信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

キンコウカ科

2023年12月30日 | 山野草

キンコウカ科キンコウカ属のキンコウカ(金光花、金黄花)です。
撮影場所は、イワショウブと同じ日の苗場山の高層湿原です。


キンコウカ科には3属があり、長野県では3種類が確認されています。


ソクシンラン属(束心蘭属)のネバリノギラン(粘芒蘭)の特徴です。
同属のソクシンランは見たことがありませんが、見分けは下記だそうです。
ソクシンラン:根出葉は3脈、花柄・花被外面に縮毛、花被は白色。
ネバリノギラン:根出葉は7-11脈、花柄・花被外面が粘る、花被は黄緑色。


ノギラン属のノギラン(芒蘭)の特徴です。
葉はロゼット状になりネバリノギランと同様にショウジョウバカマに似ます。


ネバリノギランとノギランは、遠目にはよく似ます。
茎葉の有無も見分けのひとつですが、苞葉も似ていて迷うことも多いです。


茎が立ち上がり蕾が膨らんでくると、形の違いが分かってきます。
また、ネバリノギランの蕾は光って見えるように、腺毛があり粘ります。
ノギランは粘りませんので、歩道の近くにあれば軽く触れてみると区別ができます。


花が開くと見分けは容易です。
ネバリノギランの開花は、花被の下部が合着し、先端がわずかに開く程度です。
ノギランの開花は、花被が大きく6裂に開き、雌蕊や雄蕊が目立ちます。


キンコウカの特徴です。
前の2属とは葉の付き方と花の色が明らかに違います。


キンコウカの名の由来は、金色に輝いて美しいからとか。
花は鮮黄色で花被片6枚を星形に開き、6個の花糸には黄色の毛が密生します。
花先にポツンとつく橙色の葯が可愛く、近くで見ても遠くで見ても印象深い花です。


北アルプス八方尾根の夏、ゴンドラリフトを降りるとキンコウカが迎えてくれます。
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チシマゼキショウ科

2023年12月23日 | 山野草

チシマゼキショウ科イワショウブ属のイワショウブ(岩菖蒲)です。
夏の終わりから初秋にかけて、天空の湿原を彩ります。


チシマゼキショウ科は2属があり、長野県では6種類が確認されています。


イワショウブの花の特徴です。


果実が膨らみ始めると紅に染まり、華やかさを増します。


葉は、名のとおりショウブの葉に似ます。
名にイワもつきますが岩場には生えません。


蕾、花、果実がそれぞれの存在感を示しています。


イワショウブは花茎の上部から花序にかけて腺状突起を有して粘ります。
この腺に虫が粘りつくことから、別名をムシトリゼキショウと呼ばれています。


果実は、アキアカネの赤トンボより一足先に赤くなり、3個の花柱を残します。


同じ科のチシマゼキショウとの見分けは、苞につく花の数と腺状突起の有無です。
また、イワショウブは種子には尾があり、チシマゼキショウにはないとのことです。
まだ見ていませんので、こらからの楽しみです。


科の異なるイワイチョウは、イワショウブと同様に亜高山帯の湿地に生えます。
名にイワがつきますが岩場には生えず同様、白花で、遠目には似た者同士です。
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ユリ科から9科へAPG 

2023年12月16日 | 山野草

被子植物の分類は、APG(エーピージー)分類体形が主流になっています。
多くの種が含まれていたユリ科は9科に分割・再編されています。
これまでの分類は特定の形質の共有で、いわゆる見た目でほぼ見当がつきました。
APG分類体系は、DNAの塩基配列の差異に基づいていますので、目に見えません。
なかなか頭の整理がつきませんので、この冬に整理してみようと思います。


これまで親しんできた新エングラー分類体系のユリ科は表のようになりました。
また、同分類体系のヒガンバナ科もAPGでは整理され、ネギ属が加わりました。


APGⅢ分類体系でヒガンバナ科となったネギの花です。


各科の属を一覧表にしました(近隣に自生する植物の属)。


チシマゼキショウ科からサルトリイバラ科のうち、近隣に自生する種類名です。


そのうちの種類の画像です。


ユリ科とススキノキ科のうち、近隣に自生する種類名です。


ゼンテイカはニッコウキスゲの名の方がお馴染みです。


ヒガンバナ・キジカクシ科のうち、近隣に自生する種類名です。


キジカクシは “野生のアスパラガス” です。
次回からは、科、属、種ごとにまとめる予定です。
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嬬恋軽井沢自然倶楽部

2023年12月12日 | 自然

「一般社団法人嬬恋軽井沢自然俱楽部」が、2023年12月8日に解散しました。
解散当日の浅間山、当倶楽部のシンボルであり活動の中心地でした。


2010年に当倶楽部の前身の「嬬恋インタープリター会」の会員になりました。
画像は、2010年8月6日(金)~9日(日)のリーダー養成講座の様子です。


その年に仲間と受講したフリークライミングの研修です。
あれから13年、懐かしい想い出です。


初めてのイベント参加は、嬬恋村~鼻曲山~軽井沢へのトレッキングでした。
ナラタケを見つけ、食いつくように観察する会員の意欲が印象的でした。


ガイドは、野山案内、自然観察、歴史や文化探訪、児童の自然学習などです。
また、冬はスノーシューでのトレッキング、冬芽や獣の足跡探しは楽しみでした。


ガイドの心得「全員が無事にイベントを終えられること」と教えられてきました。
ガイド時の危険回避と事故が起こった際の対処法はくりかえし研修を受けました。


思い出に残るのは、万座本白根沢の天然カラマツ母樹林の銘木との出会いです。
S.37年にドイツのショハー博士が樹と対面して感涙したとの逸話があるそうです。


特定外来種のオオハンゴンソウ駆除も主要活動の一つでした。
8日の「臨時社員総会」の活動報告では、本年は3回実施とのことです。


軽井沢おもちゃ王国内で、子供たちに提供する自然体験は楽しい活動でした。
当初は私も時間があり、「子供農園」や「種から育てる山野草」に関っていました。


私自身の最後のイベント参加は「八島ヶ原湿原ハイク」でした。
楽しかった13年間、ありがとうございました。
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R5年のヤマブドウ搾り

2023年12月02日 | 自然

今年の10月に林道を歩いていて見つけたヤマブドウです。


垂れ下がった蔓から一粒採って口に含むと、香りと甘味がいっぱいに広がります。


11月下旬、垂れ下がったヤマブドウの蔓の下に軽トラを寄せます。


蔓の下側の実は落ちていますが、上にはたくさんの実がついています。


軽トラの荷台に乗って、垂れ下がった蔓をゆすると、バラバラと落ちてきました。


これを拾い集めます。


拾ったヤマブドウの実をさしあげ、ヤマブドウの木にお礼をいいました。


房から実を取り外しますが、かなり手間のかかる作業です。


この実を、ジューサーミキサーにかけてつぶし、布でしぼって濾します。


汁は煮沸し、熱湯消毒済みの貯蔵ビンに入れます。
今年の出来高は、500㎖ビンに2本半でした。
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