢字では“皂莢”、ちょっと難しい字です。
別名はカワラフジノキ(河原藤木)、河原に自生し、フジの葉に似ます。


幹には鋭く長い刺、樹皮には皮目など特徴的で、あれば直ぐに分かります。
最初はなかなか見つからず、令和元年の台風19号で流されたかとも考えました。
株元を見ると、増水時の漂流物が刺に絡みついて残っていました。


樹のまわりには果実が落ちており、見上げると枝先にわずかに残っていました。


3本目に探したのは若い樹で、刺の数が多く、樹皮に皮目はまだ出ていません。
若い枝の刺の下には冬芽が1芽と葉痕がはっきりと見えます。
この鋭い刺、漢方では腫れ物やリウマチに効くとされているそうです。


果実は莢果(豆果)で長さは30㎝ほど、多くはねじ曲がっています。
凸凹している部分に種子が入っていますが、この莢で20数個の膨らみがあります。


莢を開いてみると、種子とともに幼虫と虫食いの種子が出てきました。
サイカチは硬実種子で、種皮に傷がつかないと水が吸えず発芽できません。
サイカチマメゾウムシが種子に食い入った際の雨の有無で運命が決まります。
食い入った後に大雨が降ると幼虫は溺れ死に、種子は水を得て発芽できます。
雨が降らなければ幼虫は種子を食い尽くして成虫に、種子は生を失います。


種子は長さが1㎝ほどで、スイカの種に似た形をしています。
右は食入された穴あき種子ですが、偶然にも発芽中の種子もありました。


サイカチの種子は、子供がおはじきなどにして遊んだのだそうです。
大人の手には小さめですが、幼児の手にはちょうど良さそうです。


莢にはサポニン含み、かっては洗剤として利用されていたそうです。
試しに、莢を5cmほどに切り、一昼夜水に浸し、莢を割ってさらに浸しました。
茶色になった水をたわしにつけて玄関のタイルを磨いてみました。
処理や使い方は自己流ですが、泡がどんどん出てきました。
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平成と令和を祝う花桃

2019年05月04日 | 樹木

平成31年4月29日、上田市武石余里(うえだしたけしより)の花桃の花見です。


今日は恒例のノルディックウォーキング、往復8kmのコースで花桃満喫です。


楽しみの一つ、期間限定の手打ち蕎麦、看板お嬢さんがお出迎えです。


令和元年5月2日、紅白の花桃が平成に感謝し、令和を祝っています。


杖をついた爺様が「こっちがいいよ」と手招き、ひょっとして花咲かじいさん?


花桃の花色は紅、白、ピンクと多彩、これは紅色、一番多く見られます。


赤色の中で輝く白色の花です。


優しいピンク色の花です


一つの花が紅白に染められ見事です。


一本の木に紅、白、ピンクの枝が混ざり、誠におめでたい花桃です。
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ケンポナシの熟れる頃

2018年10月20日 | 樹木

ケンポナシの大木、クロウメモドキ科ケンポナシ属の落葉高木です。


幹は、網目状の縦の割れ目が目立ちます。


花は、6月から7月にかけて咲きます。


小さな白色の花をたくさんつけ、葉は基部からのびる3本の脈が目立ちます。


花弁と雄しべは5個で、雌しべは1個、花弁は開花後にそり返ります。


秋になるとたくさんの実をつけます。


丸いのが果実、奇妙なグネグネが花序の軸、花が咲き終わるとふくらみます。


木の下にはたくさん落ちています。


拾い上げて、手のひらに乗せてみました。


熟れた “ごちそう” は花序の軸、口に含むと蜜汁が口中に広がります。
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台風で倒された木々

2017年10月28日 | 樹木

台風21号の風は、この地に引っ越してきて8年の中で最強のものでした。
公園のコナラの古木も幹の途中から折れ、その折れ口を見て感心してしまいました。
太い幹の中で生命活動をしていたのは、樹皮の下に白く見える僅かな部分のみです。
よくぞ、これだけのりっぱな若枝を伸ばし、青々とした葉を茂らせていたものです。


こちらはクリですが、コナラと同じように幹の中はすさまじい虫食い状態です。
虫のかじり跡によって樹皮が傷み、そこに木材腐朽菌が入り弱くなっていたのでしょう。


近所の庭の隅にあったキリの大木、幹の直径は60cm超、中は空洞でした。
空洞であっても、木に活力さえあれば生きていくにほとんど問題はないそうです。
強度の面でも、パイプ(中空管)が強いように、通常であれば大丈夫のようです。
それにしても残っているのは、樹皮と師部付近の約2cmの厚さ、たいしたものです。


標高1450m付近のカラマツの植栽林、急傾斜地に植えられた木が倒されました。
掘れ上がった根を見ると、横には伸びていますが、地中深くに伸びた根が見えません。
りっぱな木に育ったカラマツですが、雨風などの災害には弱いのでしょうか。


ここは標高2050m、篭ノ登山中腹のシラビソの幹がボッキリと折れてしまいました。
登山道の脇にあり、幹肌の特徴やヤニ袋の紹介をした樹でしたが、誠に残念です。
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