キンコウカ科キンコウカ属のキンコウカ(金光花、金黄花)です。
撮影場所は、イワショウブと同じ日の苗場山の高層湿原です。
キンコウカ科には3属があり、長野県では3種類が確認されています。
ソクシンラン属(束心蘭属)のネバリノギラン(粘芒蘭)の特徴です。
同属のソクシンランは見たことがありませんが、見分けは下記だそうです。
ソクシンラン:根出葉は3脈、花柄・花被外面に縮毛、花被は白色。
ネバリノギラン:根出葉は7-11脈、花柄・花被外面が粘る、花被は黄緑色。
ノギラン属のノギラン(芒蘭)の特徴です。
葉はロゼット状になりネバリノギランと同様にショウジョウバカマに似ます。
ネバリノギランとノギランは、遠目にはよく似ます。
茎葉の有無も見分けのひとつですが、苞葉も似ていて迷うことも多いです。
茎が立ち上がり蕾が膨らんでくると、形の違いが分かってきます。
また、ネバリノギランの蕾は光って見えるように、腺毛があり粘ります。
ノギランは粘りませんので、歩道の近くにあれば軽く触れてみると区別ができます。
花が開くと見分けは容易です。
ネバリノギランの開花は、花被の下部が合着し、先端がわずかに開く程度です。
ノギランの開花は、花被が大きく6裂に開き、雌蕊や雄蕊が目立ちます。
キンコウカの特徴です。
前の2属とは葉の付き方と花の色が明らかに違います。
キンコウカの名の由来は、金色に輝いて美しいからとか。
花は鮮黄色で花被片6枚を星形に開き、6個の花糸には黄色の毛が密生します。
花先にポツンとつく橙色の葯が可愛く、近くで見ても遠くで見ても印象深い花です。
北アルプス八方尾根の夏、ゴンドラリフトを降りるとキンコウカが迎えてくれます。