暑い9月でしたが、野の花は秋めいてきました。
あちらこちらで見かけるリンドウ科センブリ属のアケボノソウ(曙草)です。
純白の花弁に黄色い蜜腺と先端にちりばめた濃緑色の斑点、魅力的な秋花です。
アリノトウグサ科のアリノトウグサ(蟻塔草)、小さくて這い見落としがちです。
名の由来は、長さ約2mmの小さな花が草を登るアリに見えるからだそうです。
雄性期が終わると花弁と葯が落ち、羽毛状で淡紅色の柱頭があらわれます。
夏から秋にかけて咲く、シソ科のカリガネソウ(雁草、雁金草)です。
花柱と雄蕊が花の上に伸び、弧を描いて先が垂れる様は芸術的です。
虫が花弁に留まると花序が下がり、花柱と雄蕊の先が虫に接する仕組みです。
タデ科イヌタデ属のママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)です。
名の由来・・刺の生えた草で憎い継子の尻を拭く・・恐ろしい名付です。
とはいえ、逆刺は絡みつくのに好都合、花はピンクで見惚れる美しさです。
この日はアカバナ科のミズタマソウ属の3種類に出会いました。
この仲間は、小さな丸い果実に白色の毛をつけ、水玉のように見えます。
近隣には画像の3種類の他に同属のミヤマタニタデも見かけます。
河原を歩くと、いくつものマメ科植物の花に出会います。
画像はカワラケツメイ、ヤハズソウ、メドハギ、ツルマメです。
他にも、イヌハギ、マキエハギ、ヤブマメ、ヤブツルアズキなども咲いています。
この日は姫木平から霧ヶ峰北側を歩きました。
どこに行っても、紫色のツクバトリカブト(筑波鳥兜)の花が迎えてくれました。
ヤマトリカブト類のひとつだそうですが、葉が3全裂~深裂します。
切れ込みの深い小さな葉のチドメグサの仲間をみつけました。
図鑑で調べ、ヒメチドメ(姫血止)と分かりました(ウコギ科チドメグサ属)。
子供のころ、血の出る傷口にチドメグサの汁をつけて止血したことを思い出します。
この時期の野山はイヌコウジュやヒメジソの花で道沿いがにぎやかです。
一見そっくりのこの2種はシソ科のイヌコウジュ属です。
イヌコウジュは赤味がかり葉の鋸歯が多く、ヒメジソは緑っぽく鋸歯が少なめです。
マルバフジバカマ(丸葉藤袴)、以前はヒヨドリバナ属でフジバカマと同属でした。
今の時期の上田市の林内は、北アメリカ原産の帰化植物の花で真っ白です。
最近ではお馴染みの秋の風景になってしまいました。